暘州通信

日本の山車

30003 まつり

2008年08月12日 | 日本の山車
30003 まつり
日本各地の古代祭祀は、縄文時代の遺跡から出土する土偶や石製器物に見ることができる。またストーンサークル(環状列石)、ストーンヘンジ、ドルメン(支石墓)など世界に共通する遺跡がある。甘南備ともいわれる秀麗な山は山そのものが御神体であり、各地にあるが、奈良県の三輪山、滋賀県の三上山などはその例といえる。
山嶽を霊場とあがめる山も各地にあり、富士山、長野県の木曾の御嶽、群馬県の妙義山、栃木県の二荒山(日光)、山形県の出羽三山、青森県の岩木山、石川県の加賀の白山、富山県の越中立山、奈良県の大台など数々あり、なかには修験道の霊場として護摩など火と結びつく例もあり、奈良県の吉野山には仏教色の強い蔵王権現が祀られる。
天から降った神が坐す場所は神籬(ひもろぎ)であり、古くは「アレ」とよばれる。京都市上賀茂の「アレ」、長野県塩尻市の「阿禮神社」などがある。
古代の人たちは神が岩に乗って移動したと信じていたようで、磐船、岩舟の名称は各地にある。
天から降った神が籠る石や磐は神座であり、四国地方の各地ほかに多く見られる。
春になると山から降って「田の神」となる「山の神」信仰も各地にあり、岐阜県下呂市小川では「湯の花神事」も行われる。
家を普請するときは敷地を限って四方に竹を立て、注連縄(しめなわ)を張り祭壇を設けて神饌を供え、地を祓いきよめる地鎮祭が行われる。
ドイツに築庭に日本庭園を築いたとき、地鎮祭をおこなって不審気に見ていた現地の人が質問したので、説明したら大いに納得し賛意を得たというはなしも伝わっている。
「まつり」とは「まつらう」神事であるが、鎮守や産土神をまつる神社の祭神をまつる祭は「御祭禮」とよばれるのに対し、家を新築するときの地鎮祭を御祭禮とは言わない。
日本人にはこの関係はよく分かっているのだが、欧米人には理解しがたいらしい。
「祭」は名詞であるが、「まつらう」という動詞つかいのとき、送り仮名として「り」がつけられることが多い。
祭のポスターなどでも「〇〇祭り」などと書かれるのを多く見かけるが、動詞の五段活用、あるいは送りかなの「り」を各地の祭たる固有名詞につけるのは望ましくない。
「〇〇祭」と書くべきであろう。

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