こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

岩手・陸前高田の今

2013-10-15 16:38:24 | 東北被災地支援・がれき処理問題
2011年の7月、津波・震災から4ヶ月後の陸前高田を訪ね、青空市のお手伝いや仮設住宅の訪問、要望聞き取りなど、ささやかながらボランティアを経験しました。

そのときから「何年かたったら、きっとまた来よう」と思い、その思いを果たすことができました。
思い切って行ってよかったと思います。
「今、行かないと・・・」と決断を促し、1200キロの遠路の運転をしてくれた同会派の森下議員、現地の宿泊を手配し、多忙な時間をさいて案内してくださった藤倉陸前高田市議はじめ市議団の皆さんに感謝です。

9日10日11日の現地から投稿を補足し、今、心にあることを記しておきます。

あの日から2年半たって、被災地の様子がマスコミで報道されることはほとんどないように思います。

「復興はようやく緒に就いたところ」ではないかと思います。
震災前の人口は2万4千余人。
今は、約2万人。

亡くなられた方が2千人以上。やむなく他県、他市へ移り住んだ方もあることでしょう。

約4割の家屋が居住不可能となり、今も、52箇所、2100戸の仮設住宅に多くの方が暮らしておられます。

住宅、商店、市役所を初めとした公共施設が集積していた市街地は津波被害で壊滅し、そこは広大な更地です。




「とりあえず」と言う感じで小さな「追悼施設」が建てられていました。
全国から訪れた人のメッセージ、千羽鶴などが掲げられています。
慰霊碑に合掌。



遠くに見えるのは屋上まで水没した気仙中学校。生徒の犠牲者がなかった校舎は取り壊さず、津波・震災被害を伝える遺構として残すとのこと。




線路も駅のホームも津波で流され、運休中のJR大船渡線。2年前に訪ねたときは、「ここに駅があった」ことがかろうじてわかる「駅のホームの残骸」でした。
鉄道の復旧が待ち望まれながら、なかなかすすまないようです。今はバスが運行。竹駒駅のあとはきれいなバス停に。



隣町の住田町、お寺の境内に建てられた木造仮設住宅。

地元の木材を使い、仮設住宅としての用途を果たしたあとは無償で譲渡されるとのこと。
普通のプレハブでは、後の使い道がありません。
昔の長屋風の温もりを感じます。



街のあちこちにある花壇。立て札には、全国各地の学校名。
復興に思いを寄せ、花の種を撒いた若い人たちの祈りがこめられているようです。



2日間、連泊でお世話になった民宿「むさし」さんは、5分も歩けば海岸。
帰る日の朝、小雨の中を歩きました。
静かなこの海が、荒れ狂った日のことを思います。

海岸がすぐに見下ろせる場所ではありながら、高台なので津波の浸水被害はまぬかれたものの、地震は「今までに経験したことのない怖さ」。
余震が続く数日間、家に入れず車のなかで寝たこと、家を流された人たちを受け入れ「とにかく食糧を、暖かいものを」ありったけの物を提供し着の身着のままで過ごした日々のことを話してくださいました。

「それでもここは、壊れた街もいつかは作りなおせる。取り返しがつかないのは、福島、原発の被害だ」と言われました。









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復興のシンボル、「奇跡の一本松」

2013-10-11 23:47:55 | 東北被災地支援・がれき処理問題
朝、高田松原に残った奇跡の一本松のそばまで行きました。小雨降るなか、かなりの人が歩いていました。



7万本の松林が津波に流され、美しい白砂青松の浜がガレキの山と化したなかで、ただ一本残った松の木。
様々な手をつくしても残念ながら松の木は「枯れ死」の宣告を受け、今たっているのはレプリカですが、それでも凛としてたつその姿は美しく、見上げるものに語りかける力があります。

午前中は大船渡の沿岸部を回りました。2年前に見た記憶のある損壊した建物のそのままの形、砕かれた岸壁、時を刻むことを止めたまま同じ場所に立つ柱時計・・・

今、一路大阪に向かっています。帰りは日付が変わります。

行かなければわからないことがたくさんありました。
思い切って本当によかったです。

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復興への道のり

2013-10-10 18:03:28 | 東北被災地支援・がれき処理問題
宿泊していた民宿に朝8時半、日本共産党陸前高田市市会議員の藤倉さんが迎えに来て下さり、市内を案内していただきました。

明後日土曜日、高田高校グランド跡地の仮設住宅集会所で、日本共産党陸前高田市会議員団主催で2回目の懇談会を開催。前回4月懇談会でお聞きした声を議会で取り上げ、実現したことなどを報告。
小池晃参議院議員も参加し、直接住民のみなさんの声をお聞きします。
懇談会の案内チラシを持って一軒一軒届けながら住民の皆さんの要望を聞く3人の議員さんに私たちもついて歩き、直接声を聞かせていただきました。
詳しい報告は帰ってからゆっくりしたいと思います。



住民の皆さんの声を聴く藤倉議員と伊勢議員。↑

夕方、民宿に戻るまえに市役所に立ち寄ってみました。2年前にきたときは2棟だったプレハブが4棟になっています。

その前に掲げられた子どもたちの絵。子どもたちの澄んだ目は街が再び甦る未来をみつめているのだと思います。

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2年半後の岩手・陸前高田へ

2013-10-08 18:28:48 | 東北被災地支援・がれき処理問題
2011年7月、震災後4ヶ月の陸前高田を訪ねた。

その瞬間まで、そこで暮らした人々の姿を思わせるモノたちを「ガレキ」と呼ぶのは悲しかった。
仮設住宅を一件一件訪ね、要望を聴き、地元の議員さんに伝えた。

そうして歩きながら、何年かしたら必ずもう一度、ここに来ようと思った。

陸前高田は、岩手県内の自治体で亡くなった方の人数、そして遺児・孤児となった子どもたちの数が最多。
「12人に1人」が亡くなった」というのは、津波被害の及ばなかった山間部を含めてのことだから、沿岸部では数人にひとりが命を落とされたということ。

