山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

大山 2の沢登攀と大の沢滑降 (その1)

2013年03月05日 | 最近の大山

 3月4日(月)

 夕刻、桝水の駐車場に車を止める。ここで夜を過ごし、明日早朝に2の沢を目指すためだ。スキー場は早々と営業を止めたらしく2軒の店も閉まっていた。コンビニで買ってきた食材を温めていたら、酒が無いのに気づく。家を出るとき準備しておいたのだが忘れたらしい。買いに行く気にもならないので酒なしの夕食を済ませ、明日の準備をしてから早々と寝袋に入る。明日は何時頃に起きようかと思いながらラジオを聞いていたら、いつの間にか寝入っていた。

 3月5日(火)

 目は覚めていたがなかなか起きる気がしないで時間ばかりが経過する。これでは昨夜泊まったた意味がないので思い切って寝袋から出、簡単な朝食を済ませスタート。外は、うっすらと明るくなっていた。時計は6時をさしていた。この期間閉鎖されている道路の雪道をストックを頼りに歩く。6時50分、横手口入り口着。先日滑り下りた横手口沢前を過ぎ、2の沢入り口着が7時30分だ。途中、シール歩行に切り替えたので足が沈まないで歩きよい。2の沢横のブナ林の中を進む。幾つもの堰堤を過ぎると2の沢の全景が見えて来る。太陽も顔を出しすっかり明るくなった。

                  2の沢 最後の堰堤は左から巻いて越える。

 

 2の沢は、奥で2手に分かれるが左の沢に入る。右手にも堰堤があるがこちらは行き止まりで、3の沢と接する。写真中央の沢をやや左手に詰めて登れば弥山の頂上直下に出るのだが、途中雪が途切れる箇所がある。今回の、2の沢登攀の目的は、登攀そのものもだが、スキーによる滑降が可能どうかを調べるのが目的。この沢で、唯一雪がつながっているのは、写真右手に見える沢だ。この沢のスタート地点は、ちょっとした小高い丘のようになっていて、見晴らしが良い。以前、誰かが愛犬を埋めたと聞いたことがある。

8時50分スタート地点着。

 1年ぶりにやって来た。今日、長年の課題を解決する。 デブリがあり、そのさらに奥に見える稜線が頂上から続く縦走路だ。頂上は、左手の雪の斜面の上辺り。

 

 ここは、大山に残された秘境ともいえる地です。休憩しながら登攀の準備をする。久しぶりにやる気になった。山が呼んでいるような気がした。スキー板はザックにくくりつけ、右手にショートピッケルを、左手にピッケル付きのスキーストックをもってスタートだ。

 雪はやや固め、はまることはないのでアイゼンが有効。ゆっくりだが確実に登る。夕べ酒を飲まなかったのが良かったのかもしれない。体の調子は上々で、天気も良い。ただ心配なのが落石だが、山の気配からして、きょうはなさそうだ。デブリの中は、歩きづらいが、小さな雪の塊なのでアルプスのようなことはない。あそこのデブリは一抱えもあるような塊がゴロゴロと集まっているので越すに難儀する。

   デブリの向こうに沢が狭まって「門」のように見える所があるが、あそこを越せば落石の心配は無くなりそうだ。

            

  

 デブリを越すとやや堅めの雪の斜面が現れる。アイゼンが良く効いてすごく登りやすい。四つん這いになりながら登る。周りを見ると、何時落ちたのか知らないが、小石の転がった後があちこちに見える。時折、雪の塊や小石がぱらぱら落ちて来る。今、一番危険な場所に居るようだ。早く通過したいのだがすぐに息が切れてしまう。それでも何とか関門を通過。少し落ち着いて周りの景色を眺める余裕が出てきた。

                               だいぶん登りました

 

                              烏ヶ山も見えて

 

                           自然の造形が美しい。

                    上部は二手に分かれるが、左に入る。右手も魅力的だった。

 

 左手の狭まった辺りから雪が腐り出してアイゼンが雪団子のようになる。囚人が足に重しを付けられるとこんな感じか?周囲の様子から稜線は近い。

                     そして、11時15分、ついに稜線に立つ。

     

                    稜線の向こうには元谷が見えました。感激の一瞬です。

                                 縦走者もいます

  

                                                                             続く