山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

正月の富士山 山とスキー

2010年01月13日 | Weblog

 

 

               元日 富士の日の出 7合目付近

              明けまして おめでとうございます

           

 今年の富士は、「天気晴朗なれど風メチャメチャ強し」でした。結局7号5勺辺りから引き返すことにしました。数名の方が頂上を目指していましたが、たぶん8号目辺りまでだったのでは・・・?。

       6合目から見上げた富士山。雪が風にあおられています

 

 富士宮口は通行止め。冬期はこうなります。

 

 佐藤小屋。大晦日の風景。この日は、飲み放題、食い放題です。

 10年通い続けた元日の富士山。一つの区切りとして是非頂上へと思っていました。

 富士吉田からのスバルラインは、冬期も条件さえ許せば5合目までは入れます。しかし、近年、凍結やら雪崩などで道路整備が間に合わず4合目辺りまでしか入れないことが多いようです。5合目まで車で入り、翌朝早くに頂上を目指すのがパターンですが、31日は昨年同様、馬返し1合目より歩くことにする。

 5合目佐藤小屋で山の様子を聞いて7合目辺りにテントを張るつもりでいました。ところが、小屋の主人や自称ガイドさんなどから非常におどかされ、結局誘惑に負けて小屋泊まりに決める。今夜は、飲み放題、食べ放題とのこと。後で大いに反省することになった。少なくとも、小屋のテント場でテント泊をすべきだった。佐藤小屋はオールシーズン営業で、伝統ある小屋だが、訳の分からない客(山に登るのではない客)がほとんどなのでついその雰囲気に染まってしまう。

 明けて元日、5時30分小屋をスタート。暗闇と極寒の中、まずは6合目を目指す。満月煌々と西空に。東の空はかすかに明るみ、河口湖から山中湖にかけて街の光が美しい。何度も通った道なのだが、歩き始めは息が上がる。6合から吹っ晒しのジグザグ道に入る。7合辺りにライトがちらつく。確かこのジグザグは12回繰り返されるはず。ジグが風を正面から受けるとすれば、ザグは背中からということになる。

 何せ半端な風ではない。それに冷たい。前半の課題は、風と寒さに慣れること。見事な満月がまさに西の端に沈もうとして、東の空には新しい年の日の出の予兆が。     朝と夜との狭間をこんなにはっきり見るのは久しぶりのことだ。

 ヒイヒイ、ゼイゼイとひたすら登っていたら何時のまにか日の出。余り苦しいので感激どころではなかったが、それでもと思いシャッターを切る。マイナス10℃までは大丈夫とのこのカメラも、ここではあまり頼りにならない。アッというまに電池の能力低下。そうこうしている間に、後からやってきた単独の登山者に追い抜かれる。すごいエネルギーを感じさせる男性だった。7合ちょっと辺りで先行の3人組に追いつく。変な連中だと思っていたら、何と韓国の青年たちだった。装備もあまり良くなく、ピッケルの代わりにストックを持っていた。大丈夫だろうか。

 7合五勺辺りで眼鏡が凍り付き、視界もままならなくなる。コンタクトにゴーグルを使用すれば良かったのだが。眼鏡にゴーグルでは、ゴーグルは曇らないが眼鏡が曇りこれはいけない。一度ゴーグルを外すと、風に吹き飛ばされた粉雪にゴーグルまでがしめってしまいいよいよ役に立たなくなる。平地では考えられないような条件の変化が起こる。心残りだが、下山と決める。単独行の男性の姿が、雪煙の中に消える。彼なら案外頂上に達することができるかもしれないなとふと思った。

