山の友からお誘いを受けて、久し振りのハイキングに前日から緊張感を覚えながら、体調や備品の準備に取り掛かっていた。
目指すは、上州吾妻八景として有名な景勝地である『岩櫃山』(802M)で、低山ではあるが岩場が多い迫力ある山と聞いて、期待して出かけてきた。
湘南から結構距離があり早朝5時過ぎに家を出て、高崎経由で吾妻線の郷原駅からのコースを取った。
この日は、小春日和に恵まれて絶好のハイキング日和となり、吾妻線車窓からの吾妻川流域の紅葉や山々の眺めは、思わず「凄~い」と感嘆するほどの光景であった。
10時40分に郷原駅に到着すると、無人駅で電車のドアも、お客が自分で開ける手動ドアであった。
駅頭で軽くストレッチ体操をして出発したが、見上げる前には、岩櫃山の南壁がそそり立っていた。
「えっ~まさか これを登るんじゃないよね・・・」と思いながら、秋色漂う民家の間を抜けて、
古谷T字路まで約15分、そこから岸山を見上げながら農道を抜けて約10分で『蜜岩登山口』に到着。
ここからいきなりジグザク道の登山道へと取り付き、コルはすぐ頭の上に見える直登に近い急登を喘ぎながら歩を進め、途中にガレ場もあるが、落葉樹は殆ど落ちており、視界が拡がり紅葉が素晴らしい。
最後に鎖場と梯子を登りきり約25分で、コルへ到着した。
コルで一休みして後、その先は岩場が続き大きな岩を登ると、『天狗の架け橋』へ着く。
そこには、なんと切り立った幅30Cm・長さ約2Mの岩のブリッジであり、2、3歩で渡れそうであるが、
ブリッジの先には、岩が張り出していて確たるホールドも無く、両サイドは谷底で、踏み外したら・・・と思うと恐怖感で足がすくみそうであった。
仲間の一人は、ブリッジを跨いで渡り、這いつくばってようやく渡り終え、それを見て二人目からは直ぐ下の迂回路を巻いて渡った。
風や雨の時にブリッジを渡るのは、かなり厳しいのではないだろうか?
天狗の架け橋を過ぎてまもなく右手に『鷹ノ巣遺跡』の案内があり、約30Mほど下りてみると、
目を見張る大規模な鷹ノ巣の洞穴が目に飛び込んできた。
尾根に戻り、その先の大岩の穴をくぐる路を抜けて、約10Mの長い鎖場と梯子を越えて山頂に12時30分に到着した。
山頂には三角点があり、10人ほどが立てる程のさほど広くはない広場があり、360度の展望が素晴らしい。
岩の天辺に立つと眼下には、今登って来た郷原地区や上州の山々が望めて、色鮮やかな絶景が拡がっていた。
暖かい秋の陽を浴びて、約1時間のんびりと昼食を摂りながら、まさに『天空散歩』の実感を味わっていた。
(下山レポは、?へ続く・・・)