鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

往生際の悪い前会長

2010年08月10日 | Weblog
第3回:犬飼前会長「やらなきゃという信念は変わらない」
Jリーグ秋春制移行問題を考える

2010年8月9日(月)

 犬飼基昭氏が、日本サッカー協会(JFA)会長職を1期2年で退任することが報じられたのは7月24日のことである。あまりの唐突なニュースに、しばし言葉を失った。その2日前、2022年のワールドカップ(W杯)招致活動に関する記者会見で、意欲あふれる前会長の姿を私は間近で目撃していたからだ。それだけに「体調不良」という理由は、どうにも腑に落ちないものを感じてならなかった。翌25日、副会長から昇格した小倉純二氏が新会長に就任。かくして、2期目が確実視されていた犬飼体制は、突然の幕切れを迎えることとなった。

 さて、W杯を挟んで久々に再開する、シリーズ「Jリーグ秋春制移行問題を考える」第3回は、この問題の火付け役である犬飼前会長へのインタビューを掲載する。取材したのはW杯前の5月20日。あれから随分と時間が経過し、今回の政権交代で状況も大きく変わった。小倉新会長は、秋春制の必要性を認めつつも「北(寒冷地)に設備がない以上、無理強いはできない」としているし、新たにJリーグのチェアマンに就任した大東和美氏も「すでに昨年に方向性が出ているという認識」であるとして、秋春制移行に否定的な見解を示している。そんな中、今さら犬飼前会長のインタビューを掲載することに、どれだけ意味があるのか――そう考える方も少なくないだろう。

 だが私は、むしろこの時期だからこそ、あらためて前会長の言葉をここに再現すべきであると考える。というのも、少なくとも犬飼氏の退任が決まるまで、シーズン移行のプロジェクトが着実に進行していたことが、このインタビューから明確にうかがえるからだ。そこで、少なからぬ予算とマンパワーが投入されていたはずだが、今回の新体制発表によって、いったん棚上げとなる可能性は大である。私自身は、秋春制移行に決して賛成の立場ではないが(むしろ極めて懐疑的である)、JFAの唐突な方針転換については、賛成・反対の立場を超えて、サッカーファンはきちんと目を向ける必要があるだろう。そんなわけで以下、秋春制移行に向けて意欲満々で語っていた、犬飼前会長のインタビューをここに掲載する。(取材日:5月20日 インタビュアー:宇都宮徹壱)

■シーズン移行は会長になる前から考えていた


――犬飼さんが会長になられてから、ずっと主張されているシーズン移行。今年に入ってから、あまり聞かれなくなったように思えるのですが、進捗はいかがでしょうか?

 シーズン移行については、外に間違った情報や中途半端な情報ばかりが流れていますね。その話に入る前に事実を言いますと、わたしがJリーグの専務理事だった時に「JFA/Jリーグ将来構想委員会」のメンバーに入るようにと言われたんですね。「将来構想委員会」というのは、JFAのプロジェクトで、Jリーグのプロジェクトじゃないんです。

 それで、JFAの副会長として鬼武(健二)チェアマンが委員長をやって、そのメンバーでいた時にわたしが提案したんです。Jリーグの専務理事として、シーズン制を変えなかったら、日本のサッカーは行き詰まりますよ、代表選手が全部疲弊しちゃうと。
 というのも、わたしが浦和レッズの社長をやっていた時に、5人も6人も代表に出していたんですね。1年中休めないんですよ、選手は。そうすると、どこかでけがをする。どこかで選手が行き詰まっちゃうという危機感が常にあったんです。そういうことがあって、選手を休ませるためには「世界とカレンダーを合わせないとムリですよ」と。

――とはいえ、一口で「世界」といっても、それぞれの気候に合わせたカレンダーがあります。アジアひとつ取っても、整合性を合わせるのは難しいと思いますが

 たとえばアジアでも西の方は、夏は40度、50度、60度で(試合が)できないから、全部インターナショナルマッチデーというのは1月に入ってくるんです。日本はその時のシーズンで言えば、1月はオフの次期なんですね。選手が休まなければいけない時に、代表選手は常に招集されて、コンディション作りをしなければならない。
(クラブが)チームを作る活動が始まると(代表)選手は試合で持っていかれてましてね。浦和時代に、これはどうしたらいいかなあという感じで「これはもうシーズンを変えなきゃダメだ」と、その時にわたしが提案したことで(プロジェクトは)始まったんです。

