暘州通信

日本の山車

◆0174 問題の多い土地改良事業と換地の配分

2013年10月21日 | 土地改良事業の不正
◆0174 問題の多い土地改良事業と換地の配分

 土地改良事業は、農地をより有効に利用することを目的に施行されるはずですが、一部には、その結果は、必ずしも改良とは言えず、むしろ【改悪】となる例がしばしば出てきます。
 市街地の【区画整理事業】 も広義の土地改良で、【市街地の再開発】 をおこなうときなどに【区画整理法】によって施行されます。このときの従前地と換地の関係は、再開発後の市街の発展状況により、目覚ましい発展をする場合と、さして恩恵を受けない土地が出てきて明暗を分けることになります。それは、換地処分当時はそれほどでもなかった土地が、事業完了後、一〇年、二〇年……と時間がたつにつれて明らかになってきます。
 これは、【岐阜県羽島市駅界隈で区画整理が行われた古いが新しい例】です。
 東京オリンピック開催に併せて、東海道新幹線が走ることになり、東京・名古屋・京都・大阪の各駅が決まりましたが、このとき、まったく無名といってもよい岐阜県の羽島に駅が建設されることになりました。【大野伴睦】 という地元出身の国会議員が強力に駅の設置を推進し、【羽島駅】 が決定したときには【政治駅】 と陰口されたものです。
 この【羽島駅】の設置に併せて、土地区画整理が行われましたが、このとき、現在の羽島駅の正面にあたる地域に農地を所有している人がありました。事業完了後には辺鄙な場所へ換地され、
駅前となるあたりは有力者らが抑えてしまったようです。
 やがて、羽島駅の建設が着工され、新幹線が走るようになると、年々その発展は著しいものとなりました。つまり有力者らはいちはやくこの情報に着目して、自己への換地に充当していたということです。
 それから四〇年あたりも過ぎたころになって、駅前になるあたりに農地を所有していた例の農民の息子が、当時の不当な換地を恨んで事件を起こしたそうです。
 つい先日、神奈川県の平塚市で、市長立候補者が、土地区画整理地の【ツインシティ計画地】の地内に、妻名義で土地を購入していた事案が浮上し話題となりました。
 たいへん目先の効いた先物買いですが、法的にはまったく問題がなくても、住民の心理を逆なでする行為として問題視されているようです。
 【土地改良事業】、【土地区画整理事業】 の話が持ち上がってきたときには、招来の発展を秘めた候補地はいちはやく有力者が抑えてしまうのが通例のようです。目的は 【改良】 であっても、【改悪】 ともなるのが、【土地改良事業】、【土地区画整理事業】といえましょう。


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