 登りはあれほど苦しいけど下りは早い。佐藤小屋まで帰り小屋に入ると正月の餅つきが始まっていた。小屋のご主人が少しねぎらってくれたが後の者たちは登山など関係ない様子で素っ気ない。かっての客はこうではなかったようだけど・・・。小屋に残しておいた荷物をまとめ残ったおせち料理でビールを飲む。朝飯を食わせてもらっていないので飲み放題食い放題の続きをしたかったが小屋の奥方が出てきて料理を取り上げられた。ご主人は気の利いたいい方なのだが奥方は少々了見が狭いようだ?はっきりしすぎているのかもしれない。

 早々に退散する。馬返しまでの下山道をアイゼンなしで歩いたが途中2度ほど滑って転ぶ。しょうがないのでアイゼンを出したのは良いがすぐに雪も無くなる。2時間ちょっとで下山する。車でいつも行く銭湯天水へ直行。風呂に入りビールで乾杯。しばらく休んでから谷川岳天神平スキー場へと向かう。ここまでは、昨年と同じパターンだが天気が心配。関越道の高坂PAで車中泊。イルミネーションの美しいパーキングだった。

 河口湖からの富士山。天気は良いのだが風が強い。

  

     

 翌2日朝、水上ICで高速を降りて谷川へ向かうが近づくにつれて雪深くなる。湯桧曽辺りまでは道路の雪かきが進んでいたが間もなくアスファルトの路面は雪の下となり、時折吹き付ける風で雪煙が上がる。前後に車はなく、心配になるがとにかくゴンドラ乗り場まで行く。吹雪で駐車場への入り口が見えず難儀したが、無事駐車場に入りホッとする。大変な荒れ模様だがリフトは動いているとのこと。ただし、いつ止まるかもしれないのでリフト券は安かった。こんな荒れ模様でも滑る人がいるのだと感心する。

 雪はたっぷりあるのだが重い。視界が悪くて上手くすべれなかったが何回か繰り返しているうちに慣れてきた。しかし、一部のリフトしか稼働しておらず、それも短いコースなので面白くなく適当に滑って早々に引き上げることにした。強い冬型の天気はしばらく続くそうだからどこのスキー場も似たような条件か?それでもと思い新潟県の様子見のため上越トンネルを抜ける。「トンネルを抜けると雪国」とはこのことか。急に雪が増え道路は雪の壁。川端康成の小説「雪国」の舞台でもある湯沢近辺をうろつきガーラスキー場駅(GARA湯沢駅)で車中泊とする。近くに康成が小説雪国を書き上げた「駒子の湯」がある。

 3日も朝から雪。スキーをあきらめ日なたの山歩きに切り替え榛名山へと引き返す。 関東地方はカラカラの好天気。信じられないほどの格差。山陰と山陽との天気の違いは常々経験しているところだが、日本海側と太平洋側との差はものすごいものだと認識を新たにする。 

  富士は富士でもこの富士は榛名富士です。(新100名山・200名山)

     

 東京方面から関越自動車道を走ると、まず目につく山が赤城山。裾野が広く雄大な感じのする山だが、車が奧まで入るのでルートにもよるが山頂へは至って楽に達することができる。100名山に数えられている山。次に目につくやまが榛名山。タケノコを束ねたような奇観ですぐそれとわかる。温泉で有名な伊香保の街を抜け、上毛3山パノラマ街道を進むと榛名湖畔に着く。この湖を取り巻く山々の総称が榛名山で、代表格が榛名富士。最高峰は掃部ヶ岳1449m。榛名富士へはゴンドラもあるが歩いて30分前後。山頂からの眺望はよい。 

           榛名山     登山道はゴンドラ駅で合流する。中央奧が頂上。

             

   頂上より。奧に赤城山等が見えるのだが・・・。

      

 この後、最高峰掃部ヶ岳に登り硯岩を覗いて下山。群馬・新潟地方の雪が嘘のように感じられる小春日和の中を次の山妙義を目指す。

 4日妙義山。 写真中央付近に白く「大」のが見える。この地点を「大の字」と呼ぶ。 この辺りから本格的な山登りが始まる。中央が表妙義の最高峰相馬岳1104m。

     

