富士山一周125キロウォーキング 空手オジサン惨敗記！6

4月27日　土曜日　富士山一周125キロウォーキング　空手オジサン惨敗記！6

目の前は山中湖。時刻は夜の10時を過ぎました。凍えるほど寒い。

「リタイヤします」と言った途端、体から力が抜けてしまった。
はあああ、やっと終わる。もう歩かなくて済む。しんどいのが終わる。
エイドで暖かいぜんざいを頂き、へたり込んでしまった。
「歩かなくて済む」と思った途端、なぜか元気が出て来た、何でや(笑)。

ウォーキング大会がここまで辛いとは思わなかった。
今まで完走出来なかった大会数は3つのみ。2つは途中で時間制限に引っかかってアウト。自己申告でリタイヤした大会は、4年前の「しまだ大井川」だけである。この時は右膝裏の肉離れで、歩けないくらい痛かった、それに比べて今回の私は「膝がカックン」しただけで、怖気ついてしまったのだ。ああ情けなや情けなや。

マラソン大会では経験したことが無い「心が折れる」状態。フルマラソンで、30～35キロ地点から歩いてしまう事が多いのですが、その時は「あと2時間頑張ればゴールできる」と、先が見えるのです。2時間頑張ればゴール出来ます。
が、今回は「あと15時間・・・あかん耐えられん！」
ボバさんが言われていた事は、この事なんだなあ。

歩くのをやめると、急激に冷え込んで来た。先ほど買った「下町のナポレオンいいちこ」のカップを開けてグビグビ飲む・・・はあああ、胃に染みるう。
雨を吸って重い空手着の上を脱ぎ、ゴミ袋を被って休憩である。

休憩している間、岡崎さんとウォーキング大会の事について、いろいろと教えていただきました。何しろこちらは素人、聞く事全てが新鮮です。
今回のリタイヤは悔しいので、岡崎さん相手に「秋の三河湾100キロは出ます！」と宣言してしまった。リベンジである。
静岡の仮装ランナー仲間の諸君、という事で10月27日の「しまだ大井川マラソン」は、欠席させていただきます。すまんすまん。今回はリベンジで同日に開催される「三河湾チャリティー100キロ歩け歩け大会」に出ようと思う。

エイドのチェックされている方にお聞きしますと、私達は50番ぐらいの順位だったらしい。
何だ、そんなに速かったのか。真ん中ぐらいだと思ってました。順位から考えますと、やはりオーバーペースだったようです。それもあって疲れたのか。うーむ。
私達がリタイヤする直前に、回収車が出たそうなので、次が来るまで時間がかかるとの事。確かに一番遠いエイドですから仕方がありません。文句を言ってはいけない。
マラソン大会では、時々ランナーの中には、
「回収車が遅い！」
という文句を垂れる人がおりますが、あれは恥ずかしいですよね。ランネットの意見のコーナーに時々掲載されております。
「リタイヤするお前が悪いんだろう」と言いたくなる。
いやもうスタッフの皆さんのご都合の良い時間に回収して下されば結構でございます。
待ってる間、ちびりちびりと焼酎飲んで待っている空手オヤジです(笑)。つまみの無い晩酌状態。
しかし飲んでもあまり温まらないのは、やはり寒いからでしょうか。

私達がリタイヤした20分後、若い男性2人組がリタイヤされました。その後沢山の参加者の方が到着されますが、時折リタイヤを宣言される人がおります。
後にリタイヤされた方と少し話をしたのですが、やはり私と同じで「雨と寒さにやられた」との事。
岡崎さんも「今回の雨と寒さは予想外でした」と言われておりましたが、まさか6時間も降り続け、その後真冬並みの気温になるとは誰も予想しておられなかったと思います。エイドの係の3名も「こんなに冷えるのは初めて」と言われてました。
寒い、とにかく寒い。
皆さん防寒の為に雨具を出して着こんでおります。女性のリタイヤされた方などは、スタッフの用意した寝袋の上に座り込んで、ほとんど動きません。もしかしたらこの女性も低体温症の初期段階だったかもしれない。
私ですか？私はリタイヤした解放感と酒の勢いで、岡崎さん相手にペラペラ喋っておりました。すいません、喧しかったかな(笑)。
オヤジ、足以外は元気になった。疲れすぎてハイの状態。

エイドの写真を撮ろうとしてシャッター押したら、電池切れで動きませんでした。今回はフラッシュモードにしてませんので、充分バッテリー残量はあるはずなのになあ？
私と同じ電池切れという事ですな。わははは（←酒が入ってます）。

そうこうしているうちに12時前になり、回収車が来ました。その時点のリタイヤ回収待ち参加者は7～8名だったと思います。
最初は1台だけでしたので、女性の方に先に行ってもらおうと思ったのですが、すぐに2台目が来ました。良かった良かった。