――そのあたりの経緯は、あまり広く知られていませんよね。犬飼さんが会長に就任されてからクローズアップされた話題だけに

 ずっと検討しているうちに、僕が協会の会長になったのでメンバーから外れたわけです。それでもプロジェクトは継続検討をしていていました。ただ協会のプロジェクトだから、検討が終わったら報告してくださいということで、鬼武委員長がサッカー協会の副会長として常務理事会で報告したんです。ところがそれが、数字的な裏付けだとか、いろんなものが全くなくて、「ただやれない」と。ただ「時期尚早」だと。1つは(シーズンを)変えることによってみんな大変な思いをするんだけど、それによって得られるメリットが少ない、とこう言ったんですね。

――それが昨年(09年)の3月の話ですね? それに対して犬飼さんが考えていらしたメリットというものは、どうだったんでしょう

 その時にわたしが言ったのは、代表選手が世界の人と同じ時期に休むことができて、しっかりした代表のプレーができると。ただしそれは、Jリーグのチェアマンにとっては、あまり大きなメリットではなかったわけです。確かにJリーグも、代表選手を輩出しているようなクラブもあれば、全然関係ないクラブもいっぱいありますから。

■「ほとんどできている」シーズン移行後のカレンダー

――その後、どのようなやりとりがあったんでしょうか?

 それで報告があった時に、わたしが議長をやっていたので「これでいいですか?」と言ったら、常務理事以上全員が「これではダメだ、納得できない。何の裏付けもないじゃないですか」と。「観客が減るというけど、どれくらい減るんですか?」と言っても、「さあ……」という話だった。それでわたしは「もう1回再検討してもらわなきゃいけない。全員がそう言うので、もう1回検討してください」と差し戻しをしたんですね。
 それでもなかなか動かないんで、鬼武さんに「あれはどう検討するんですか?」と聞いたら、「えっ? そんなこと言われたかなあ」って言われたんだけど、常務理事会は録音テープがあるんでね(笑)。「聞きますか?」って言ったら「いやあ……」とかいう話になったんで、じゃあもう委員会でやらずに(JFAとJリーグ)両方からメンバーを出して、数字をきちんと作りましょうと。

――つまり「将来構想委員会」ではなく、別のプロジェクトチームを立ち上げることになったわけですね?

「将来構想委員会」はやめて、両方からのメンバーを出すことで、新たなワーキンググループでやりましょう、ということになったんですね。それでスタートさせたんですけど、(シーズン移行をするためには)スタジアムをそのままにしておくのはいけない。このくらい暖かくするには(コストが)どのくらいかかるとかいうことで、外部のコンサル(コンサルタント)を採用したんです。
 そのコンサルに、実際に現地のスタジアムにも行ってもらって「こういう季節に試合をやったら、どれくらい費用がかかるか」ということを数字的に詰めたんです。そうしたら、そういう(ネガティブな)裏付けが覆されたんですよ、実際に。じゃあ、こういうふうにするための日程ということで、今はカレンダーを作っているところなんですよ。

――では今まさに、シーズン移行後のカレンダーを作っている状況なんですね?

 そうです。ほとんどできていると聞いているんですけど。ただ、寒い地域の一部の人たちが、かなり反対しているということで、Jリーグが心配していると聞いています。どんなことでも変えようと思ったら、自分たちの権益を侵されることに対して、ものすごく反対する人がいるんですね。それはそれで話を聞かないといけないんですけど。

――実際、北国では「試合をする以前の問題」が、多々あると聞いていますが

 じゃあ今のシーズン制で、そのまま夏に試合をやっていていいのかと。スタジアムに入るために並んでいて、熱射病になって救急車で運ばれる人が、浦和でもかなりいたんですよ。寒い地域の人たちはそういうのを知らないでしょ、と。(当時)わたしのところにも「暑いの何とかしてくれ」というクレームがいっぱい来ていたんです。そこで、並ぶところにできるだけテントを張ったり、氷柱をいくつか立ててみたり、いろいろ工夫したんですね。だから寒いところも、いろいろ工夫すれば何かできるんじゃないかなと思うんですけど。

――とはいえ夏場は夜の試合が多いので、かなり暑さは緩和されているのでは?

