オバマ大統領 アフガン戦略 発表

先週エントリーしたように、ついさっきオバマ大統領がアフガン戦略を発表しました。

内容的には、戦略的に新しいものは何もありませんでした。司令官の４万にリクエスト対して３万の増兵でした。唯一目新しいのは、１８ヵ月後には結果の如何にかかわらず退却すると明言した事です。司令官の増兵要請から発表までの３ヶ月間も掛かった理由は、この退却戦略の妥当性と可能性を懸命に検討していたのだと思います。もし、来年中に想定外の展開になると、オバマ政権はパニックになると思います。よって、状況によってはこの戦略も反故になる可能性はあると思います。

懸念した通り、強い意思を表明したものではなく、八方美人的な内容でした。同盟国にしてみれば、１８ヶ月と思えば付き合えないわけでもないと思われます。ただ、アルカイダにしてみれば、この１８ヶ月の間逃げ回れば何とかなると、間違ったメッセージを送った事になったと思います。退却のスケジュールは作っても、戦略的にはケツを決めない方が凄みがあったと思います。

最初の部分は、車を運転しながらラジオで聞き、後半はテレビで観ました。ラジオの部分では、いつものように饒舌な演説でウンザリしておりましたが、テレビで観だしたら、最近では珍しく緊張の中にも落ち着きのある演説ぶりでした。但し、聴衆である陸軍大学の表情は熱狂的には程遠いものでした。

演説を聴きながら、オバマは政治家ではなく学者になるべきだったと改めて思いました。それでも政治家なら、やっぱり議員のままの方がオバマにとってもアメリカにとっても良かったと思います。軍、戦争の嫌いなリベラルには、最高司令官は荷が重すぎます。