さてさて車に乗り込みまして、出発地点の富士宮浅間神社まで送迎をしていただいたのですが、深夜ですが到着まで1時間ほどかかりました。今まで歩いてきた道を逆に戻るのですが・・・自分がやった事とは言え、この道を歩いて来たんだなあ。何かもったいない気が(笑)。
10キロぐらい車が進む間、山中湖エイド、52キロエイドに向かって進んでいるウォーカーさん達を沢山見ました。やはり私は完全なオーバーペースであったようです。

車の中ではスタッフの方とお喋り。
しかしスタッフの方も大変です。社員の方は我々が競技をしている間は、ずっと徹夜だそうです。ひえええ～！お手間を取らせて申しない！
道路の温度表示があり「0度・凍結注意」を見てびっくり。
「道も一部凍結し始めてるみたいですよ」との事。
うーむ、やはり私の寒さ対策は失敗だったな。あのまま進んでても、多分次のエイドで沈没していたと思います。低体温症は甘く見ると怖いのだ。
しかし自分では万全のつもりだったけど、やはり甘かったな。もっとやれる事はあったと思う。悔しい悔しい。
スタッフの方にも「絶対出場します！リベンジします！」と言い、固く固く誓ったオヤジであった。

浅間神社に到着したのは深夜1時を過ぎておりました。
岡崎さん・スタッフの方・他の同乗者の方とお別れして、市営駐車場の車に戻る。駐車場のトイレを済ませようと座った途端動けなくなった。
必死で車に戻って服を着替えて、焼酎を飲みながら、うつらうつらしながら反省をする。
失敗点・・・
雨具・・・ビニール袋は仮装なので仕方がないけど、首の穴や腕の穴が広がってしまい、そこからどんどん雨水が入り込んだ。透明ビニールテープで補強すべし！
帽子・・・キャップタイプの帽子は失敗。首筋を通って雨がどんどん入り込んだ。雨の事を考えて。キャップではなく防水のツバ広帽子にすべし！モンベルの登山用を買うべし！
防寒具・・・スポーツ用ヒートテック上下を持つべし！嵩張るもんではない。
テーピング・・・爪のテーピングは良かったが、かかとが水膨れで皮がペロンと剥けた（←これがひどい状態）。かかともテーピングすべし！
ワセリン・・・擦れそうなところだけしかしなかったので、全身すべし！低体温症対策！
手袋・・・軍手よりもっと厚いものにすればよかった。
車中泊・・・前日はホテルに泊まるべし！睡眠不足！
ロキソニン・・・持ってなかった。飲んだら膝の違和感も大丈夫だったのでは？
仮装・・・誰が反省するかあ！仮装は絶対にやめん！・・・・・・
考えてる途中で酒が回り記憶が無くなりました。轟沈。

目が覚めた。時計を見ると8時である。
膝は相変わらず違和感があり、ちと怖い状態です。水飲んで補給食の残りを頬張り、朝のトイレに行こうとすると、ウォーカーの方が足を引きずりながら歩いてきた。
終った人だ。完歩されたんだ。凄い。
「おめでとうございます。凄いですね」
と挨拶したところ、
「いや実は、こどもの国でリタイヤしまして、今帰って来たんです」
それでも「こどもの国」と言えば、100キロを超えております。凄いと思う。その方は今回2回目のチャレンジで、まだ完歩されていないそうである。
「私も来年出ますので、よろしくお願いします」
そうなのだ。負けたままで終わってたまるか。

世界遺産センターから見た富士山です。昨夜バッテリーが無くなった標示が出て動かなくなったカメラですが、朝になったら復活してた(笑)。0度の気温の影響だったらしい(笑)。
俺の体と同じだ(笑)。わははは、ポンコツ。

足を引きずりながらゴール地点に行きますと、2名ゴールされた方がおりましたので挨拶。しかし8時前にゴールって、平均時速は5.43キロ？何という速さだ。
あの坂道がキツイコースを、6時間の雷雨に耐え、真冬の寒さの中23時間でゴール？化け物です。
その化け物さん（失礼）は、とんでもなくカッコ良かった。

しかしリタイヤしていない方は、この山を見ながら歩いてるのかー！
「悔しい！」という思いに加えて、
「絶対にこの富士山を見ながらゴールしてやる！しかも仮装で！」
という思いが出て来た。
心の中でふつふつと闘志が燃えて来た。
スタッフさんに挨拶し、「来年絶対戻ってきます」と。来年はゴールしてこの富士山を見るぞ！

帰って晩飯を食いながら、息子にこの事を話すと、
「父さんは熱中できるものがあって、楽しいじゃん」
ませた口をきく18歳の息子であった。
秋の「三河湾チャリティー100キロ歩け歩け大会」、友達も何人か誘ってみよう。もちろん仮装で出ます！

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