4月27日 土曜日 富士山一周125キロウォーキング 空手オジサン惨敗記!5
夕方6時を過ぎると急激に暗くなって来た。道を歩いているのですが、交通量は多いのに歩道がありません。行きかう車はほぼヘッドライトを点灯し始めました。
あかん、ヘッドライト点けへんと危ない。
空き地で荷物からごそごそヘッドランプを着けました。ついでに腕に点滅LEDも装着。点滅LEDが普段夜間ランニングで使っているものです。
しかし点灯しても、歩く真横をトラックがガンガン通過していく。こわああ~。
6時半を過ぎるとほぼ真っ暗になり、ライトが無いと地面が見えにくくなって来た。しかも道路に表示された気温は4度。さっきより下がってる(笑)。さむいさむい。
車のライトは見えるが、前後にはウォーカーがまるっきりいなくなった。いや多分居ても気が付かないだけかもしれません。
寂しい。ホントにこの道で合ってるのかいな?
一人で歩くのって不安だ。
・・・これがボバさんが言ってた「心が折れる」って状況なのか。うーむなるほど。
なんて言っておりますが、心の中では相当嫌気がさしておりまして、
「ホンマに残り70キロ以上歩けるのかいな?」
と疑問が出てきました。この時点で、
「あっ俺、完歩は無理かも」
と確信してしまった。
這う這うの体で52キロ地点のエイドに転がり込む。ホントに転がり込んだ。
時刻は夜7時半。スタートして10時間半。計算すると平均時速4.95キロになった。平均時速5キロを切ってしまった。
座ると動けなくなりそうなので、そのままカレーうどんをいただきました。はああああ美味しかった。
私が到着した時エイドでは3名ほどいました。ここで皆さんかなり休憩されているようです。
さてここで靴下の取替とワセリンの再塗装をしました。座り込んでふやけた足を風にさらして乾燥させ(←凍えてます)、ワセリンをたっぷり塗った。
よおし、大丈夫!さあ行くぞ!
と立ち上がろうとしたが、足に来て転んだ。アカンそろそろ限界か?
道は市内の4車線の幹線道路になり、凄い勢いで車が流れていきます。複雑なインター近くの交差点で、行き先が分からずうろうろしておりますと、後ろから来られたウォーカーさんに道を教えていただきました。
「ありがとうございます。初出場なので」
とお礼を言いますと、その方もこの大会は初参加だとの事。でも三河湾100キロなども出ていられる先輩でした。名前を聞くのを忘れてしまいましたが、岡崎市在住の方だとの事でしたので「岡崎さん」と記させていただきます。
初心者の私は岡崎さんに色々と質問攻めしてしまいましたが、岡崎さんは嫌な顔を一つもせず丁寧に教えてくださいました。ありがとうございます。
岡崎さんによるとこの大会の出場者は、ベテランさん・リピーターさんがほとんどの、上級者向け大会だとの事。
やっぱりそうか。道理で皆さん速いわけだ。
「他の大会に出られたらどうです?しまなみ海道とかいいですよ」
なるほど他にもいっぱいあるのかあ。出てみたいなあ。
この岡崎さんと話をしながら1時間ほど歩いたのですが、この時だけは足の痛さ・疲れ・寒さと眠気を忘れて、楽しく歩くことが出来ました。
写真は富士急ハイランド。岡崎さんとの会話で頭はクリアになりましたが、相変わらず手が冷たくて動かない。シャッターが切れない・切ってもブレブレ(笑)。体が言う事聞かん。
道路の気温表示板は2度であった。この辺りから、ペースの違う岡崎さんとは離れて行きました。そうすると一人で歩くことになり、途端疲れがどっと出て来た。
しばらく歩いてると、時々意識が飛んでるのに気が付く。時々寝てるみたいです(笑)。
歩道がある場所だからいいものの、この先歩無い箇所もあるので、ぞっとした。やばい。
自分でもまっすく歩けないのだ。ふらふらしております。
ああリタイヤしたい。
リタイヤしたい。
でも行ける所まで行ってみよう。
ふらふらしながら1時間半歩くと、ようやく山中湖の表示が見えて来た。もうすぐエイドだ。
ああ休みたい。止まりたい。でもまだ歩けるやん。
山中湖手前のコンビニに入り、暖かい缶コーヒーを飲んで眠気を覚ます。缶を捨てて外に出た瞬間、古傷の右膝がカクっとなった。
「うわああ、力が入らん!」
一瞬膝をついてしまった。慌てて立ち上がり恐る恐る屈伸する。
はああああ、何とか大丈夫みたい。歩けそうだ。怖かったー!
