「西の谷緑地公園」を美しく!

「公園都市水戸」の街造りを考える人達と協働したいと思っています。

アルハンブラ宮殿 、スペインうたたね紀行⑮

2010年06月07日 22時43分41秒 | 
アルハンブラ宮殿、スペインうたたね紀行⑮

グラナダは8世紀以来ムーア人帝国の首都だった。
グラナダと言う言葉は石榴(ザクロ)を意味するというが、ザクロはシルクロードに関連したイメージがある。
1492年にキリスト教徒に奪回(レコンキスタといわれ、スペインを理解するキーワードだ)されるまで、城砦と離宮を造営し続けた。
従って、回教文化の影響が残り、東洋的な感じを受ける街だ。




アルハンブラ宮殿は町のはずれ「赤い丘」と呼ばれる高台に聳え建つ。
両側が谷で、宮殿全体が谷に臨んだ丘のに建てられているだ。
バスは急な坂を上リ、駐車場到着する。
駐車場から宮殿の入り口まで離れており、けっこう歩かねばならない。
とはいえ、イスタンブルのトプカピ宮殿ほどの大きさではない。

城内は大きく分けて次の四つの部分からなっている。
1王宮、 2カルロス5世宮殿、3アルカサバ、 4ヘネラリフェ公園。



イスラム文化に加え、キリスト教徒に支配されモスクは教会に変えられ、礼拝堂や修道院が建築された。
とはいえ、奇異な感じはしない。



はるか彼方のシェラネバダ山系から引かれた水が池や噴水として使われている。
貴重な水をふんだんに使用することによって、富と権力を誇示したのだろう。
水が在ることによって、多くの花や樹木が育つ。

イトスギが見たことも無いほどの大木であったのには驚いたし、多様な形に刈り込まれ、庭園構成の大きな役目を果たしているのは、ヨーロッパ的な作庭方なのだろう。
この時期、薔薇を初め沢山の花々が咲き乱れていた。



僕の好きな白のバイカウツギが沢山あったのは嬉しかった。





離宮はどの部屋も天井から壁まで、一面アラビヤ模様。
そして、精緻を極めた細工が成されている。
複雑な幾何学の文様は、アラビアの文化そのものだ。
偶像を拝したイスラムの文化は独特なスタイルを創りあげた。

アルカサバと呼ばれるエリアは、宮殿内では一番古い部分で、13世紀の要塞。
今は廃櫨となっているが、全盛期には24もの塔があったと言われる。



入り口の反対側、一番奥に位置するのがヘラネリフェ 公園。
14世紀初期に王の別荘として建てられ、水をふんだんに使ったロマンティックな庭園。
天空を刺すような糸杉、刈込まれた生垣。



咲きみだれる草花、大小の池に噴水が上がる様子など、清々しい美しさだ。



丘の頂上の尾根の部分に細長く造営されているから、何箇所も眺望の優れた場所がある。



暫し歩みを止めて、下に広がる町並みや遠くの山々を眺めた。

鴨居羊子と鴨居玲

2010年06月07日 01時03分05秒 | 美術展
鴨居羊子と鴨居玲

「ドン・キホーテ」の舞台となったラマンチャ地方を旅した際、鴨居玲(1928-1985)が10年間スペインに滞在し、5年間をこの辺りで生活したのだ、と実感した。
鴨居玲の実物の作品を観たことがないのに、妙に引き付けられる。




黒や褐色を基調とし、強い 陰影で醜悪なデ フォルマシオン。
「酔って候」はイメージとして、スペインやアイルランドによくいそうな、年寄りの酔っ払いそのもの。
自画像でなくとも鴨居の自画像と言えるのかもしれないし、僕の自画像にも重なって見える。

鴨居羊子(1925-1991)の実弟が鴨居玲なのだ。
と知ったのは、ずっと後の話し、作品に興味を持ったのも最近のことだ。
僕の生業は服飾関連、鴨居羊子が下着デザイナーとして、センセーショナルにデビューした当時から名前を知っていた。
1950年代に大阪で、ジャーナリストから転身し「下着屋・CoCoチュニック」を創業。
白いメリヤス下着しかなかった時代に、カラフルな色でナイロンの下着をデザインし、下着のショーや個展をするという斬新な方法で世の中にうって出た。
たかだか、60年前の話だが、現在とは全てが大違い。
当時はスキャンダラスな出来事だった。

独自の生き方をした姉と弟の展覧会が時期を同じくして川崎と河口湖で開催されている。




「前衛下着道-鴨居羊子とその時代 」展 @川崎市岡本太郎美術館 4月17日~7月4日



「 鴨居 玲 終わらない旅」展 @河口湖美術館 4月10日~6月13日

どちらの展覧会も開催されていることを知ったのはつい最近のこと。
6月13日までの「 鴨居 玲 終わらない旅」展は観ることは叶わない。

7月4日までの「鴨居羊子とその時代」展は後20日くらいあるから実現しそうだ。
展覧会の企画内容について、川崎市岡本太郎美術館ホームページには、

鴨居羊子とその時代に触発しあったきらめく才能の関係図を探ります。
マルチな才能を発揮した鴨居羊子の「言葉」「絵画」「下着」を中心に紹介し、彼女を励まし支えていた作家今東光、司馬遼太郎、グラフィックデザイナー早川良雄の資料を展示します。



また鴨居が尊敬し関わった岡本太郎や写真家細江英公氏・井上博道氏が撮影した鴨居のポートレートや彼女が作った下着や人形たちの写真もあわせて紹介します。当時チュニカショーの演出に関わった同時代のアーティスト、関西の前衛美術グループ具体美術協会の美術家たちの当時の作品や記録映像も紹介します。
 また本展では、若い劇団唐ゼミ☆のメンバーが鴨居羊子とその時代を現代に通底させながら鴨居羊子の下着を展示し、新しいチュニカショーにも挑みます。

とのことで、幅広い展示が行われるらしい。
このような展覧会「水戸芸術館」現代美術ギャラリーでも開催できたら。
なんて、夢見てしまう。