決算委員会の質疑1日目の議会費、総務費が午前中に終わったのには驚いたが、その後も早いペースだった。
5日目の特別会計、国保・介護・後期高齢者医療は、松本議員以外に質問もなく、午後は病院会計。それですべての質疑が終わった。
病院会計の決算審査を聞きながら考えたことを自分のメモとして残しておく。
決算書そのものを傍らにおいて書いているものではなく、あくまで「決算委員会傍聴」の上での所感。
新病院への指定管理制度導入(12月議会)、指定管理者の指定(3月議会)を決めたのは、この年度の最後。「地域医療構想」と言う名の病院再編計画がされた最初から、「指定管理者制度の導入」を前提とし、しかも指定管理者は生長会一択で、議会の権能を発揮することを放棄した最悪の事例だったと思っている。そこに身を置いた者として忸怩たる思いがある。せめて市民とともに、その是非について議論を尽くすことはできなかったのか。議決に際し、そのプロセスは「透明性のかけらもない」と断じた。
「再編計画」が市民に、突然市民の前にその姿を現したときは、新型コロナ感染症の感染拡大が始まる前だった。そして感染拡大の中で、改めてこの国の公立病院の果たす役割に光があたるなか、他の自治体病院が検査と患者の受け入れで目に見える働きをし、それをアピールしてもいた。泉大津ではどうだったか。
大阪で特に深刻になった医療崩壊の危機に直面しているときに、今ある医療資源、施設と人員を活かし、必要なら拡充もし、役割を果たすことを市民は求めた。ところが、「再編後には感染症対策でもより充実」と、新病院ができればすべてバラ色であるかのように描きながら、目の前の危機に対応するのではなく、「再編後のダウンサイジング(病床を減らす)を見越して看護師等医療スタッフの退職者不補充」を公言した。
その結果、「再編後のダウンサイジング」を待たずに、すでに病院の医業活動は縮小、昨年度は、病床稼働率5割を切るまでになった。
2022病院会計決算は、当然のことながら、医業収益は減少。にも関わらず、総額約18億5千万にも及ぶ一般会計からの繰り入れと国のコロナ対策補助金のおかげで「会計」としては、資金不足解消に向けて好転することとなったという。
再編計画の当初に出された収支計画案は、起債条件の「10年間で資金不足を解消」という条件のクリアのために、一般会計からの多額の繰り入れを前提とした。「再編後には、一般会計からの繰り出しは抑制される」ことは、アピールされたが、そこに至るまでの莫大な市の財政支出については、多くの市民の知るところではない。
私は、病院事業会計への一般会計からの繰り出しを、一律に否定する立場ではない。公立病院としての使命を果たすには、国の財政措置の不十分さを補う市の財政支出は、病院開設者の責任だと思っている。それによって、市民の安全、健康、命を守る担保となれば、けして「無駄」ではない。一般会計からの繰り入れを問題視してきたのは、「再編計画」を推進してきた側だった。
問題は、過去にも例がないほどの破格の繰り入れをしておきながら、病院の運営をするための必要な人員配置さえ行わないことだ。「退職者不補充」と平然という無責任さだ。230床の病院があるのに。現に患者がいるのに。感染症との闘いに社会が翻弄されているときに。
結果、「再編計画」という市の都合によって、転院を余儀なくされる患者に対する無責任で冷たい対応となっているのが現状である。
市立病院で働く医療スタッフに対する雇用主としての責任をどう果たそうとしているのか?そのことも問い続けてきたが、・・・。
「再編計画」が示された当初、「新病院建設に、超概算で施設建設費100億、医療機器に20億」というのが、議会に対する説明だった。その後、私の質問には現病院の改修費について最後まで「超概算」の数字さえ示されなかった。直近の予算補正では新病院関連で154億に膨れ上がり、現病院の改修予算で約30億。すでに200億円近いプロジェクトになっている。昨今の資材高騰の影響下で今後のさらなる増額の可能性も否めない。
対面による説明、一方的な説明だけでなく「市民の意見を聞くための説明会」と市が「参画と協働推進条例」の説明に掲げた説明会開催をあくまで拒む。
診療科目等が決まれば、決まったことを「広報とホームページでお知らせ」という。
「市民置き去りの暴走」と私たちが警鐘を鳴らしてきた市と病院当局の現在の姿だ。
ハイビスカスの花が、今日も咲いた。
本文とは関係ありません。