行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

屁糞葛(ヘクソカズラ)

2010-08-24 22:05:09 | 花,植物




屁糞葛(ヘクソカズラ),たいへんな名前をつけられたものです。
花や葉は名前とは違い形も色合いもきれいであり,
野を歩いて見つけると毎年レンズを向けてみたくなります。
今年も8月になり,その屁糞葛があちらこちらで花を開き始めました。
日本各地に分布するアカネ科の蔓性多年生草本,
いわゆる雑草の花であり,野の至る所に観察できます。
この実が生け花の素材になることもあり,
ヘクソカズラではあまりにもかわいそうということで,サオトメバナ(早乙女花),
花の形がお灸に似ているので,ヤイトバナ(灸花)の別名が付けられています。

屁糞葛の名の由来は,この草を折ったりすると悪臭を発生するからです。
一説によるとこの悪臭は動物に食べられたり,
折られたりするのを防ぐための自己防衛手段であるそうです。
スカンクは動物ですが,スカンクが出すガスと同じ目的といえます。
悪臭のもとはこの植物に含まれているイオウ化合物が
分解して発生するメルカプタンと書かれていました。
メルカプタンは化学実験で何回か使ったことがありますが,
それはたいへんなにおいを発生する化学物質です。
アンモニア,硫化水素とともに三大悪臭とされていますが,
その中でも一番強烈なのがメルカプタンです。
ちなみにスカンクのガスの主成分も(ブチル)メルカプタンとのことです。

ものは試しと,この蔓を折り,葉を手で揉んでみました。
おそるおそるにおいを嗅いでみましたが,
多少のにおいはあるものの,期待?に反して,
それほど強烈なにおいは感じませんでした。
草の青臭さのほうが勝っているように思えます。
屁糞葛が進化いや退化?して,昔に比べにおいが弱くなっているのでしようか。

この匂い屁糞葛の名に足らず
石垣に垂れて生かされ灸花
コメント
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