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キナ臭くなってきたオバマ政権の周辺

2010-05-27 06:21:52 | アメリカ政治
先週のペンシルベニア州民主党上院議員候補を選ぶ予備選の結果でお伝えした。オバマ大統領が推していた現職の Arlen Specter が破れ、現在下院議員のである Joe Sestak が本選挙へ駒を進める事となった。

Arlen Specter は、上院で民主党に絶対過半数をもたらしただけに、オバマ政権としてもその功績(?)に報うべく、Joe Sestak に対して予備選不出馬を働きかけていた。今年2月のテレビンタビューで、ホワイトハウスから不出馬を決めれば政府高官にするとの提示があった事を明らかにしている。この時点では、特に大きな騒ぎにならなかったのであるが、予備選を勝ち抜いた事と、本人が予備選勝利後のインタビューで再び、2月の発言が間違っていない事を認めた事で、共和党から改めて、ホワイトハウスの政府高官提示についての調査を政府、議会に対して要請が出ている。

何らかの見返りに政府高官の職を与える事は禁じられており、もし、Joe Sestak が本当の事を言っているとすれば、大問題に発展しそうである。政府高官の提示をするという事は、当然、オバマ大統領の関与も考えられ、罷免の視野に入ってくる。

6月には、オバマが大統領に就任する事で空席となる上院議席を売り飛ばそうとした事で逮捕され、罷免された全イリノイ州知事 Rod Blagojevich (通称ブラゴ)の裁判が始まる。彼は、ヤケのヤンパチというか当然至極というか、オバマの証人喚問を申請している。(召還されるかは未定)又、首席補佐官である Rahm Emanuel(ラーム・エマニュエル)の関与も取りざたされている。尚、オバマはブラゴ逮捕時と就任後も FBI に事情聴取をされている。

オバマが大統領に当選するまでは、オバマは上院議員、エマニュエルは下院議員、ブラゴは州知事としてアメリカで一番政治的に腐敗しているといわれるシカゴ(イリノイ州)を本拠地に活動していた。Chicogo Way (Pay to play とも揶揄されている)と言われる、ギャング的な政治のやり方にどっぷり浸かってきているのかもしてない。

その上、シカゴにある ShoreBank をゴールドマンサックス主導で救済したのにも、政治的圧力が掛かったとの噂も出てきている。この銀行のマイクロ・ローンの宣伝にオバマが出ていたり、創業者の一人がクリントン政権やヒラリーの大統領選キャンペーンにかかわっていたり、オバマの上級アドバイザーの Valerie Jarrett が役員をしていたり、状況証拠は揃っている。

司法長官は、アリゾナ州の移民法を訴える準備に忙しいそうで、ホワイトハウス絡みの疑惑については直接調べる気はないと、何ともオバマの腰巾着の様な発言をしている。

ニクソンやクリントンのスキャンダルの時のように、個人的に大統領の身辺が騒がしくなると、当然、肝心の政権運営に支障がでる。オバマ自身が潔白と信じているのであれば、とっとと疑惑を晴らしてスッキリすれば良い。明日、10ヶ月ぶりにオバマ大統領の(特にトピックが決まって無くて質疑応答の出来るかたちでの)記者会見が行われるので、当然、Joe Sestak の件も質問されると思われる。その他どのような質問が出るか、どのような回答をするのかも楽しみだ。

ここまで、個人的な人気を背景にカモフラージュが効いていたが、オバマ自身や政権の化けの皮が剥がれつつあるので、起死回生を目指すのであろうが、無理だろう。結局、いつも通りべらべらしゃべって、記者や見ている人に深い失望感を与えて終わると思う。


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