  大のぞき。裏妙義の奧には雪をかむった浅間山が見える。 

   

 相馬岳から見る金洞山方面。こちらは時間の都合で登らなかったが次回挑戦しようと思う。妙義山はクサリ場の連続。軍手は絶対必要だ。                 

    

     第4石門から見る大砲岩。

      

 久しぶりに緊張した山歩き。尾根歩きについては、ガイドブックにも上級者向けとあるように初心者には危険かもしれない。危険箇所にはクサリがあり3点確保で登ればいいのだが、頻繁に出てくるので握力や腕力が要る。 妙義神社のすぐ近くに参拝用駐車場があり、登山口は神社の横から。少し下に、道の駅があるのでここに駐車すればいいのだが、登山者の駐車はご遠慮くださいとの看板があった。道の駅から関東平野が見渡せ、近くに「モミジの湯」がある。桜の木も多く、春は混雑が予想される。山は、遭難事故も多いと聞いた。

          上毛3山とは、赤城山、榛名山、妙義山を指す

 この日は、上信越自動車道の佐久平PAで車中泊。明日もまた日本海側は雪らしい。

              ため息が 白く光る 夜の駐車場

 5日荒船山に向かう。登山口に近づくにつれて雪増える。駐車場には車が2台停めてあり、登山開始直前。荒船山は遠望する姿は荒々しいが、小学生でも楽に登れると聞いていたので不安はなかったがそれでも先行者がいれば心強い。雪道を登る。アイゼンは要らないだろうと持たなかったが持っていても良かったかも。最近アイゼンは持っても使うことが少ない。そのため、久しぶりに使用すると途中ではずれたりすることがままある。道具は時々使ってみる必要がありそうだ。 

 荒船山頂上。あまり前に出すぎると危険です。「クレヨンしんちゃん」になりますよ。 

 中央の尾根が内山峠からの登山道です。

  

 柵がないのでのぞき込むのは危険です。

 

 頂上避難小屋。

 

 最高点の京塚山山頂。この辺りは雪も深い。

 

 9時10分、内山峠登山口をスタートして、下山したのが13時20分。天気はまあまあだったが遠くの山々はよく見えなかった。この日は佐久市のクアランドで入浴。クアランドという意味はよく分からないが、建物のなかに健康増進のための様々な浴場施設があるところらしい。お年寄りの利用者が多いように感じた。休憩室でカラオケに興じる年配の姿もチラホラ。コインランドリーで今回初めてのお洗濯。

 6日は菅平ダボススキー場で遊ぶ。ダボスとは人の名前。近くにシュナイダーコースというのもある。ここは、根子岳のふもと四阿山の登山口近くでもあり100名山の折りに訪れた場所だ。雪のため、初めは気がつかなかったが、しばらくして見覚えのある街角にぶつかり記憶がよみがえる。

  菅平は戦国の武将真田幸村の住んだ上田市に近い。幸村も町おこしに一役買っている。ダボススキー場は、初心者から上級者までが楽しめる。 

 奧に見えるのが大松山スキー場。こちらは上級者に向いている。

  

  大松山スキー場から見る浅間山。

    

  この写真は、白馬八方スキー場からのもの。下の町並みが白馬村。                   

  

 五竜スキー場から見る八方尾根。八方スキー場は尾根の向こう側。

 

 五竜のスキー場。

 

 

 菅平も白馬も良いスキー場だが、問題は雪質。これだけは天候次第なので何ともいえない。北海道のスキー場にしても、良質の雪に出会えるのは最近ではそうあることではない。温暖化のせいだろうか?。

 結局、今年の元日は富士山頂上に立てず心残りな2010年のスタートとなった。しかし、山は逃げない。年相応に無理のない山をこれからも続けたいと思う。しばらくは、ふるさと山陰の山で山登りと山スキーを楽しみたい。

 

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