山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

教育を徹底して私有化し、これを新自由主義的金儲けの場にしている日本の異常

2024年09月10日 16時46分32秒 | Weblog
 共産党志位議長のヨーロッパ左翼諸党との交流に注目している。その記事の中でひときわ目に留まったのが、フランス共産党との会談での学費問題の意見交換だ。志位さんが、ほぼ無料となっているフランスの公立大学の学費についてその背景にある考え方について質問した。フランス共産党のブレ国際担当責任者が、「これは、フランスの共和主義を担い支える批判的精神を持つ市民を育てる為にはすべての人への教育が必要であり、教養を高めなければならない。したがって、フランス共和主義にとって無償化は当然のことなのです。」と説明した。志位さんは「学費無償化の背景に教育の公共性に対する歴史的に形成された高い評価があるということに強い感銘をうけた」と述べた。(「赤旗」9月10日付け)
 日本にはびこっている新自由主義的な、教育を徹底して私物化、私有化しその成果をおのれの利益、出世の道具として抱え込む教育観とは180度違うのがフランスの教育観だ。
 わたしが渋谷高校で勤め始めたとき、先輩教員がこのフランスの教育観と同じこと語ってくれた。わたしの出発点となった。教育に多額の税金が投入されるのは、特に国公立大学が超低額だった名残があったころ、教育の成果は自分ひとり占めするのではなく、社会に恩返しをする、社会全体のために生かすことを自覚する。これは公立高校の生徒たちにも立派な国民を育てるために貴重な税金が投入されているのだからそれを自覚して成長していこうということを生徒に何度もいったものだ。なつかしく思い出す。
 今の日本では、学生の反対運動にもかかわらず、東大当局が授業料の10万円の値上げを発表した。学生の苦境に目をむけない東大当局、交付金を減らし続けて大学を締め上げてきた自公政府の悪辣さは寒気がする。やがて個人に利益をもたらしてくれる大学教育なのだから高い金を払っても当然じゃないかという思想が背景にある。
 これでは社会が腐っていく。学校までが腐っていく。
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