YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

ラジオ政治トークショー

2010-12-15 05:13:57 | 概念的ビジネスプラン
精神的にきつい日の余韻で、先週位までは何をするにも集中力が欠け、新聞、雑誌を読んでも文字を追っかけているだけの変な状態が続いていた。定期購読している週刊エコノミストは、そんな時には内容的に一番相応しくない雑誌なのであるが、パラパラめくっているうちに自分の目を疑う様なものが、書評にあった。

小沢革命政権で日本を救え』を取り上げてあったのだが、驚いたのは著者の二人。副島隆彦と佐藤優の共著だ。

副島隆彦については、『日米「振り込め詐欺」大恐慌』を読んで余りに酷い妄想に驚いた事がある。(いつの間にか週刊エコノミストに「シネマ館」というコラムを書くようになっている)佐藤優については、文芸春秋連載、本職であったソ連、ロシアとの外交活動の事を書いた『インテリジェンス交渉術』は素晴らしい出来であったし、その後、立花隆と共著の『ぼくらの頭脳の鍛え方』では、胡散臭さを放ちながらも鋭い所を見せていたが、本格的に大量に本を出版し始めてからは、本格的に堕ちて行ってしまった。その上副島隆彦との共著という事実に暗澹たる気持になった。

なぜ、日本のマスコミや出版界は、才能がある時の人(佐藤優の才能については最近?マーク)をこのように一気にしゃぶり尽くすのだろう。特に、政治絡みで脚光を浴びた人々は芸がある訳ではないので、しゃぶり尽くされれば終わってしまうのである。佐藤優は有名になったことを自分で楽しんでいるような気がするが、それでいいのであろうか?

このような怪しい人やしゃぶり尽くされたゾンビな人が政治の事を語って、それなり世間に受け入れられる土壌は、日本に政治や世界情勢などを安定してキチンと解説してくれる機能がないからであると思う。日本には、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、そしてインターネットと情報のアウトレットはあるのに、コンテンツが著しく貧弱なのが大きな理由であると思う。

アメリカ生活で運転することが多いせいかラジオを良く聞く。音楽、スポーツ関係、ニュースと変遷してきて、現在はトークショー、それも政治関係のものを中心に聞いている。お気に入りは、Rushn Limbaugh, Mark Levin, Sean Hannity、保守系ばかりであるのが、「如何にも」でちょっと恥ずかしい。自分の名誉のために言っておくと、一応、リベラルの番組も聞く努力をしたのであるが、政治信念というより、ホストのキャラ、構成、ゲストといった基本がなっておらず聞くに堪えないものが殆どであった。

長い前置きとなったが、日本でも政治問題専門のラジオトークショーを始めたらどうかということである。モデルは完全にアメリカの踏襲である。

毎日同じトークショーホストによる政治、経済の四方山話は、ホストのキャラと強い政治信念(右であっても、左であっても)を打ち出す事で、賛成,反対にかかわらず、考えるキッカケを与えてくれる。中立,公正な番組ではダメなのである。

もっとも重要なのは、ホストだ。どうやって発掘するかが問題なのだが、地方からスタートして最終的に数年で全国レベルとするのが理想であろう。(これもアメリカモデルの踏襲)アメリカは国土が広いせいか、地方に一杯ラジオ局がある。現在人気のホストはこれら地方のローカル局のホスト、レポーターから始まって全国区に勝ち上がってくる。スターホストが休みの時に、地方で活動する人々がゲストホストを務めたりするのだが、スター性は無いものの確かな実力とその層の厚さに感心させられる。

日本では地方局も系列があったりして自由な放送は出来ないと思うので(もし一定の時間枠を買い取って、放送内容に制限無しで利用出来れば理想的)、旧五大都市(大阪市、名古屋市、京都市、横浜市、神戸市)にでも新しいラジオ局を開設して始める。午後の時間帯だけとか深夜だけとか時間限定で運用を始めれば良いと思う。これらの活動資金を宣伝スポンサーで賄えれるのが理想だ。地方で頭角を現したホストを全国区にして、これら地方の局を使って、全国版、地方版の組合わせという風に拡げていけば良いのである。

興味深いのは、ラジオ媒体はテレビより自由でインタンーネットとの相性がよい。サイト自体を有料メンバー制にしたり、出版や講演等の組合わせの相乗効果で収益を上げる道を探る。(テレビ局や新聞社と同じビジネスモデルではある)

日本の放送業界に疎いので、ラジオ局の開設自体が難しいの簡単なのかも分からないのであるが、基本的に先ずマスに向かって無料で発信する事と、アメリカの人気ホストのように20年も30年も安定してメッセージ出し続けられるスターの登場する事が肝心であろう。(スターホストが他のマスコミにしゃぶり尽くされないようにする注意も必要)

「オールナイトニッポン」(まだやっているのか?)「走れ歌謡曲」(古過ぎ)や小沢昭一だけでは、ラジオも泣いている事だろう。政治は言葉で成り立っている以上ラジオとの相性は抜群であり、トークショーの形態で「ながら」メディアである事のメリットを最大に活かせる。

このアイデア差し上げますので、誰か始めてくれないかなー。条件はただひとつ。「時々、俺にもしゃべらせろ!」