 でもナイターになると、子供たちに見せられないんですよ。家に帰ると10時、11時になってしまうから。ところが冬にやれば、全部デーゲームになるので、子供も見られるわけですね。
 とにかく今は「寒いところに冬試合をやらせるのはとんでもない」という意見だけが来ているんですが、現状のシーズンでどんな問題が実際に起きているのかを考えないと。文句だけを取り上げて「あの会長はとんでもないことを考えている」と言われても、それは一方的だと、わたしは思っているんですね。

■秋春制になれば寒冷地は潤う?


秋春制移行反対を唱え、署名活動を行うサポーター(写真は08年12月のもの)【写真は共同】
――本当にシーズン移行を進めるのであれば、やはり寒冷地のクラブの関係者やサポーターに対して「シーズンを変えたらこんなに素晴らしいことがあるんだよ」という具体的なメリットを提示する必要があると思うのですが、いかがでしょうか

 いっぱいありますよ。まずね、冬に試合をやるとパフォーマンスが上がって、すごくいいサッカーが見せられるんですね。それから雪国の人にとっては、シーズンを変えると、シーズンが始まる前のキャンプは夏に行われるから、ほとんどのチームが北海道や山形といった寒い地域でキャンプをやるんですよ。
 そうすると、それにサポーターもついていくから、北海道なんかどれだけ潤うことか。Jリーグの真剣なキャンプを北海道の子供たちは見られるし、いろんな地域から人が移動して、北海道にいろいろとお金が落ちる。「そういったことを考えていますか?」っていうことを、わたしは札幌の新聞社の人に言ったことがあるんですけど、そういうメリットがあります。

――夏はそれでいいとして、冬については寒冷地にはデメリットしかないですよね

 僕が言っているのでは、1月はホーム2試合なんですよ。2試合が寒いからいやだと全部否定するのではなくて、いろいろと知恵を使えないですか、と。例えば、その2試合のホームゲームを1月は全部アウエーにして、季節のいい時にホームゲームを2試合増やすとか、やる気になればいろんな案が出るんですよね。
 それと同時に、やっぱり屋根のある練習場を、協会やJリーグで何とかバックアップしてできるようにするとかね。そうすると、雪国でも子供たちが冬でもサッカーができる環境ができるんです。何もそのまま(のスタジアム)でやろうと言っているんではないんです。だから、そういったことはいろいろやっていきましょうということで、コンサルの方からも「この位のヒーティングをすると何億かかります」といったことが、スタジアムごとに(具体的な数字が)出ているんですよね。その財源をtoto(スポーツ振興くじ)に頼もうかとか(知恵を出すことで)いろんなことができるんです。

――今までの話をまとめますと、すでにシーズン移行のためのカレンダー作りをしていて、具体的な数字もどんどん上がってきていると。これはどこかのタイミングで、きちんとまとめて発表されるんでしょうか?

 ドンと出しますよ。どこかのタイミングで。

――それは割と近い将来でしょうか?

 割合近いですね。来年の1月はアジアカップが入ってきて、その次(の年の1月)もW杯予選が入っていますから。そうすると、恒常的に代表選手は休めないんです。それに代表選手が疲弊しちゃって、けがでもして代表が負けると、全部協会の責任として来ますからね。

■対話は望むところ、逃げも隠れもしない

――これはJFAマターの話ではないですが、Jリーグの過密日程は何とかしなければいけない状況に来ていると思います。チーム数を減らすといった選択肢もあった方がいいのかなと思うのですが、犬飼さんのお考えはいかがでしょう

 世界を見ますとね、日本でACL(AFCチャンピオンズリーグ)を戦うトップクラブでも、年間50試合くらいなんです。ヨーロッパのトップクラブでは年間60試合を超えていて65試合くらいやっている。南米では70試合を超えているんですよ。日本はたった50試合くらいなのに、なぜ過密なんだと。どこかおかしくない? というのがあるんですよね。じゃあ、ヨーロッパはなんでそんなにできているのと。

――選手層が厚いというのはあると思いますね

 それもあるでしょうし、選手が鍛えられていますよね。

――ただ、ヨーロッパがすべて正しいことをしているわけではないと思いますし、日程的に破たんしそうなところもあるわけで、ヨーロッパの悪い部分も見ながら、日本独自で調整していくことも必要かなと思うんですけれど

