中津川以北 鳥居峠の残雪
藪原・奈良井間6.6キロの複線化は、鳥居トンネル藪原側坑口の手前から北側に複線トンネルを掘削して新線を建設した。
峠の奈良井側の急勾配、急曲線を解消しトンネルで街に直結。奈良井の約1キロ手前で旧線と合流した。
延長2157mの新トンネルは昭和44年夏に完成し、1673mの旧トンネルと旧線は廃止された。
奈良井側から旧線を辿ると、1キロ程で街並みから離れ、奈良井川に沿って左手にカーブして短い豊口トンネルを抜ける。
川を渡って左右にくねって1キロ以上進み、再び川を渡り鳥居トンネルに入る。20‰の上り勾配が約2.5キロ続いていた。
43年3月19日、原野・宮ノ越間から移動して、薮原・奈良井間、鳥居峠の奈良井側で撮影。
宮ノ越12:54発の松本行827レに乗り約20分で奈良井に到着。豊口トンネルの先で約半年ぶり2回目の鳥居峠を眺望した。
上り勾配を行く上り列車は後追いになるが、ここから見る風景は魅力があった。
先程、宮ノ越停車中に撮影した下り貨物列車がやってきた。残雪の斜面を背景にしてS字カーブを下ってくる。
既述したとおり、この時期の貨物列車のダイヤの記録がなく、列車番号及び運行状況が不明である。
D51ー902[木]牽引の下り貨物
国道を進み、奈良井で下り貨物と交換して13時45分頃にくる上り不定期急行"彩雲"を待つ。DD51単機の牽引であった。
DD51牽引の上り3812レ急行"彩雲" 7両編成で2両目に1等車を連結
上り急行"彩雲"と藪原で交換した下り2801D急行"赤倉"が峠を下ってくると、後はしばらく静寂の時間になる。
川原に降りて次の上り列車を待つ。奈良井発14:22の旅客列車が豊口トンネルを抜け黒煙を上げて20‰を登ってきた。
重油併燃装置、集煙装置付D51-245[中]牽引の上り松本発名古屋行830レ
いつまでも残る雪の壁、奈良井川に沿って峠を登っていく。
830レを奈良井で通過待ちして上り貨物列車が十数分後に発車する。国道をさらに先に進み撮影ポイントを探った。
少し気温が上がっていたのか、次のD51も黒煙できた。
この後、奈良井15:41発の明科からの上り842Dに乗車、中津川で途中下車してC12を撮影して帰った。
D51-430[木]牽引の上り貨物
1968.3 藪原・奈良井