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NHK テレビ時代劇 『天下御免』

2012-11-25 18:59:25 | 非常に個人的な昔話
日本出張帰りの成田空港で、吉村昭の『わたしの普段着』と『冬の鷹』の文庫を購入した。

『冬の鷹』は、江戸時代にオランダの医学書『ターヘル・アナトミア』を訳した『解体新書』の中心人物、前野良沢を描いた本であるが、『解体新書』といえば杉田玄白しか思い浮かなかったので、非常に面白かった。(書評は近々)

脇役として平賀源内が登場するのであるが、杉田玄白ととも彼等のイメージは、小学校低学年の頃に観た NHK テレビ時代劇『天下御免』で確立されていたことに気が付いた。

『天下御免』の中の平賀源内は溌剌としていたが、実像は溢れる才能を食い散らかした挙げ句、落ちぶれた晩年に酔って人殺しの罪で獄死するという、典型的な才能に飲み込まれた哀れな人であった。

番組で記憶に残るエピソードは2つ。杉田玄白が著した『蘭学事始』の挿話、「鼻がフルヘッヘンドしたもの」の訳に苦労していた時に「庭を掃除すれば落葉や土などがフルヘッヘンドする」から、フルヘッヘンドは隆起したものと読み解いて感激する場面。(但し、この挿話は杉田玄白の創作の可能性が高い)もうひとつは、平賀源内が、新造された大きな橋(当然木製)が祭り行列の重さに耐えかねて崩壊した原因を、江戸と京の物差し両方を使って建設したことに求め、物差しの基準がバラバラである事の矛盾を糾弾する話だ。

テレビ時代劇として斬新だった記憶ばかりがあるが、史実を間違ったままで覚えていた事で、改めて自分の浅学無知を思い知らされる。

平賀源内役は石坂浩二だとボンヤリした記憶があったのだが、山口崇であった。(やや似ている様な)中野良子や坂本九も出演している。1971年から翌年に掛けての放映で、NHK にさえフィルムが残ってないそうだ。残念。

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