総世帯数の約4割が全壊、または大規模半壊で「居住不可能」となったといわれる。

この2年半、国の支援が後手に回る中、被災自治体は何を優先してきたのか。
復興計画は、どのように描かれ、人々の暮らしに希望の兆しは見えているのか。

限られた時間ではあるが、しっかりと見てきたいと思う。

台風24号が近づいている。
「台風と道連れ」はあまり嬉しくないが、元気に行ってきます。

きょうは、出かける前にしておくこと、9月議会の報告ニュースを仕上げ、印刷は森下議員にお願いして、お聞きしていた相談の対応に一日走りました。
夜は会議です。

明日の未明に出発し、往路は福島の「原発地帯」を通過して、岩手へ。
翌日10日は、2年半前にもお世話になった地元の議員さんに案内していただいて、市内を視察。
11日に帰ってきます。







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2012-08-31 23:37:04 | 東北被災地支援・がれき処理問題


夕方、空にかかる虹のアーチをみました
虹を見ると思い出します。

次女(このブログの○ちゃんの母親です。)が、確か5歳のとき。
保育所からの帰り道、
「おかあさん、きょう虹みた?」
「見たよ。Mちゃんも見てるかなって思いながら、見たよ。」
「私も、おかあさん、見てるかなって、思いながら見たよ。」

そんな会話を交わしたのが、つい、このあいだのように思えます。


ところで昨日の、大阪市主催の「ガレキ受け入れ説明会」。
最後に、28日に泉大津の勉強会で講師をしてくださった下地さんがマイクを持って、参加者の皆さんにも、大阪府・市・環境省が繰り返す「安全」なるものが、いかにいい加減なものか、わかったことと思います。

コメントに当日の動画をリンクしてくださいました。
是非、ご覧ください。
全体はコチラ
下地さんの発言部分はコチラです。

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震災ガレキの「広域処理」にこだわる理由は・・・

2012-08-29 23:52:49 | 東北被災地支援・がれき処理問題
昨日、泉大津市民会館で開催された学習会。

表題が「ガレキ・汚染焼却灰埋め立て学習会」となっているのは、この学習会が計画された8月の初めは、「泉大津沖フェニックスに震災ガレキの焼却灰を埋め立てる」ことが大きく新聞報道されていたときだったからでした。
放射能汚染を拡散する「広域処理問題」について住民学習会を重ねてきた市民団体の方達と、その学習会に参加してきた私達、泉大津在住の有志が集まって、「泉大津フェニックスへの埋め立て」への対応について議論するなかで、「市への申し入れ」「市長への公開質問状」等が提案されました。その場で私は、「市民の皆さんに大切な事実が知らされていない。知らせるなかで、一緒に考えていきたい」と発言しました。
午後から大阪市内での会議があるので途中退席した相談会で、昨日の学習会の開催を決めてくださったことを聞き、嬉しく思いました。

その後、「焼却灰埋め立て処理」については二転三転し、結局「広域処理量の見直し」により、泉大津フェニックスへの受け入れはなくなりました。

「それでも学習会やるの?」という質問も何人かからありました。

状況の変化から当初の目的とは、少し変わりましたが、「コトの本質」について考える勉強会になったと思います。

講師の下地真樹さん{阪南大学経済学部准教授)の専門は公共経済学だそうです。(いつか、本来の専門のお話を聞きたいです。)放射能、廃棄物処理など「専門外」であったとしても、資料の収集やデータの整理、そして論理の組み立て。それは、研究者としての蓄積された力なのだと思います。熱い思いを持った市民運動の中に、一緒に汗をかいてくれる「知的リーダー」の存在は大きい。あらためて、そのことを思いました。

主催した団体のみなさんのほとんどは、3・11以降、原発・放射能について考え、参加した説明会、学習会などで知り合ったということ。
情報を求め、知ったことを発信し、そしてつながった人たち。
広域処理問題から、原発、放射能・・・について勉強し、春・夏の長期休暇に福島の子ども達を受け入れて一緒に過ごす「保養プロジェクト」にも取り組んでおられます。
その熱意と行動力には、敬服します。。

下地さんのお話もありましたが、阪神大震災時は2万2千円/トンだった処理費用が東日本大震災では6~7万円/トン。これは東京の場合で関西以西に運べばもっと高くつく。こんな莫大な輸送費のムダ使いより、もっと緊急で有効な復興支援に使うべきだというのは、誰でもわかる理屈です。

それを「広域処理」にあくまでこだわる政府の意図は・・・「事故は絶対に起きません」といい続けてきた「原発安全神話」がフクシマの事実で崩壊したもとで、「放射能安全神話」というべき「放射能はそれほど危険ではありません」というメッセージで、原発再稼動、原発依存の継続を合理化するもの。下地さんはズバリ言います。

昨日の学習会に参加された皆さんと一緒に、「本当の被災地支援」、「未来の世代に責任を持つ今の選択」を考える輪を広げていきたいと思います。
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大阪市主催のガレキ受け入れ住民説明会

2012-08-20 23:55:27 | 東北被災地支援・がれき処理問題
大阪市は、此花区舞洲工場で震災ガレキを11月に試験焼却、来年2月からは本格的な焼却を始めようとしています。