 そのへんの調整が非常に難しいのは、やっぱりJリーグの理念があるから。興行とかビジネスとかが先行するんではなくて、地域としっかりやっていこうというのはわたしも大賛成。だけど結局、そういうことをやりながらサッカーが成り立っていくのは、代表が勝たなければ全部つぶされるようなことなんですよ。
 だから、日本代表をどうやってカバーしながら、Jリーグの理念を成り立たせるか、みんなで考えないと。僕は(シーズン移行は)Jリーグ(の専務理事)時代に提案した話で、協会の会長になったから急に「代表、代表」と言っているわけではないんです。そういうところが全然、外に流れていないので、わたしとしては不本意なんですよね。

――先ほど、浦和時代の話をされていましたけど、当時の犬飼さんはサポーターやファンとの対話を大切にしていらしたイメージがあります。現在、非常にお忙しい立場でいらっしゃることを承知で申し上げるんですが、今回のシーズン移行の問題にしても、例えば寒冷地に出向いていって、現地のサポーターとタウンミーティングをするといったお考えはありますでしょうか?

 こういうことを提案して検討に入る時には、たぶんいろんな地域から要求があると思うんですけどね。当然、逃げも隠れもしませんから(笑)、行って対話しようと思いますよ。

――犬飼さんとお話したいという方は、けっこうあちこちにいますよ(笑)

 そうですか。それはもう、僕にとってはありがたい話で、今日こうして質問されることもね、メディアに間違って出ていることを説明できるんで、すごくいい機会だと思っていたんですよ。ですから、僕の意見を直接聞いてくれる場があるならば、喜んで話をしたいと思っています。

――ぜひ実現していただきたいですね。そろそろ最後の質問になりますが、シーズン移行の問題というのは、例えば今後、会長が変わった後も、引き続き実現の方向に動いていくのでしょうか?

 もちろんそうです。代表もJリーグも、どうやったら一番うまくいくかということは、サッカー界の命題ですからね。何が何でも僕の時代に、みんなが納得しないのにごり押しして、ということは思わないけど、やらなきゃいけないという信念は変わりません。それは協会の中で統一していますよ。


<了>
宇都宮徹壱


何もわかっておらぬ犬飼元サッカー協会会長である。
自分のゴール(結論)に結びつける都合の良い情報ばかりを並べ立てておる。
雪の問題、日本のカレンダーの問題、練習場の問題、スタジアムへの足、放映権、etc...
ちょっと、考えただけでも解決が難しい問題が山ほど出てくる。
もっと熟考すれば、深刻な問題が出てくるであろう。
安易な考えは休むに似たりである。
この会長が再任しておったら、日本サッカー界は大打撃を受けておったであろう。
日本代表の不人気はこの会長が引き起こしたものと言っても過言では無かろう。
小倉日本サッカー協会会長には、難問を一つ一つ解決し、正しい道へ日本サッカーを導いて欲しいと願う。

マルキーニョス、全治2~3週間

2010年08月10日 | Weblog
マルキーニョス、肉離れで全治2~3週間…鹿島
 清水戦(7日)で右太ももを負傷した鹿島のFWマルキーニョスが9日、クラブハウスで治療を開始した。試合後の所見では右大腿(だいたい)二頭筋肉離れと診断され、当初は9日に精密検査を受ける予定だったが、悪化が見られないことなどから、精密検査を受けるかどうかの判断は10日以降に行うという。チームドクターは全治2~3週間を見込んでいる。
(2010年8月10日06時01分 スポーツ報知)

清水戦で負傷したマルキーニョスの容態であるが、全治2~3週間の見込みとのこと。
数ヶ月の大怪我も覚悟しただけに、少々安心した。
とはいえ、この期間は大黒柱を抜きの戦いを強いられる。
我等は耐えねばならぬ。
ここで、奮起を促すのは大迫とよよの二人であろう。
ここまでサブに甘んじておったが、他のクラブならば、不動のFWとなりうる逸材である。
ここで、マルキーニョスが安心して療養できるほどの活躍を望む。
大迫は慎三不在の穴を埋め、大きく成長しておる。
次はゴールの量産と言えよう。
よよは短い時間ながら、タスクをこなしておる。
決定力ならば、誰にも負けぬ。
この二人で、夏の連戦を乗り切りたい。
選手層は人数ではない、質であると声を高らかに宣言するのだ。
若きFW陣の活躍に期待する。