山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

大阪・池田市の小中一貫校の不見識

2011年10月18日 16時34分31秒 | Weblog
 池田市では6月の議会で小中一貫校の校舎の設計予算を可決するという暴挙をした。小中一貫校を実施するという教育委員会議での決定がないのに、市長の横暴で強行した。共産党が反対し、一部議員が退席した。あと市長を応援する会派は賛成。市長は橋下知事と親密にプレーをしてきた倉田薫氏。去年は、府立園芸高校を池田北高校と合併させて、園芸高校の土地を巨大ショッピングモールやマンション・住宅用地にして開発事業をしようと画策した。反教育的な妄想をゴリ押ししようとし、学校関係者・市民から猛烈な反発をうけひっこめた。しかしその途中では橋下知事がまともにこれに付き合い、府の正規の会議で取り上げるという茶番もあった。普通は、まともに取り上げることをしないしろものだ。
 今年は、池田市の小中学校を順次整理統合し、小中一貫校にするというのだ。そのため
耐震補強も最低レベルのまま放置している。そもそも小中学校を一体にする教育学的根拠は何もない。推進の本心は、二つの小学校をひとつにし中学校と同一敷地・同一校舎にすれば、小学校一つが余る。売れば大きい利益がでる。なんのことはない、統廃合が目的だ。ごまかすために教育的な理由を付けようとする。いわく、中一ギャップを解消する、これが一番のうりだ。中学入学の不適合を解消しようと。しかし、それは事前に交流すれば十分だし、中学への入学が新たな世界に入ることで小学校の問題を払拭するプラスの効果もずいぶん大きい。あとは、適正規模とかなんとかいうが、小中一貫で1000人以上、千数百人の大規模になる弊害が大きい。
 なによりも、教育が無茶苦茶になる。小学1年生と中学3年生が同一の学校でやっていけるのか、安全は確保できるのか?運動場は放課後中学生の部活動(いまでも過密)をやっているところで小学生が遊んだり活動ができるのか?体育館が1年生から9年生までの授業をできるのか?小学生と中学生は運動施設・用具は同じ大きさでいいのか?プールはいまでも児童が多い学校は水につかる時間が短いが、いっしょではもっとひどくなるのではないか?小学校低学年と中学生とでプールの深さは同じでいいのか?低学年は溺れないか?浅ければ中学生は頭を打たないか?理科や音楽などの特別教室は小学生と中学生の二種類の椅子を用意するのか?一つの特別教室で9学年の授業に対応できるのか?運動会は小学生と中学生が一緒でできるのか?別の日に二回に分けてやるのか?45分授業の小学校と50分授業の中学校チャイムはどうするのか?教育委員会事務局はチャイムのない学校もあると説明会で答えたようだが、チャイムにとらわれずに授業するための試みとしてやられているのであって、全ての学校でチャイムを廃止してやっていけるのか?時間はどんどんずれて、休み時間に遊ぶ児童生徒絶えずいて、うるさい。それでやっていけるのか?喫煙など問題行動が中学生には目に付くのが現実だが、小学生に悪い影響はないのか?体格がちがう小学低学年の子どもの安全に問題はないのか?これまでは小学6年生はリーダー学年としての自覚をうながす教育的意義が大きかったが、それがなくなることの損失はあまりに大きいのではないか?
 教育的利点はほとんど聞かない。教育学者からは反対論が出ている。胡散臭いものを取繕おうとしても底が割れている。










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