大阪市は以下のように住民説明会をするそうです。

震災ガレキ受け入れについての大阪市住民説明会
8月30日(木) 18時~受付(定員750名 先着順)
         19時~開始


説明会に参加できるのは大阪市民だけですが、市民団体の皆さんが当日15時から市役所南側、17時半~中之島公会堂前で集会「ちょっと待って!放射能ガレキin中之島」を呼びかけています。

海も、空もつながっているのですから、私達にとっても無関心ではいられません。

泉大津から舞洲工場まではわずか17キロだそうです。 
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「ガレキ・汚染焼却灰埋め立て問題」を考える

2012-08-16 22:08:57 | 東北被災地支援・がれき処理問題
ガレキ・汚染焼却灰埋め立て学習会in泉大津
8月28日(火)
午後1時半~4時半
泉大津市民会館3・4会議室

講師;下地真樹さん(阪南大学准教授)
資料代;300円
(無料駐車場あり、お子様同室可・子どもスペース有り)
主催;放射能から未来といのちを守る会・泉州


誰もが被災地の一日も早い復興を願っています。
そして、「私達には何ができるのか?」・・・考え続けています。

新聞の投書欄に「被災地のガレキ処理を受け入れるべきだ」という意見も時折、目にします。

私はまず「広域処理」以外の方法を検討しようとしない政府の対応に疑問をもち、仮に汚染されたガレキを運んで焼却、埋立てしたときにおこり得る問題について考えてきました。

お誘いいただいた学習会にも参加して、知らなかったこと、「やっぱり!」と思ったこと、たくさんありました。

もっとたくさんの人に知って欲しい、考えて欲しい・・・と、思っていました。
上記のように、泉大津で、学習・交流のつどいが開かれます。

「安全だというなら、ガレキくらい受け入れてもいいじゃない?」、「被災地支援のために、むしろ積極的に受け入れるべきだ。大阪市のように」と、思っている方も、一度、話を聞いてください。

      
 
以下、主催者から各種団体にあてて届けられた呼びかけの文書を転載します。


 日ごろからよりよい街づくりのためのご尽力、誠にありがとうございます。
さて、東日本大震災で発生したがれきの広域処理をめぐり、先月、泉大津市沖フェニックス処分場への放射性焼却灰受け入れに関する新聞報道がなされました。その後、関西広域連合が焼却灰の受け入れに向けた手続きを環境省に要請するなど、いくつかの政治的動きがありました。
様々な報道がなされる中、8月8日、一転して焼却灰の最終処分先として想定していた大阪湾広域臨海環境整備センター(フェニックス)での受け入れが不要になったとして、環境省が尼崎市沖と泉大津市沖両処分場の安全性評価を中止することを決めたことが分かりました。
しかし一方では、近隣大阪市が岩手県のがれきを受け入れ、11月に試験焼却し来年2月より本焼却することを決定しています。大阪市で汚染がれきを処分する舞洲工場・北港埋立地と泉大津市の距離はわずか17kmほどで、同じ大阪湾に接する市としては何らかの影響をまぬがれません。
また、福島第一原発による事故で、東日本の多くの地域が放射能汚染され、行き場を失ってしまった高濃度に汚染された焼却灰の存在や、不燃物のがれきの処分などまだまだ問題は山積みです。ゆえに最終処分場のある泉大津市では、これら放射能に汚染された廃棄物や焼却灰などの行方については、今後とも見守る必要性があると考えます。
もし泉大津市フェニックスに放射性物質のついた廃棄物や焼却灰が埋め立てられたら、津波や埋立地特有の液状化による焼却灰等からの水溶性セシウムの漏出、埋め立て時の焼却灰飛散による作業員の被曝や近隣地区の汚染、事故等による輸送経路の汚染など、安全評価では対応しきれない数々の危険性が考えられます。また、泉州には大阪名物の作物や魚、地場産業もあり、その風評被害のみならず実害も懸念され、経済社会にも大きな影響を与えると考えられます。
そこで、泉大津市フェニックスでの埋め立て問題のほか、大阪市でがれきを焼却し、埋め立てたら他地域に影響はないのか?広域処理とは?放射能とは?内部ひばくとは?などみなさまと共に考える機会を持てたらと考え、別紙のとおり学習会を企画致しました。
 お忙しいこととは存じますが、是非おいで下さいますようよろしくお願い申し上げます。
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泉大津沖に震災ガレキ?!

2012-07-25 23:24:14 | 東北被災地支援・がれき処理問題
21日土曜日の毎日新聞、一面トップに「震災がれき 尼崎、泉大津沖 埋立」の大見出し。

私は21日から23日まで、浜松で開催された自治体学校に参加していたので、この新聞記事を読んだのは、23日夜だった。

記事によると「7月20日に開催された大阪湾広域臨海環境整備センター(フェニックスセンター)の理事会で、尼崎沖とともに泉大津沖の管理型区域の一部に震災瓦礫焼却灰の受け入れ安全評価を環境省に求める」とのこと。

きょうは、そのことで泉大津の議員団3人と忠岡の町会議員団3人、いっしょに市の担当部長から説明を受けた。

これまで、市議会でも「管理型区画の埋立はすでに完了、安定型区画への受けれ入れは考えられない」との答弁が繰り返されてきたこともあり、泉大津フェニックスへの震災瓦礫焼却灰の受け入れは、現実的にはないものと考えてきた。

今、考えられているのは、すでに2007年に埋立が完了して、メガソーラーの誘致など土地利用が確定している管理型区画の先端、埋立区域の水を集めて浄化して最終的に海に流すために20年間は“池”として残す部分の周りを囲む1.8ヘクタールの部分。


