湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

ヤビツ峠に“ありがとう”

2006年10月29日 | 自転車生活
ツーリングでは極力峠を楽しみたいと思っている。せっかく自分の足で標高を稼いで上っていくのだから、景色の良い場所では自転車から降りてしっかりとその峠を味わいたいと思っている。

とは言っても、峠はやはりきついもの。ある程度の余裕がなければ、きつさばかりが印象に残ってせっかくの峠が楽しめない。それはやはりもったいないし残念だ。ということで一昨年からヤビツ峠に通うようになった。他のもっと高い峠に上るための足づくりとして。

最初の頃、というか去年までは毎回つらさばかり味わって、せっかく足づくりのためにヤビツに通っているのに他の峠を上りに行きたいという気はほとんどおきなかった。だからヤビツ以外の峠に上るのはせいぜい年に1~2回程度。気持ちが盛り上がったときに「よぉ~し」と気合を入れて走りに行くくらいだった。

けれども今年はまぁこんなブログをはじめたこともあってモチベーションが少しあがり、明らかに去年までよりも精力的に走っている。僕はそんな走りのかなりの部分をヤビツ峠が支えてくれていると思っている。時間的にも距離的にも手頃なヤビツできつい走りをすることで、他のところで少し精神的に楽に走れているような気がする。たとえば美ヶ原のようなところでも、標高差はヤビツとは比較にならないけれども、ヤビツの半分くらいの力で楽に上ればいいんだと思えば、そんなにプレッシャーはかからなかった。そして実際に楽に上ることができたと思う。何度も自転車から降りて、休憩をしたり、あたりを散策して写真を撮ったりながら、自分の思うような楽しいツーリングができたと思う。

今年は今までよりかなりタイムを短縮することができたので自分としてはすごく嬉しいのだけれども、タイムよりやはり重要なのはいかに“そこ”できつい経験をしておくかだと思う。きつい経験をどこかでしておけば、他の峠では無理をせずそれよりももっと楽に走れば良いのだ。たとえば半分の力で走ったとしても、スピードが半分になるわけではないので、ゆっくりとでもペダルをこいでいけば必ず峠には着ける。そういう感覚、自信を手にすることがすごく大事なことなのだと思う。そしてそういう自信があれば、別に峠と張り合う必要なく、楽しみながら峠を上れる。

もっとも気持ちに余裕のある人であれば、とくに練習のようなことをしなくても峠を楽しむことだってもちろんできます。体力なんてまったく関係なく、そういう自分の走りができる人っているんですよね。そういう人は本当に“強い”んだろうなと思ったりします。

自転車ツーリングで一番好きなのが“峠越え”なので、僕は足づくりのためにこれからもヤビツを走るのだと思う。けれどもその動機だけは忘れないようにしておきたいと思ってる。それから年内にランドナーでヤビツを走って、一度ヤビツもしっかりと味わっておきたいと思っている(ロードだと習性なのかつい余裕をなくしてしまうので)。フロントバッグにコンロとコッフェルを入れていって、唐沢林道に入った最初の橋の上で、護摩屋敷の水で紅茶でもつくって飲みたいなぁなどと思っている。うん、これは是非とも実現させよう!

とにかく、ヤビツ峠は僕にとってはかなり“ありがとう”な峠なのです。