こんにちは! ただち恵子です

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「市立病院の経営形態」をテーマに議員総会

2012-03-28 23:19:12 | 市政&議会報告
厳しい経営状況の続く市立病院の経営形態について、議員総会が開かれた。

議員総会は、議決機関としての市議会の正規の会議ではなく、市当局、病院当局の考え方は現状についての説明を聞き、各議員がそれぞれ質問する。あるいは意見を述べる。
ここで「何かが決まる」という会議ではない。

説明されたことは、現在の「地方公営企業法一部適用」から「全部適用」への移行を早期に行うこと。
移行を待つことなく、民間医療法人の職員を招聘し、「民間病院の効率的な経営管理手法を病院運営に活かすこと。ただし、民間医療法人から招聘する職員が、市立病院の運営のなかで、どんな位置でどんな役割を果たすのかについては、「協議・調整中」ということで、きょうの会議では具体的に示されなかった。

現在、公営企業法一部適用のもとで、病院の開設者は市長であり、病院運営のトップである病院長に財政、人事の権限はない。
「全部適用」にすることで、予算、人事の独立した権限を持つ病院管理者を置き、権限と責任を明確にして、収支改善、経営改善を図るという。

地方公営企業法のなかで、病院事業だけが「一部適用」の例外規定をもつことは、自治体病院の果たす役割が、保健・福祉など自治体行政の本来の事業と密接に関わり、したがって行政組織の一環としての機能が求められていることによる。
自治体が自ら直営の病院を持つことの積極的な意味、保健・医療・福祉の連携した事業の展開により、それぞれ相乗的な効果をあげてきたことは、たとえば「命の行政」として「乳児医療無料化による乳児死亡率ゼロ、老人医療の無料化による安心の老後」を実現した岩手県沢内村(現西和賀町)の例にもみられる。
「健やかに生まれ、健やかに生き、健やかに老いる」という自治体行政の理念は直営病院があってこそ実現したものに違いない。また、「公営企業法一部適用」で、行政が予算と人事に対する関与をすることも、そこには積極的な意味があった。

国の医療行政の貧困のもとでの、自治体病院の経営難、また自治体財政そのものの困難が増大するなかで、より効率的な経営をめざしての「全部適用」への移行が大きな流れになっている。

しかし、問題は困難ななかだからこそ、地域の医療ニーズに対して、たとえ不採算であっても取り組むことにより「自治体病院としての存在意義」を鮮明にすることではないかと思う。


市の財政を守るために、「赤字の病院はいらない」というのは、必ずしも市民の声ではない。病院が実施した「患者アンケート」にも、「なぜ市立病院を選んだか」の問いに「市立病院だから」という答えが30%にもぼる。

「地域の開業医、かかりつけ医ではできない治療は市立病院へ、入院治療が終わればまた地域の診療所へ」・・・そうした流れのなかで、市民の命・健康をしっかりと支える医療体制を維持・向上させること。
そのためにも、地域医療の担うパートナーとして地域の医師会等との連携をよりいっそう、深く強いものにするための努力、働きかけを求めた。

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