新聞記事を読んでまず疑問に思っていた「環境省に安全評価を求める」と言うが、誰が、どうやって安全評価をするのかということ。その素朴な疑問をまず質問した。
「机上の計算です。」という答え。

震災瓦礫の焼却灰を持ってくるというが、一体どこで焼却するのか?それは決まっていない。今、存在しない「焼却灰」の安全評価をしようと思えば「机上の計算」以外にはない。
質問するまでもなくあたりまえのことだ。

これまで環境省は「広域処理」以外の方法についてまともに検討してきたとは思えない。その環境省に「安全評価」を要請して、あらためて「机上の計算」をしても答えが先にあるようなものだ。

新聞記事では「尼崎等、地元の同意が求められる」とある。
尼崎市は中核市なので、市長の同意が求められるが、泉大津は「地元」ではあっても、府知事の判断に委ねるしかなく、法的には何の権限もないということ。


問われているのは、今、ここで暮らす市民だけではなく、将来にわたってよい環境を残していくこと。瓦礫の広域処理は、放射性物質に汚染された恐れのある瓦礫を全国に拡散することだ。
それは、決して本当の意味で被災地支援にはならないということ。その立場で、泉大津市議会は「広域処理の見直しを求める」意見書を全会一致で採択した。

総合政策部長、都市政策部長の連名で議員宛に配布された文書の「本市の考え方」の結びには「本市としては、震災がれきの受け入れを容認したものではなく、安全性と市民の理解が必須であると考えている。」とある。

この見解を、市のHP上でも表明することを求めた。





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震災がれきの広域処理について「府の考え方」

2012-05-17 08:42:18 | 東北被災地支援・がれき処理問題
泉大津市議会が3月定例会で全会一致で採択した「災害廃棄物の処理によって放射性物質を拡散させないことを求める意見書」について、「災害廃棄物の広域処理に関する府の考え方」というタイトルの文書が、全議員に配布されました。

市議会の「意見書」は、地方自治体の機関としての「機関意思の決定」。
議会の役割、①住民の意思を代表する②条例の制定、改廃などの立法機能③執行機関に対するチェック機能の、3つの役割のうちのひとつです。

市民の多様な考え方を代表して「意見表明」するのだから、慎重な議論で意見調整した上で、泉大津市議会では「全会一致」を原則としています。

「がれき広域処理」についての「意見書」も、もちろん全会一致で採択したものです。

ある自治体の議会に対する当局の説明資料に「・・・一部反対派議員の主導によるもの」という府の見解が示されていることを偶然知って唖然としました。

今回のように提出した「意見書」に対する「見解」が示されるのも異例です。

あくまで議会としての「意思決定に基づく意見表明」なので、受けるほうはその事実を「重く受け止める」ものだからです。

「府の考え方」には「国や岩手県からも早期復興のための協力を要請されています。」とあります。
「国の要請」が、本当に被災地の総意をくみ上げたものなのか?「ガレキ処理の遅れが復興の妨げ」というのは本当か?
私は疑問を抱いてきました。

「現地の声を聞きたい」と思っていました。しかし、片道の移動に一日がかりの距離で、なかなか行くことはできません。(だからこそ、この距離を18万トンのガレキを運ぶことが本当に必要なのか?他に方法がないのか?と思うのです。)

私の疑問に、古谷やすひこ横浜市会議員が自身のブログで、現地調査に基づいて明快に答えてくれています。
陸前高田・大船渡を訪問した古谷議員のブログに掲載された写真は、昨年の7月、10ヶ月前に私たちが見てきた光景そのもの。写真で見る限り、10ヶ月たってあまりにも「そのまま」なのでショックでした。「捜索終了」と書かれた旧庁舎前に私たちも立ちました。


古谷議員は以下のように書いています。
現地視察を行ってみての結論。
 ①現地の震災ガレキの処理は着々と進んでおり、これが復興の妨げとなっていることではない。
 ②大船渡市でも陸前高田市でも、災害廃棄物の処理について、「木くず」を広域処理をするということは計画の中にも入っていない。それは以下の陸前高田市の「災害廃棄物の処理について」という文章をみても、一目瞭然。

国からの文章の中では、「広域処理希望量」と書かれていますが、誰にとっての「希望」なのでしょうか?


また以下のような「現地の声」も紹介されています。
「国の方針がどう決まったかは知らないが、地元は全く承知しておらず、がれきは地元業者で対応してほしいといわれている。そこには、大手ゼネコンは入っていない。広域処理についても私のレベルでは全く聞いておりません。」
「大船渡の復興について、その妨げになっているのは、都市計画が定まっていないことが問題。例えば、JRが鉄道を通すのかどうかも決まっていない。」(大船渡)

そもそも、がれきが邪魔だとか問題にはなっていない。それより、5年後に作る予定の防潮堤が完成してから町の復興計画を作っていくことが中心課題だ。そもそも市長は、広域よりもここに焼却場を作れば仕事ができると言ってきた。何も遠くまで運ぶ必要はないと思う。」(陸前高田)
  

先日、泉大津フェニックスの見学会に参加された市民の方からもコメントを頂きました。皆さんにも読んでいただきたいと思います。

「府の見解」は「府の指針に基づき、広域処理を行うことによって、府民への健康の影響はない」と断じています。

「意見書」をあげた議会の議員として、引き続き考えていく責任を感じています。


【追記】以上の記事を投稿したあとで、文中に紹介した古谷横浜市会議員のブログに「一部訂正と補足」の記事が掲載されました。

「三陸全体では震災がれき処理の見通しはたったとは言えず、仮にうち(注;陸前高田)が大丈夫だからといって広域処理がいらないという立場ではない」という現地の声を紹介しておられます。

仮に「一定の広域処理」が必要だとしても、今の国のやりかたは合理性を欠き、現地の状況を充分にくみ上げたものではないことは確かです。

したがって、これまでここに表明してきた私の考え方も訂正するものではありませんがブログの引用をさせていただい関係から追記しておきます。
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何が復興を妨げているのか?

