山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

確信犯的靖国参拝と春香クリスティーン

2014年01月03日 22時40分29秒 | Weblog
 新藤義孝総務相が1日、靖国神社を参拝した。12月26日に安倍首相が参拝し、中国、韓国から厳しい批判を受けただけでなく、アメリカ政府からも「失望した」と酷評され、国連事務総長からも注文がつけられたにもかかわらずだ。新藤氏は、「自分の心の問題として私的な参拝をした」というのだ。だが政府の閣僚の行動として見られるのに、私的な心の問題だとして政治的な反響にはまったく頓着しない。政治家は政治的影響に責任を負わなければならない。とくに政府閣僚は政治責任がすべてだ。
 安倍首相もそうだが、靖国神社に参拝することが外交上の国益を損なうことを無視しうるほど私的には大事なのだ。安倍氏は1年以上は我慢できないと参拝した。だが私的な好みで、国益を損なうことは政治家にはゆるされない。ましてその中身が戦後国際政治の枠組みの、そのまた土台をくつがえすものだからだ。ナチスとともに第2次世界大戦をひきおこしたその戦争を侵略戦争ではなく、日本が被害者だったとし、その戦争指導者を神としてあがめることは、戦後の世界の出発点を逆に描くことになる。これには、日本の戦争被害者の中国・韓国だけでなくアメリカもロシアもEUも、ポツダム宣言、国連憲章、東京裁判、サンフランシスコ講和条約すべてをくつがえすものだとして批判するのは当然だ。
 タレントの春香クリスティーンさんが安倍首相の靖国参拝を批判したことに、ネット右翼がいきり立っているようだ。春香さんは21歳の上智大学生で、4か国語をあやつる才媛だ。出演している「情報ライブミヤネ屋」でコメントを求められ、「海外でよくこの問題と比べられるのが、『もしドイツの首相がヒトラーのお墓に墓参りをした場合、他の国はどう思うのか?』という論点で議論されるわけですけれど、まあ難しい問題ですよね」といった。
 春香さんのいうのはしごく当然のことだ。ドイツには靖国のようなヒトラーを神とする神社はないから、さしずめヒトラーの墓参りをするのが靖国参拝と対比しうる事象になるだろう。ドイツでそのようなことをすれば、ただちに罷免され国際政治の舞台に二度と上がることはできない。極右政治家として排除される。安倍首相らは極右政治家ではあるが、日本政治では排除されない。そこに今の日本の危機がある。




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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-01-04 23:56:56
才媛でも、部屋の中は足の踏み場がないくらいに散らかっています。
片づけの先生に、叱られていました。
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