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アリゾナ州移民法裁判の判決

2010-07-29 09:11:44 | アメリカ政治
司法省が、アリゾナ州を提訴したことは以前のエントリーで紹介したが、施行日を明日に控えてアリゾナの連邦裁判所が今日判決を出した。

結論を要約すると、アリゾナ州移民法の違法性については議論は無く、取り敢えず、条文の一部を否定する灰色の判決となった。(判決文の原文

最大の焦点の職務質問時に合法移民である証明提示を要求する事については否定された。但し、この判決は、アリゾナ州法の不適切な文章を根拠にしている。(連邦移民法の判例などでは、逮捕したときは出来ることになっているが、アリゾナ州法は職務質問時に出来ることになっていた。)

本質的な問題を放棄しており、控訴審そして最終的には最高裁判所で争われる事を想定した上での判決と言わざるを得ない。アリゾナ州知事も、今回の判決は始まりであって最高裁判所まで戦う事を宣言している。

大きな政治問題では、スターが誕生したり、食わせ者が脚光を浴びたりする人間模様が面白い。アリゾナ州移民法を巡っては、スターは何と言ってもアリゾナ州知事の Jan Brewer であろう。全国的にも名前が売れたし、今秋の選挙でも再選を果たしそうだ。

本人は大真面目でありながら全国に馬鹿をさらしたのは、イリノイ州選出の民主党下院議員の Luis Gutierrez であろう。

今回のアリゾナ州移民法やオバマの移民改革法案スピーチ等、移民問題絡みで、ご先祖様がプエリトルコ出身の移民という事で、テレビインタビューに頻繁に顔を出していた。言っている事が支離滅裂で、こんな人が連邦議会議員をやっているのかと思うと呆れ返ってしまった。

残念ながら選挙区では圧倒的な強さを保っており、今秋の中間選挙でも再選は間違いないと思われる。議員歴も20年になるので下院の要職にも付いている。オバマやブラゴと同じくシカゴ出身なので腐敗構造も同じで、身辺も結構キナ臭い。余り目立つと危なそうなのだが、本人は最近露出度が高くて有頂天の様だ。