2012-04-20 23:49:31 | 東北被災地支援・がれき処理問題
昨日、貝塚市で開かれた「いのちを守るネットワーク貝塚」主催の「汚染ガレキ焼却説明会」に参加した。

環境省と大阪府の、それぞれ担当者を招いて説明を受け、会場参加者やツィッターでも質問を受け付けながらの進行。

初めに環境省近畿地方環境事務所廃棄物リサイクル課の担当者の説明。
そして続いて、大阪府環境農林水産部循環型社会推進室資源循環課からの説明。

環境省の作成したきれいなパンフレットによる説明と大阪府の説明で、腑に落ちないことがあったので休憩時間に直接尋ねた。

震災で膨大な量の災害廃棄物が発生したこと。そのほとんどが、処理できていないこと。だから「広域処理」がどうしても必要だと強調されるのだが・・・。

どのくらい膨大な量かというと、岩手県では「通常の約11年分」だという。
「年間に排出される一般廃棄物の量が約46万トン。震災廃棄物が約476万トン」

しかし大阪府の資料をみれば「467万トン」の内訳に「土砂等堆積物211万トン」なども含まれる。「広域処理」の対象としているのは「132万トンの可燃物うち50万トン」で、そのうち18万トンを大阪で引き受ける計画という。

巨大な津波が押しつぶし、砕き、流して「ガレキ」となったのは、「通常の一般廃棄物」に類するものばかりではない。コンクリートであったり金属であったり、土砂であったり・・・。それらは最初から「広域処理」の対象ではなく、地元で復興資材として活用されるものだ。

それならなぜ「通常の11年分」を強調して、「広域処理をしなければ11年間かかる」と錯覚させるような言い方をするのか?休憩時間に質問したのは、この点だ。
はっきりした答えはないが、「通常の46万トン」と「震災廃棄物の467万トン」は比べることのできないものだということは、はっきりした。

「467万トンのうち8%しか処理が進んでいない」との説明もあった。
これも、上記のように「広域処理」の対象が「132万トンの一般廃棄物の38%、震災廃棄物全体に対しては10%余」であることから、「8%しか進んでいない」要因が「広域処理が進まない」からではないことは明らかだ。

「一日も早い復興」のために「ガレキの広域処理を」というより、「広域処理ありき」でごり押ししようとすることで、ガレキ処理も進んでいないように思える。

環境省の説明のなかで「安全性の基準」について「自然界にある放射線量に、ちょっとのっかる程度」と言われたのも、気になった。「ちょっとのっかる」ことの影響を、無視、あるいは軽視していいのだろうか。文科省がつくった「放射線について考えよう」という副読本はこういう考え方で作られている。

「政府が自治体に『お願い』して、それに応えて受け入れた焼却炉や埋立処分場の付近で将来被害が生じたら、その責任は誰にあるのか?」という質問に「風評被害には環境省が責任を負う」という大臣の答弁が繰り返し引用された。しかし、何をもって「風評被害、健康被害というのか」という質問には「基準はない。ケースバイケース」という。「基準」もなくては、責任をとるという保障はない。

国のガイドラインで「焼却灰の濃度の目安を8千ベクレル/㎏」としているのを、府の指針が2千ベクレルとしていることの根拠については、作業に従事する人の労働時間や環境で換算したもの、「つまり国の基準より大阪では過酷な状況で働かされるということですね。それにあわせて計算したということですね。」と司会者が確認した。「国より厳しい基準にした」のでさえない。

ゲストのひとりとして参加された元京大原子炉実験所の小林桂二さんの「どれだけ安全といっても放射性物質は人の手でなくせない」「低線量でも影響はある。原則は拡散させないこと。100ミリシーベルトなら安全だという専門家ばかり集めて決めたことが問題」とのコメントに拍手がおこった。


維新の会の府会議員(今井豊氏)の「日本中がすでに汚染されている。どこがが引き受けなければ・・・」という発言も乱暴だ。「大阪も汚染されている」なら、知事も議会も「維新の会」がリードする府政で速やかな除染の対応をしてもらいたいものだ。
少なくとも今、西日本は深刻な放射能汚染を免れているからこそ、将来の人々のためにも、その環境を守らなければならないのではないのか?
そのために「汚染の恐れのある廃棄物」の拡散はさけるべきだと、あらためて思う。

昨日の説明会を主催された市民グループの皆さんは、春休みに福島の子どもたちを受け入れ、いっしょに自然の中で過ごすなど、被災地支援の活動を続けておられる。
また被災地の人々の暮らしに思いを寄せ「ガレキ処理を積極的に受け入れ、協力するべき」と主張する方々もある。
北海道から沖縄まで全国自治体に網をかけ、「復興に協力する気持ちがあるなら」と踏み絵のように手あげ方式でガレキ受け入れ自治体を募る今のやり方は、復興支援を心から願う国民の連帯を分断するものではないか。
「がれきが復興の足かせ」といい、雇用・住宅・医療・教育など、被災者支援の緊急で多様な課題から目をそらせることにもなるのではないか。

「何重にも検査し慎重に運んで処理をするのだから安心してください」と言われるほど、そのために人手も費用もかかることを思う。
そのためにかける莫大な経費を、復興支援に直接投入するべきではないのか。









