暘州通信

日本の山車

◆谷口與鹿 伊丹風俳諧 一七

2011年02月06日 | 日本の山車 谷口與鹿
◆谷口與鹿 伊丹風俳諧 一七
 谷口與鹿が、三本松の妓楼で遊び呆け、勘定ができず、褌まで取り上げられて路上に放り出された話はすでにしたが、破れた絽の羽織を頭からかぶって、明倫堂の裏口からすごすごと現れたときには、さすがに香坡の妻静、女中のまつは仰天した。まるで堤燈のおばけである。尻など丸出しである。しかし、それが與鹿だとわかると顔を見合わせて辛抱していたが、堪えきれずに笑い出した。
 騒ぎを聞きつけて香坡も現れる。香坡はしばらくその様子を見ていたが、ひとこと、「愛婦の病」かと言った。静、何か着物を出してあげなさい。
 そこへ伴善右衛門が顔を出し、この様子を見ると顔を真っ赤にして怒鳴りつけた。「あんた、ええかげんにしなはれや!」。
これが口癖である。

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