ここで心が折れた。
もうリタイヤしよう。
カックンとなっただけだから、何とか歩けると思ったけど、エイドの先にある一番の峠道。そこで膝を壊して動けなくなったら目も当てられない。皆に迷惑をかけてまでしてはイカンのだ・・・。
「怪我の為」と言い訳を書いておりますが、要は心が折れたのだ、怪我は言い訳のこじつけです。膝の不安は仕方がないと思いますが、一番の要因は「心が折れた」事である。
ああ情けない。
そうと決めたらコンビニに再び戻り、焼酎下町のナポレオン「いいちこ」のカップを買った。寒くて寒くて仕方がないのだ。
エイドでも送迎まで時間がかかると思う。それまでは待たなければいけない。その間の防寒対策です(笑)。
コンビニの先にあるエイドに到着し、番号チェックを受ける。ちょうど岡崎さんも来られたので、何故か二人そろって言いました。
「リタイヤします」
次号予告、「戦場を離脱する敗残兵、闘いを語る」
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夕方6時を過ぎると急激に暗くなって来た。道を歩いているのですが、交通量は多いのに歩道がありません。行きかう車はほぼヘッドライトを点灯し始めました。
あかん、ヘッドライト点けへんと危ない。
空き地で荷物からごそごそヘッドランプを着けました。ついでに腕に点滅LEDも装着。点滅LEDが普段夜間ランニングで使っているものです。
しかし点灯しても、歩く真横をトラックがガンガン通過していく。こわああ~。
6時半を過ぎるとほぼ真っ暗になり、ライトが無いと地面が見えにくくなって来た。しかも道路に表示された気温は4度。さっきより下がってる(笑)。さむいさむい。
車のライトは見えるが、前後にはウォーカーがまるっきりいなくなった。いや多分居ても気が付かないだけかもしれません。
寂しい。ホントにこの道で合ってるのかいな?
一人で歩くのって不安だ。
・・・これがボバさんが言ってた「心が折れる」って状況なのか。うーむなるほど。
なんて言っておりますが、心の中では相当嫌気がさしておりまして、
「ホンマに残り70キロ以上歩けるのかいな?」
と疑問が出てきました。この時点で、
「あっ俺、完歩は無理かも」
と確信してしまった。
這う這うの体で52キロ地点のエイドに転がり込む。ホントに転がり込んだ。
時刻は夜7時半。スタートして10時間半。計算すると平均時速4.95キロになった。平均時速5キロを切ってしまった。
座ると動けなくなりそうなので、そのままカレーうどんをいただきました。はああああ美味しかった。
私が到着した時エイドでは3名ほどいました。ここで皆さんかなり休憩されているようです。
さてここで靴下の取替とワセリンの再塗装をしました。座り込んでふやけた足を風にさらして乾燥させ(←凍えてます)、ワセリンをたっぷり塗った。
よおし、大丈夫!さあ行くぞ!
と立ち上がろうとしたが、足に来て転んだ。アカンそろそろ限界か?
道は市内の4車線の幹線道路になり、凄い勢いで車が流れていきます。複雑なインター近くの交差点で、行き先が分からずうろうろしておりますと、後ろから来られたウォーカーさんに道を教えていただきました。
「ありがとうございます。初出場なので」
とお礼を言いますと、その方もこの大会は初参加だとの事。でも三河湾100キロなども出ていられる先輩でした。名前を聞くのを忘れてしまいましたが、岡崎市在住の方だとの事でしたので「岡崎さん」と記させていただきます。
初心者の私は岡崎さんに色々と質問攻めしてしまいましたが、岡崎さんは嫌な顔を一つもせず丁寧に教えてくださいました。ありがとうございます。
岡崎さんによるとこの大会の出場者は、ベテランさん・リピーターさんがほとんどの、上級者向け大会だとの事。
やっぱりそうか。道理で皆さん速いわけだ。
「他の大会に出られたらどうです?しまなみ海道とかいいですよ」
なるほど他にもいっぱいあるのかあ。出てみたいなあ。
この岡崎さんと話をしながら1時間ほど歩いたのですが、この時だけは足の痛さ・疲れ・寒さと眠気を忘れて、楽しく歩くことが出来ました。
写真は富士急ハイランド。岡崎さんとの会話で頭はクリアになりましたが、相変わらず手が冷たくて動かない。シャッターが切れない・切ってもブレブレ(笑)。体が言う事聞かん。
道路の気温表示板は2度であった。この辺りから、ペースの違う岡崎さんとは離れて行きました。そうすると一人で歩くことになり、途端疲れがどっと出て来た。
しばらく歩いてると、時々意識が飛んでるのに気が付く。時々寝てるみたいです(笑)。
歩道がある場所だからいいものの、この先歩無い箇所もあるので、ぞっとした。やばい。
自分でもまっすく歩けないのだ。ふらふらしております。
ああリタイヤしたい。
リタイヤしたい。
でも行ける所まで行ってみよう。
ふらふらしながら1時間半歩くと、ようやく山中湖の表示が見えて来た。もうすぐエイドだ。
ああ休みたい。止まりたい。でもまだ歩けるやん。
山中湖手前のコンビニに入り、暖かい缶コーヒーを飲んで眠気を覚ます。缶を捨てて外に出た瞬間、古傷の右膝がカクっとなった。
「うわああ、力が入らん!」
一瞬膝をついてしまった。慌てて立ち上がり恐る恐る屈伸する。
はああああ、何とか大丈夫みたい。歩けそうだ。怖かったー!
ここで心が折れた。
もうリタイヤしよう。
カックンとなっただけだから、何とか歩けると思ったけど、エイドの先にある一番の峠道。そこで膝を壊して動けなくなったら目も当てられない。皆に迷惑をかけてまでしてはイカンのだ・・・。
「怪我の為」と言い訳を書いておりますが、要は心が折れたのだ、怪我は言い訳のこじつけです。膝の不安は仕方がないと思いますが、一番の要因は「心が折れた」事である。
ああ情けない。
そうと決めたらコンビニに再び戻り、焼酎下町のナポレオン「いいちこ」のカップを買った。寒くて寒くて仕方がないのだ。
エイドでも送迎まで時間がかかると思う。それまでは待たなければいけない。その間の防寒対策です(笑)。
コンビニの先にあるエイドに到着し、番号チェックを受ける。ちょうど岡崎さんも来られたので、何故か二人そろって言いました。
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