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汚染ガレキ焼却説明会

2012-04-15 17:11:08 | 東北被災地支援・がれき処理問題


「燃やす理由をみんなで質問しよう!!」とよびかける表記の説明会の案内をいただきました。

私も日程の調整がついたら参加したいと思っています。

とき   4月19日(木)9時40分~11時40分
ところ  貝塚福祉センター 4階(貝塚市役所の向かい)

説明者 環境省 近畿地方環境事務所 廃棄物・リサイクル対策課
    大阪府 環境農林水産部 循環型社会推進室 市減循環課
主催   いのちを守るネットワーク貝塚
     (住民による住民のための住民勉強会と共催企画)
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大阪府の災害廃棄物広域処理計画の見直しを・・・「意見書」採択

2012-03-18 19:44:05 | 東北被災地支援・がれき処理問題
3月7日、衆院予算委員会で自民党の小泉新次郎議員が「ガレキの広域処理推進」を求める質問をしているとのこと。録画を視聴した。

小泉議員は「世論調査で75%がガレキの受け入れに賛成している。反対しているのはnoisy mainority(一部のうるさい人たち!)」と言った。
受け入れ自治体の自主的判断を超えて国が強権的に推進できるよう新たな立法措置まで求めた。

質問する議員も答える大臣も、「反対している人は現地を知らない」と言う。
連日のマスコミ報道で、今「現地の実情を知らない」国民は、ほとんどいないのではないか?それでも、確かに映像で見るのと、自分の目で見て肌で感じるのは、衝撃の度合いが全く違う。細野大臣は「受け入れ自治体の住民の方に、被災地を見ていただく。そのためのバス代も国が出すなど検討したい」とも言っていた。

私も、そして表記の意見書の採択に賛成した議員の多くも被災地を訪問している。
被災地の現実を知らずに、また「復興支援」を他人事だと思って、広域処理に異論を唱えているわけではけしてない。

一年たって被災地の復興、被災者の生活、仕事の再建が進んでいないのは事実。政治が役割を果たしていないのも事実。
その最大の理由を「ガレキの広域処理が進まない」ことだというのは、すり替えも甚だしい。



泉大津市議会が全会一致で採択し、大阪府知事宛に送付した意見書は下記の通り。

  災害廃棄物等の処理によって放射性廃棄物を拡散させないことを求める意見書

昨年3月11日に起きた東日本大震災の地震と津波は、かつてない規模で大量の木くずや瓦礫などの災害廃棄物の発生をもたらしたが、その多くは、東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質による深刻な汚染を被っている。昨年政府は、東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理関する方針を明らかにし、全国の自治体に対してその受け入れ、焼却、埋立処分を依頼した。これを受け大阪府は昨年末、「大阪府における東日本大震災の災害廃棄物処理に関する指針」を示し、府内自治体に対しその受け入れ、焼却、埋め立てを依頼した。それらの指針はICRP(国際放射線防護委員会)に準拠しているが、最近そのICRPの指針が自然科学的な客観的事実に基づかないことが明らかになった。どんなに低い数値であっても低線量被爆の危険性があり安全性に保証はなく、成長が盛んな子どもたちは大人の20倍から30倍もの被爆をするとも言われている。
 放射性物質で汚染された災害廃棄物が各自治体で焼却処理されれば、全国の焼却場から放射性物質が拡散することになる。しかも、一般焼却炉で処理するkとおは危険性が高く、放射能による人体への健康被害や放射性物質の拡散は、経済、産業面においても多大な影響を及ぼしかねないのである。
 よって本市議会は、災害廃棄物の広域処理による市民の健康と安全への懸念が払拭することができない限り、広域に放射能汚染が拡大しないよう、以下の対策を講じることを強く要請する。
             記
1、放射性物質を含む災害廃棄物の受け入れは、分散しないことを原則とすること。
2、大阪府の指針の見直しを行うとともに、国に対して広域処理計画を根本的に見直すよう要請すること。
3、放射性物質で汚染された廃棄物が全国各地に移動しないよう監視体制を確立するよう国に要請すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年3月15日
                          泉大津市議会
送付先;大阪府知事
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瓦礫と9条

2012-03-07 11:56:07 | 東北被災地支援・がれき処理問題
橋下大阪市長のTwittr、震災瓦礫の受け入れと憲法9条についての投稿が話題になっている。

瓦礫と9条?
その組み合わせが唐突で初めて聞いたときは驚いた。そしてその場所にいた人達と一緒に笑った。
しかし、笑い事ではないと思うようになった。

橋下氏は3日、記者団に対して「憲法9条とは突き詰めると平和には何も労力がいらない、自らは汗をかかない、そういう趣旨だ」という発言をしたとのこと。「9条がなかったときは、他人のために汗をかこう、場合によっては命の危険もあるかもしれないけど、そういう負担もせざるを得ないとやっていた」とも述べたという。

9条がなかった時代、戦争によって多くの命が犠牲になった時代
その痛苦の教訓の上に戦争放棄の憲法が今、生きる私達の宝物になっていることを忘れてはならない。

9条を世界に広げ、9条を次世代にバトンタッチすること。そのために「汗をかくこと」が私達の責任だと、いつも思っている。

橋下氏という 今、(いつまで続くかは別として)国民にとってかなりの影響力のある政治家による暴言を許してはならない。

この発言の発端になった震災瓦礫の受け入れについて。
私も陸前高田を訪問し、おびただしい瓦礫の山を見た。その光景は目を閉じれば今も浮かぶ。
「ガレキ処理の遅れが復興の妨げになっている」というマスコミ報道、「受け入れ拒否は地域エゴ」との声もある。「現地処理のできるように県・国の助成を。そうすれば現地に新たな雇用も生まれる」という被災地の市長の発言は、ほとんど報道されない。
しかも広域処理以外の方法が真剣に検討されたとは思えない。膨大な量の瓦礫を長距離輸送することは、たとえそれが「安全」なものであっても、環境に負荷をもたらす。まして「安全」であると、誰が検証できるのか。大阪での「18万トン受け入れ」に国は50億円近い予算措置をするという。大阪市長や知事が汗をかくわけではない。そうした財源は集中して被災地に投入し、環境汚染は拡散しないこと。瓦礫処理も含めた被災地復興に国が責任を持つべきではないか。
汚染されたガレキの受け入れはもちろん、「汚染のおそれのあるガレキ」の広域処理はおこなうべきではない。このブログにいただいたコメントの情報提供にも学び、私が到達した考えです。環境問題をテーマにした一般質問の冒頭にも、そのことを表明しました。

