フェーン現象を予告するような朝焼けが、二日続いた。からだ的には、暑い方がいい。ウイルスのような外部からの敵に対して、抵抗力が上がっている気がする。
きのうの大谷の2発目は、リアルタイムで見ていた。それはいいとして、大谷の5打席目は非常に面白かった。
10点の大差をつけられて8回裏、デトロイト・タイガースはマウンドに野手のクレメンスを送った。
今季6試合目の「登板」だったそうだ。今まで三振を奪ったことはない。そりゃそうだろう。キャッチボールのような超遅球で、投手陣を節約するために送られたわけだから。
でも遅い球にエンジェルスのバッターはフルスイングを掛けるから、なかなかタイミングが合わない。大谷もそうだった。2球、ファウルに終わって、1ボール2ストライクと追い込み、4球目。外角のいいところに決まった球を、大谷が見逃した。ボールと思ったか、デカいのは狙えないと思ったか。
するとクレメンス、右手で拳を作り、胸の辺りに持って来てガッツポーズで「やったぜ!」と多分ココロで叫んだろう。大谷はただ悠然と、バッターボックスを後にした。
その後、クレメンスは「この球をとっておいてくれ」と頭上にかざして、ダグアウトへ届ける。そのくらい、はしゃいでいた。本人曰く、額に入れて飾るのだそうだ。同僚に「明日大谷からサイン貰えよ」と言われた。
クレメンスという名前には心当たりがあった。あのロジャー・クレメンスの四男だそうだ。お父さん、頑張ったね。
クレメンスはダグアウトへ帰っても、弾む心は抑えられない。タブレットで再生して、同僚と会話で盛り上がっていた。カメラが切り替わると、大谷もまたタブレットをイッペイと見て、笑い合っていた。
スポニチによるとクレメンスは「クール」を連発していたらしい。「ただアウトを取ろうと思っていただけだけど、超クールだね。彼は野球界最高の選手。本当にあの瞬間は最高にクールだった。」 ーーボールは?「手に入れたよ。とにかくクールだ。絶対に額に入れて飾るよ。選手の中には明日にでも渡してサインをしてもらえばいいと言う人もいる。それはとてもクールだね。」
オオタニのマジックは、まだ輝きを失っていない。
ps. ちょうど今、中継できのうの様子を流していた。
大谷からサインをもらって、ご機嫌のクレメンス。
「なんてエゲツない球なんだ!」とサインしたそう。
ほうっ。字も書けるんだ。nastyって。