紅葉シーズンが関東地区で盛りを迎え、絶好の秋晴れのこの日、都内有数のイチョウ並木である東京大学 本郷キャンパスへスケッチブックを抱えてお散歩に出かけてきた。
キャンパスを訪れたのは3年振りであるが、東大には縁のない我々にはあの赤門の前に立つと、
構内へ入るのに何となく躊躇するところがある。
朝早く赤門へ着くと、既に多くの散歩族や東大を目差す高校生など一般客が次々と構内へ消えていった。
構内に入ると、既にイチョウは晩秋の陽を浴びて美しく色付いており、路面に散った落ち葉と共に実に美しい光景が展開されていた。
素晴らしい銀杏並木の構内をスケッチポイントを求めながら一巡したが、やはり東大のシンボルである、
安田講堂は威光を放っており、あの学園闘争を繰り広げた講堂とは思えない美しい景観であり、外せない。
早速、朝の陽を受けた講堂を描きながら、約40年前の講堂封鎖解除の光景を思い浮かべていた。
入口の古い歴史を刻んだ門や時計台を苦戦して描いていると、いつのままにか老人倶楽部や東大ツアー?の団体が増えてきて、講堂前の広場には、多くの輪が出来てきた。
しばし、記念写真撮影のお手伝いをして、画を囲みながら談笑していたが、こんな雰囲気が漂っていた。
安田講堂前の広場の地下にある学生食堂でお昼を摂ったが、ここも一般の散歩客で長蛇の列が出来ていた。
日頃は、学生で埋まるのだろうか?この日は、慣れない一般客で埋めつくして、全く異なる光景であろう。
午後は、場所を移してイチョウ並木から望む法文学部館を描いたが、どの建物も欧州に地に来ているような錯覚を感じるほど、素晴らしい建築物が多い。
限られた時間で散策して、一番の光景は、工学部館前の大銀杏は黄葉の色合いも絶好で多くのカメラマンもシャッターを切っていた。
伝統あるこの素晴らしい環境の「学びの館」で学ぶ学生諸君が羨ましいが、日本のリーダーがここから巣立っていることに納得である。
東大生が入学して、東大のシンボルである『イチョウ』が散るまでに、彼女や彼氏を見つけないと卒業までに見つからないという話を聞いて、何事もイチョウは東大の象徴であるのか?と感心した。
晩秋の陽が落ちるのは早く、再度のスケッチ訪問を約して家路に着いた。