以上のようなことからも、「ガレキを受け入れないのは住民エゴ」、「そういう自分勝手な人たちが、9条を守れといっている」という橋下氏の主張は、黙って聞きのがせない。橋下氏は「ガレキと9条」を、「自分のことしか考えない身勝手な思想」という共通項で結ぶようだ。

「ちょっと待って」と言いたい。
自分や家族も含めて、しかしそれだけでなくもっとたくさんの人々が生きる環境を守りたい、未来に生きる人たちにもよりよい環境を残したいと思うから「ガレキ問題」について考えてきた。
私の大切な娘たち、その子どもたち、さらにつながる命のリレー、「平和」の宝を残したいと思うから「9条の会」の活動も続けてきた。
「ガレキと9条」を私は「ともに生きる」という言葉で結びたい。


心から被災地の復興を願う。特に子どもたちの命を守ることを痛切に願う。
だからこそ、放射能汚染を拡散するどんな小さな可能性にも目をつぶることはできない。したがってガレキの広域処理に同意できない。
心から平和を願う。9条のある国に生まれ、ただのひとりも戦争によって命をおとしたことのない時代、ただのひとりも、戦争の名によって殺人者となることのない時代を生きた。だからこそ、「9条守れ」と言い続ける。
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汚染ガレキ・・・・住民勉強会

2012-02-14 17:18:44 | 東北被災地支援・がれき処理問題
「放射能汚染ガレキを燃やすと私たちの暮らしはどう変わる?・・・住民による住民のための住民勉強会~私たちの考える東北支援~」という案内をいただき、参加しました。

3.11以来、原発・放射能について勉強してこられた市民グループのみなさんが準備してくださった勉強会。和泉中央駅近くのシティプラザの学習室に、椅子を詰め込んで会場はあふれるほどでした。

大阪府が進めようとしている「岩手県の震災ガレキ18万トン(当面?)受け入れ方針」の問題点をわかりやすく整理してくださいました。

特に「受け入れ反対というのは地域エゴ。震災復興に協力するのは当然」という言い分、あるいは「当然」とまで言わなくても「やむを得ないのでは?」という疑問に対して、安易に受け入れることが、被災地で今なお暮らしている人たちの環境・健康・雇用を脅かすことが、具体的に明らかにされました。


一番こころに残ったのは、福島からふたりの子どもさんとともに大阪に避難してこられたおかあさんの発言です。

岸和田の勉強会でも同じ発言をされ、その内容は、以前にある方のコメントの中で紹介していただいていました。

ですので、私はその発言を「初めて」ではない思いで聞いたのですが、目の前で語られる一言一言は重く、胸に響きました。
会ったことのない子どもさんたちの顔を思い描きながら、聞きました。
福島の子どもたちのために、自分が何ができるのだろうか・・・と考えながら聞きました。

ご本人の了解をいただきましたので、以下に掲載します。

どうぞ、読んでください。


私は、福島県郡山市から大阪府堺市に、小学生のこどもたちを放射能から守るため、
母子3人で自主的に避難してきました。

夫は、いまだに福島に残って仕事をして、生活を支えてくれています。

避難してくる前に住んでいた福島県郡山市は、原発から50~60キロ離れたあたりにあり、
国が定めた避難地域に入っていません。
しかし、いまだに放射線管理区域である0.6マイクロシーベルト/時を超える
0.7マイクロシーベルト/時の空間線量があり、非常に放射線の高いホットスポットも存在するところです。

そのため、自主的に避難する人と、避難しない人に分かれる地域です。

そのため、3/11に大地震が起こり、原発が爆発してからずっと、
放射能から避難すべきか悩む日々が続きました。
パソコンがなかったため、テレビにかじりついて、いつ避難指示が出るのか、
どういう状態ならば避難してもいいのか、判断材料を求め続けました。

しかし、枝野大臣は「ただちに健康に影響はない」というばかりで、
判断材料となるべき情報を何も示してはくれませんでした。

早い段階で、SPEEDIの情報を公表してくれていたら、原発が大爆発する映像をテレビで
流してくれていたら、もっと早く避難できて、こどもたちに余計な被曝をさせなくて済んだのに…と
悔しくてなりません。

何も知らず、避難地域に指定されなかった郡山は、たいした被害はないのだと思いこんでしまいました。
危険な状態なら、国が何もしない訳がないと思っていました。

そんな中、高い放射能が降る中を、地震の影響で断水で水が出ないため、
スーパーにもほとんど物資がない中、生活するための水や食料を得るため、
スーパーの長蛇の列にこどもたちと並んでしまっていました。

それから、私の小学生の長男の体には、異変が起こりはじめました。
口内炎、湿疹、発熱、鼻血などの症状が出てきたのです。その時には、まだ知りませんでしたが、
それはチェルノブイリ原発事故の後に、その周辺の人たちに多く表れた放射性物質による
健康被害の初期症状そのものでした。

