山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

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東浦奈良男 1万日連続登山 

2013年04月09日 | Weblog

 吉田友彦氏による「信念 東浦奈良男」という本が、山と渓谷社から出版されている。本の内容は、、連続1万日登山への挑戦の記録です。記録は、9738回で途切れてしまうが、喜々として登り続ける初期の頃から、壮絶ともいえる終末期の登山へと主人公の日記を基にして綴られた「信念」の記録である。

 

  山にかける心意気が随所に現れていて、大変興味深く読むことができた。さらに、山登りに関してのノウハウとでもいったものを読み取れことは、これからの山登りの参考にもなりそうだ。

       

「なぜそれほどまでして毎日山に登るのか?」と誰しも思うだろうが、本人にしてみればそう大それた野望があるわけではない。自分で自分に課した目標(初めから1万日ではないのだが)に素直であっただけのことらしい。ただ、山登り、山歩きの中で様々な思案が交錯はする。

 

  世の中には、色々な人がいるものだと改めて感心させられる。三浦裕一郎による世界最高齢でのエベレスト登山への挑戦は、幾分芝居じみてはいるが、成功すればこれはこれで大偉業となることだろう。人というものは、自分で立てた目標には従順であり、しかもしつこい。 人間の業とでもいえるかもしれない。          

     

 連続登山で登る山は、地元の山と富士山。富士山へは、連続登山以前も含めると368回登頂している。伊勢市という地の利もさることながら、今日富士に登り、翌日地元の山に登ってその日のうちに、また富士山へ向かうといったことを繰り返しおこなっている。

      

 人の体は、ある時期までは、鍛えれば鍛えるほど進化していく。いわゆる順応性に恵まれているらしい。このことは、高所登山を行う登山家たちをみればよくわかる。エベレストの無酸素登頂などその最も良い例だろう。

                     東浦奈良男 2011年12月6日没 享年 86歳 

                         合掌