YS Journal アメリカからの雑感

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預金封鎖 (追記あり)

2010-05-16 05:55:28 | 非常に個人的な昔話
ギリシャの混乱で、日本の財政危機の事を改めて思うのだが、日本政府は昭和21年に預金封鎖と貨幣変更で、国民の預金を取り上げている事実に付いては、いろんな所で散見するものの、キチンとした著作等にはお目にかかった事がない。

個人的には、当時預金封鎖で被害にあった人々が比較的少なかった事、戦争という特殊事情で何と無く諦めた人が多かった事、預金封鎖を事前に知り得る人は事前に引き落しなどで逃げ切った事などで、うやむやになったのではないかと考えている。特に田舎の資産家は、食べ物に困る訳ではないので預金封鎖の影響は取り敢えずなかったのではないかと思われる。しかし、その後農地解放が行われて、農業中心の地方資産家は衰退する事になる。

預金封鎖は国家的詐欺で、月の引き落し上限を500円として、3,000円までしか引き落としが出来ず、それ以上は取り上げしまった。

「五葉の松」で、母の実家が地方の資産家だった事を書いたが,母の母(祖母)の実家も、同じ様な資産家だった。長女である母が昭和13年生まれなので、結婚もその頃であろうが、何と、持参金を5,000円を持っての嫁入りであったそうだ。そして、この持参金(だけではないと思うが)が、預金封鎖で取られてしまったらしい。母が、何かの拍子に口にした事で何と無く覚えているのだが、母にしても僅か8歳の時の事なので、祖父母なり親戚から事後に聞いただけであろうと思う。

母方の祖父母は、ガンで私が大学に入る前に両方とも亡くなっているので自分が預金封鎖に興味持った頃には亡くなっていた。僅か65年前の事なのに既に、埋もれた歴史になりつつある。戦後の地方衰退の契機として、預金封鎖の事は福田和也にでもじっくり書いてもらいたい。

宇和島市吉田町立間にある祖母の実家が、なぜ豊かだったかというと、驚くなかれ愛媛にみかん栽培を持ち込んだ人がご先祖様だったらしい。このご先祖様祭った神社もあるらしい。(伝聞のみで、真実かどうかは不明)

小学校くらいの時までは、何回か伺った事があるきりなので、現在どうなっているか全く不明であるが、庭には、やっぱり五葉の松があった。いつだったか、トヨタの重役が買いたいという話があったらしい。何でも日本で5本の指に入るといっていたらしい。入り組んだ所なのでトラックが入らないので、ヘリコプターでつり上げるという何故か変に具体的な事も聞いたが、実現したかどうかは知らない。池には、三尺もあろうかという立派な黒鯉が悠々と泳いでいた事を覚えている。(どうも、母の実家の五葉松と祖母の実家の五葉松をゴッチャに記憶していたようだ。こっちが500万円と言われていたらしい。)

では、何の脈略も無く、一句。

五葉松昭和は遠くなりにけり

おそまつ!


追記 (12-31-10):母の実家で、祖母の実家の祖先がミカンを吉田町に持ち込み広めた話を聞いてみた。当たらずとも遠からずで、ここにでてくる加賀山家から養子に来た人がいるとの事であった。諸説あるようで、この加賀山さんがお遍路の途中で土佐から持ち帰った説と、別の加賀山さんが紀伊から持ち帰ったのがごちゃごちゃになっていた。A (もしくは The )加賀山さんが(母方の祖母は清家さんなので、A (もしくは The )清家さんが)紀伊から(こっそり)と持ち帰ったと思い込んでいた。

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