そうした症状は、私の長男だけでなく、多くの福島県に住むこどもたちや、
東北・関東に住むこどもたちにまで、広くでています。

例年とは違うこどもの体調の変化に、多くの母親は直感的に危機感を感じ、
データをインターネットで調べて確信を深め、様々なものを失いながらも避難を決意しています。

もし今、母親の私が避難を決意しなかったことで、大切なこどもたちが3年後5年後10年後に
命を失うような病気にかかったとしたら、命を失うとしたら、私は自分で自分を許せないだろうと
思いました。枝野大臣が言い続けた「ただちに健康に影響はない」とは、
「いずれは健康に影響がある」ということです。
テレビなどでは大々的に公表はされていませんが、すでにチェルノブイリ原発事故の時のデータでは、
事故から3年後から甲状腺ガンが増えはじめ、10年後にピークに達していることは分かっています。

ただちに、健康に影響はなくても、放射線を浴びつづけたら、近い将来、健康に被害があらわれることは、
すでに分かっているのです。
自分の命に代えても惜しくないこどもたちの命が脅かされているとしたら、何を失っても避難しなくてはと思い、福島第一原発から600キロ離れた大阪まで避難してきました。

しかし、その安全だと信じた大阪が、今、放射性物質のついた震災瓦礫を受け入れようとしています。

大阪で受け入れるのは、岩手の瓦礫ということですが、京都で燃やされようとした岩手の松からセシウムが検出されたことがニュースになったように、岩手といえどもすでに放射性物質に汚染されているのです。

その瓦礫を大阪で焼却したら、今、奇跡的に汚染を免れて安全な大阪までも放射能汚染されてしまいます。

私たちは、放射能からこどもたちを守るために、はるばる身寄りのない大阪まで避難してきたのに、
その大阪までもが汚染されてしまったら、私たちはどうすればいいのでしょうか?

震災瓦礫を大阪で受け入れることによって、私たちのように被曝したものは更なる命の危険に脅かされるばかりか、今まで被曝していない大阪のこどもたちまで被曝させる危険があるのです。

大阪の人たちにまで、私たちと同じ苦しみを味わってほしくありません。

福島でも、原発は安全かのように言われていましたが、今回の事故によりたくさんの人が健康に被害を受け、
将来に不安を抱え続けることになりました。

大阪でも、瓦礫の受け入れは安全かのように言われていますが、それを鵜呑みにして受け入れたら、
福島の二の舞になってしまうと思います。

瓦礫の受け入れが、被災地の支援のように言われていますが、私はそうは思いません。
大阪で処理できるくらい安全な瓦礫なら、岩手で処理したいと陸前高田市長は言っています。
その方が被災地の処理業者が潤いますし、雇用が生まれるからです。

被災地の支援をしたいという気持ちには、とても感謝していますが、瓦礫の受け入れだけが
被災地の支援ではないと思います。

被曝しても死なない瓦礫を受け入れるより、いまだに被曝し続け命を脅かされている福島のこどもたちの
避難を受け入れること、その方がずっと命の方を向いた支援だと思います。

いまだに、福島に残るこどもたちはたくさんいます。
放射線管理区域以上の空間線量が存在する中を、放射能汚染された食品を食べさせられて暮らしています。

私たちが住んでいた郡山の学校では、避難したのはクラスで3人しかいません。
割合で言うと避難したのは一割で残り九割のこどもたちは残っています。

そして、郡山の学校給食では、去年高い放射能の降った土に育った米を使用したご飯や、
セシウムが18ベクレル検出された牛乳を使用しています。

保護者が、そうした給食を改善するように教育委員会や学校に働きかけても、
今までの業者との繋がりがあるからと改善に至っていません。

また、郡山のこどもたちが集団疎開できるように避難の権利を求める裁判をおこしましたが、棄
却され、控訴しているところです。

郡山の友人には、せめてこどもに給食の牛乳を飲ませないように、ご飯は安全な産地のものを
自宅で炊いたものを持っていくように頼みましたが、ムラ意識のせいか「みんなと違うことは、できない」と、
そういった防護すらできない状態です。

チェルノブイリ原発事故のデータから、被曝してしまったこどもたちでも、
安全な場所に短期間でも避難して安全な空気を吸い安全な食べ物を食べれば、
深刻な病気から免れていることが分かっています。

どうか、被災地に遠慮なく、震災瓦礫の受け入れ反対の声を上げてください。
そして、瓦礫の受け入れより、避難者の受け入れに目を向けてください。
いまだに、原発から20キロ圏内以外の放射能汚染から避難するための補償はされておらず、
それが経済的負担となり、命を救うための避難を妨げています。

瓦礫受け入れに反対して、避難できる安全な大阪を守っていただくことが、
福島をはじめとする被曝し続ける人たちの命を救う支援になります。

これ以上、福島の悲劇を繰り返さないためにも、大阪が汚染されないように瓦礫受け入れを防ぐこと、
よろしくお願いします。






岸和田で野菜を作っている方が「安心して食べられる野菜を被災地に送り続けることが自分にできる東北支援」と発言されました。

私には、何ができるのか・・・よくよく考えなければならないと思っています。

市のHP上の「東日本震災の瓦礫の受け入れについて」の記述が、先週末から変わっています。(議会答弁と整合性のない記述を改めるよう、再三申し入れてきました。)一部、大変わかりにくく、読み方によっては「とんでもない!」と思うところがあります。
「市民の不安、疑問に正面から答える」ことを行政に求めることが、まずは自分の役割です。

勉強会を終わって、コーヒー飲みながら参加した泉大津、和泉、高石の議員と意見交換をしました。

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