日本列島を包みこむような猛暑が連日続いている中で、夏祭りシーズンを迎えて各地で様々な夏祭りが開催されており、賑わっているようだ。
鎌倉時代に盆踊りの発祥と言われている「踊り念仏」を広めた一遍上人のゆかりの寺遊行寺と藤沢駅周辺などで、24日の前夜祭に続いて25日は遊行寺境内で、盆踊り大会があり、夕方から遊行寺へ出かけてきた。
第5回を迎えた今年は、藤沢市制70周年を祝っての一大イベントとして盛大に行われており、地域活性化の役割も担って夏の風物詩として定着してきたと聞いている。
前夜祭では遊行通りで、恒例の創作踊りの『遊行ばやしコンテスト』が行われて、市議会議員連など地元の踊り自慢の団体など25団体が参加して、鮮やかな衣装や流し踊りを競いあい、優秀賞や特別賞に約10チームが選ばれた。
我がご近所の公民館で活動しているジャズ体操クラブも毎年参加されているが、今年は特別賞を受賞して、遊行寺境内の本祭り盆踊り大会に出場して踊りを披露すると聞き、応援に出かけきた。
遊行寺には、久し振りの訪問であるが、日暮れ前からフリーマーケットや屋台が出ており、お祭りムードで盛り上がっており、近辺からの家族連れなどが浴衣姿で賑わいを見せていた。
前座イベントでは、地元の無形文化財となっている太鼓集団の「西富ばやし」や「きやり」の演奏・演技が行われて、多くの観衆から拍手を浴びていた。
遊行寺本堂に参拝して、境内や裏山を散策してみたが、さすがに時宗の総本山である『遊行寺』は、奥深く貫禄がありました。
現在の藤沢市の市名の由来も遊行寺の門前町であったことから遊行寺の正式名の『藤澤山(とうたくさん)』から、来ているそうで、開山以来700年の重みを感じました。
本堂裏には、静かな佇まいの歴代の遊行上人の墓や宇賀神社があり、一回りして中雀門、放生池、大イチョウなどを散策したが、イチョウ周りの喧騒とは、別世界であった。
開式にあたり、現上人の挨拶で、「遊行」とは、僧侶が修行・勧進のため諸国を巡り歩くことを言い、代々の遊行上人は、念仏をすすめていると紹介があったが、念仏を称えながら踊ることにより、心に安らぎと歓喜を与えるので、元気よく踊って閉塞感を打破してほしいと訓示があり、観衆に笑顔が湧いていた。
コンテストに入賞した踊り連の「遊行ばやし」が始まると、鮮やかな衣装と艶やかな手振りが披露されて、観衆からフラッシュを浴びていた。
踊り手の皆さんの顔には、汗が流れるように浸たり落ちており、小道具のセンスで仰ぎながらの踊りは大変だったようです。
夕暮れ時からは、国指定の重要無形民族文化財となっている秋田県羽後町の『西馬音内(にしもない)盆踊』の友情出演があり、貫禄ある踊りには、先の入賞踊り連からも賞賛のか拍手が寄せられていた。
その後には、西馬音内踊り連も加わり、市民大盆踊りが始まり 老弱男女が手をとりあって踊りを楽しんでいた。
この日は、まもなく雨模様になってきたので、早々に引き上げたが、毎年参加している方の話では、今年は観衆の数も今一だったようで、期待していたような集まりではなく、お祭りムードが一杯というほどではなく、一抹の寂しさを感じたのは、自分だけでは無かったようだ。