安倍自民の大誤算、憲法審査会で自民推薦参考人も「憲法違反だ」

　今日（2015・6・4）の衆院憲法審査会で参考人質疑がおこなわれた。自民党推薦の参考人は長谷部恭男氏、民主党推薦が小林節氏、維新推薦が笹田栄司氏。いずれも憲法学者だ。そこで、いま国会で審議が行われている安保法制は憲法違反かどうかを尋ねられ、長谷部氏は「集団的自衛権については憲法違反」、小林氏は「9条に違反する」、笹田氏は「違憲だ」とのべた。憲法学者ならば当然の回答だ。
　「ニュースステーション」の画面に映った自民党・船田元氏は茫然自失だった。氏は自民党憲法改正推進本部長で、長谷部氏を参考人に推薦した責任者だろう。長谷部氏なら大丈夫だろうと踏んでいたのが、みごとくつがえされたのだから、安倍政権の法案ごり押しはやすやすとはいかない。
　元はといえば長谷部氏は、秘密保護法制定の時、自民党に全面的に協力してきた。ときの衆院秘密保護法案特別委員会で参考人として出席し賛成意見を述べた。わたしは著名な憲法学者の長谷部氏が、まさか、裏切られたとの思いでいっぱいになった。2013年11月14日付のわたしのブログで長谷部氏を糾弾した。
　菅官房長官は、記者会見で「違憲にはあたらない」と述べても、ぜんぜん説得力がない。なにしろ著名な憲法学者が、自民党推薦の学者も含めて違憲だと述べたのだから。菅官房長官が、えらそぶっても空威張りと見抜かれる。菅氏はまた「違憲でないという憲法学者はいっぱいいる」と負け惜しみを言った。だが、菅氏が想定する学者は安倍さんのお友達の2，3人の「自称憲法学者」で、憲法学界では相手にされないような非憲法学者なのだ。