暘州通信

日本の山車

◆谷口與鹿 伊丹風俳諧 二二

2011年02月08日 | 日本の山車 谷口與鹿
◆谷口與鹿 伊丹風俳諧 二二
 照顔齋が描いた谷口與鹿の似顔絵とは、驚いたことになんと後ろ向きの姿だった。鶴毟衣を着て、髪をあげて総髪にし、まとめてからげ、背中を向けて胡坐をかいて座っている。  サトイモ科、テンナンショウ属の植物に、マムシグサというのがある。飛騨地方では方言で「へんべのだいはち」とよんでいる。へんべは蛇のことである。
 直射日光の当たらない半日陰の山道などでときどき見かけるが、花(佛炎苞)は淡緑色から暗紫紅色で、蛇が鎌首を擡げた姿に似ていて、あまり気持ちのよいものではない。群馬県でたくさん作られている蒟蒻(こんにゃく)はこの仲間である。
 ところが、このマムシグサは案外はにかみ屋で? 人の通るほうを向いて咲いているものはほとんど無い。
 與鹿の似顔絵を見ていてふと気がついた。
     
   枯れそうな 気色も見せず 鬼薊
 
 葱坊主のような頭はまさに鬼薊であり、「枯れそうな気色も見せ」ないのは、谷口與鹿が自身を詠んだものであった。

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