山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

JR採用差別問題の解決をよろこぶ

2010年04月10日 11時55分39秒 | Weblog
 今から23年前、1987年の国鉄分割民営化の際に、国労や全動労などに所属していることで1047人の労働者がJR不採用になった。中曽根首相は、国会で「1人の職員も路頭に迷わせない」と言明したが、完全に裏切った。つづく自民党政権も同様だ。
 自民党政権は、旧国鉄の労働組合をつぶすことを第一の目標に、国鉄の国民共有の財産を財界に譲り渡すことを第二の目標に、分割民営化を押し切った。1047人の労働者は、路頭に迷い、人権侵害を受け続けた。国家的な不当労働行為だった。この長い年月、解決しようとしなかった自民党政権の罪は重い。政権から退く理由はこれだけでも十分だ。
 民主党政権は派遣労働の問題でも、老人医療の問題、沖縄普天間の基地撤去の問題でも期待を裏切っているが、この1047人のことでは役割を果たした。
 政府は、昨年3月の東京高裁判決の賠償金一人当たり1189万円を配る、和解金全体では一人当たり2200万円相当となる解決案を示し、関係労働団体がこれを受け入れることを表明した。JRへの雇用では、冷酷なJRは協力的とはいえず、政府の責任で「路頭に迷わせない」という約束を実行させることがこれから重要だ。
 大阪では、大矢さん、中島さんが首を切られ、苦しい年月を過ごしてきた。アルバイトで最低限の生活資金をえながら、不当な首切りを許さない運動を続けてきた。大矢さんは自らの問題よりも、大阪の労働者全体の幸せのために運動してきた。多くの人が、その大きな声と明るい性格に励まされてきた。
 長い年月本当にお疲れ様でした。
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勉強につまづいた子供たちを救う・NHKの報道

2010年04月10日 10時16分52秒 | Weblog
 今(2010・4・10)、NHKの「ふるさと発 引退教師達の学習会」を見ている。大阪・門真市の退職教職員がボランティアでやっている「門真っ子」の1年間の密着取材だ。
 廃園になった幼稚園跡を利用して、小学生100人ほどを集めて土曜日に教えている。ひとつの教室に教員5,6人配置している。全員に個人指導ができる。算数につまづいているある3年生に女の先生がつきっきりで指導している。なんでつまづいているかもわかる。国語では、大きい声で朗読することに集中している。これはいいと思う。学校では朗読に重点をおくというわけにはいかない。
 無料で年間を通して、個人指導までしてくれる、こんな場所が広がることが必要だ。非行や逸脱のもとは、勉強についていけないことが大きい。小学校中学年からの抽象的な操作でつまづいたら、あとあと尾をひく。ここでこのようにきめ細かな支えをしてあげることの意義は大きい。
 私は以前、橋下知事が東京の塾産業などをひきいれた「夜スペ」を発足させるというとき、門真では退職教員が自主的にやっている、こんなことこそ応援すべきだということをこのブログで書いた。橋下知事は教育委員会をおしのけて教育行政を取り仕切っている。だがそれは、教育予算を減らした上で学校と教員をしめあげる、競争をしくむということにつきる。門真のこの取り組みは多くのことを教えてくれる。
 この取り組みに着目し、1年にわたって密着取材をしたNHK大阪放送局にエールを送りたい。
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橋下新党をどうみるか

2010年04月10日 09時25分27秒 | Weblog
 橋下知事が代表につく予定の「大阪維新の会」という地方政党が動き出している。自民府会議員の一定数がこれに鞍替えしている。人気のある知事にくっついた方が得だという若手を中心に一大勢力になっている。だが、大阪市会議員にはその動きはない。知事に屈服することによる利益がないからだ。
 住民としてこの地方政党をどうみるかが問題だ。中心の政策は、大阪府と大阪市の再編統合だ。これは本格的に論じなければならない。
 今日は、この橋下党の本質を暴露するひとつの政策に注目しよう。
 それは、大阪市営地下鉄を民営化するという政策だ。地下鉄は大きい利益を毎年上げている。これを民間に渡すのだ。「今は黒字かもしれないが、民営にしないとやがて赤字になってしまう」ということをきっと言い出すにちがいない。かつて大阪市の顧問で、いまは大阪府の特別顧問となっている上山慶応大学教授の持論だ。さすが大阪市では、関市長が一時動揺したが、このばかな政策は取り入れなかった。だが橋下党は大阪府市解体が目標だから、痛みを感じない。
 地下鉄の民営化は、第一に、大阪市民の共有財産を資本に譲り渡すもので、第二に、市民の交通権(民主党が最近提起した権利概念)、移動権を奪う人権侵害だということだ。財界本位の反市民的な政策だ。
 市営地下鉄は、市営バス、市営赤バスと一体経営をしている。地下鉄の黒字でバスの赤字をおぎなって、全体として市民の移動の自由を保障している。バスが赤字になるのは仕方ない。客の多い路線が地下鉄とされ、地下鉄をおぎなう路線がバスで担われているのだ。利益の上るところだけ食いちぎるとうのは猛獣の論理だ。地下鉄を分離すれば、赤字のバスだけが市民の税金負担となり、値上げと路線廃止で市民の、とくに老人の自由を制限するのは明らかだ。病院にいくこともままならなくなる。
 こういう反市民的な政策を公然とかかげる「政党」が、代表の人気だけでその本質が覆い隠されるのは、我慢できない。
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