日本の心・さいき

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イチロー・・・

2008-01-04 14:59:46 | Weblog
 平成20年1月2日のNHKテレビのプロフェッショナ仕事の流儀で、イチロースペシャルがあって、初めから終わりまで食い入る様に全て見た。
 過去のイチローを捨てている。2007年から、重圧から逃げることをせずに、正面から向き合うイチローに変わっている。何だ、そんなことかと思うかも知れないが、イチローにとっては、それは、苦しんで苦しんで苦しんだ結果の結論なのだ。
 本名鈴木一朗、保育園に通う当時から、プロ野球選手に憧れている。3歳頃に、近くの人が野球をする姿を見て、格好いいと思う様になっている?!小学校3年生になってから、本格的に野球を始めている。野球が好きで好きでたまらない少年。夕食後も、父親と一緒にバッチングセンターに行って、遅くなるまで練習している。ドラフトで4位に指名され、オリックスに入団。それまでは、平穏な野球人生だったがとイチローは言う。
 しかし、並はずれた成績で、若くして直ぐにトップの成績。世間やマスコミは、期待を掛ける。しかし、期待される程の実力がない、又、それなりの結果を出さないといけないと思うと、益々、精神的に落ち込み、人目を避ける様になる。毎年トップの成績を上げながらも、イチロー自身は、ずっと苦しんできていたのだ。
 そんな折り、その解決策として、大リーグ行きを思い付く。ここなら、それまでの苦悩から脱却出来るかも知れないと思う。しかし、アメリカでは、結果が全ての世界。ところが、そんな中でも、彼は、本来の持ち前の天性の才能で、確実に成績を残し、誰もが認めるナンバーワンの打者になっている。
 しかし、そこまでの過程が、実にユニークである。アメリカに行っても、悩み続ける。170本の安打が出ると、急に打てなくなる。調子よく行っていた安打が急に止まる。ストレスで、低血糖かと思える様な発作に試合中に突然に襲われる。
 彼は、常に進化を目指している。試合に行っても、部屋から出ずに、決まったメニューで体を調節し、早く寝(時差ぼけには勝てず、睡眠薬も使っている)、球場には、誰よりも早く行って、決まったメニューでウォーミングアップしている(実際に、私もその姿をトロントで見ているが)。
 しかし、バッティング方法を常に変えている。ゲンもかつぐ。練習のメニューはいつも同じ。食事だって、弓子夫人のカレーを飽きもせずに7年間も食べ続けているのだ。マイホームにいる愛犬一弓(いっきゅう)と弓子夫人の存在は、イチローにとっては、オアシスだ。 
 体が反応してしまう。ストライクゾーンに入った玉を打てる能力は、自分がナンバーワンだろうとイチロー自身が言う。しかし、ボールの玉まで打てると思って体が反応して、自分の意志に反して振ってしまうのだ。
 そんな天才イチローの言葉が面白い、「球場を上の方から見ると、ヒットになる場所がアチコチ沢山ある様に見える。しかし、実際にバッターで立ってみると、どこに打っても取られてしまう感じになる。これを考えた人は、凄いなあと思う・・・」と。
 2007年から、イチローは開き直っている。もう、逃げることを止め、真正面から闘うことにしたのだ。そうすることで、イチロー自身が無意識的に求め続けて来たモノに少しでも到達できるのではと思っている。その達成は、楽をしては到達できないモノであり、もがき苦しんで見つけ様としないと、その光がどうしても見えて来ないものなのだ。
 恐らく、イチローは、将来は、5割の打率を目指していると思う。現状の姿には、完全に満足してない。自分と闘っている。そこに、正に、私は、古来からの日本の武士の姿を見ることが出来る。



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