さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

習志野文化ホールで、オルガン三昧の本番終了!

2011-06-25 23:55:45 | ただの日記
所属オケの本番が無事終了!

いつも使っている地元のホールが改修で使えないことにはじまり、隣の隣の市のホールである習志野文化ホールを使うことになったが、震災でこのホールの天井が落ちたり、計画停電で練習場の確保にも苦労するとか、その他いろいろいろいろなことがあった演奏会だが、何とか開催にこぎつけ、結果大成功に終わることができた。

やはり、このホール・・・素晴らしい!

本番演奏中の響きというか空気というか、上手く表現できないのだが、その時このホールにいる人々全員の思いの結束したエネルギーといったらいいのか・・・わたしもここまで良質のものは滅多に感じたことがないものだった。(そうねぇ~本年2月にサントリーで第九を歌った時の、バリトンソロのあとの空気も似たようなものがあったが)そうしたエネルギーを全身に浴びると、それから後はすべてが上手く回りだす・・そういう種類のものだ。

プログラムにはなかったが、冒頭で東日本大震災の追悼演奏としてモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」をオルガン+弦楽合奏で演奏。私は合唱屋なのに、この曲を本番で歌ったことが無い。アメリカ留学時に、私がコンサートクワイヤーの練習ピアニスト(音取り)として使えるかどうか、指揮者の先生が判定するために、ピアノ伴奏を練習させられた課題曲だったな(晴れて使ってもらえたけど)・・などということを30年ぶりに思い出した。合唱のない弦楽合奏だと華やかさはなくなるが、それだけしんみりして押し殺したような感情が表現できるし、会場の全員が心の中で自然に歌うだろう。初めてのホールでの演奏の出だしとしては大変よかったと思った。

さて、プログラムの最初の曲は、バーバー作曲の「オルガンとオーケストラのための 『トッカータ・フェスティーバ』作品36」。省略して「祝典トッカータ」。バーバーの作品って、私はいままで「弦楽のためのアダージョ」しか知らなかったのだが、「弦楽のためのアダージョ」と同じ作曲家とは思えないほど超過激な曲。私も練習を始めたばかりのころは「???」の連続で、非常に難解だし、拍子がコロコロ変わるのでものすごく難しかった。ただ、オルガンソロと一緒に練習できるようになって始めてこの曲の良さがだんだん分かってきた。難解な曲の中に、何箇所かとても分かりやすいサビっぽいフレーズがあり、ちょっと西部劇みたいだなぁなどと思っていたら、バーバーってアメリカの作曲家でしかも1981年1月23日(何と私がアメリカに行く半年前だ)までご存命だった方だということを恥ずかしながら今回初めて知った次第。

で、「祝典トッカータ」の本番は、練習中に一度も経験したことがないような、素晴らしい出来になった。弾きながら・・すげぇ~カッコイイ・・と思ってしまった。例の西部劇みたいなところ・・・いいでしょ、いいでしょ・・ってたたみかけるような感じで。オルガンの長~いカデンツァは、実は足だけで演奏しているのだった。ゲネプロの時は知らなくて、今日知らされてビックリ。本番の時あらためてカデンツァに聞き惚れた。細かい音や和音進行も多いのに、足で全部弾いてるなんて信じられない。手はストップレバーの操作だけ。すご~い。ということで、足だけで弾いているということは客席のみなさまにもちゃんと伝わったようで、1曲目からブラボーの声がなり響く名演になった。

2曲目は、レスピーギの交響詩「ローマの噴水」。この曲に対する思い入れは、以前も当ブログに書いたことがあるのでご参照。
http://blog.goo.ne.jp/y-saburin99/e/373bc4e325a6c06273558f92c107f28f
トレビの泉のところのダイナミックな描写でパイプオルガンが活躍する。動と静、澄み切った透明な水と躍動的に撥ねる水、夜明けと黄昏・・・などさまざまな表情が絵画のように描写されたこの曲は、この響くホールで演奏すると、表情も増幅して聞こえるようだ。躍動的なところは当然ながら、静かな部分の木管の美しさがよく表現できていたのではないかと思う。

休憩を挟んでメインのサン・サーンスの「交響曲第3番(オルガン付)」。学生時代、弟がこの曲をよく聴いていて、私の部屋にもよく音が流れて来ていたのだが、その時がまさか自分がこれをオケで練習できる日が来るなんて思いもしなかったな。私は映画「ベイブ」とかにも使われている2楽章後半のオルガンが鳴り響く部分も好きだけど、1楽章の出だしの刻みの部分が好きで、特にバイオリンが刻んでいる時に木管が低音でメランコリックなメロディーを奏でるところが大好きなのだ。もし私がフィギュアスケーターだったらペアで踊りたいと思う部分なのだけれど、本番で演奏しながら、結構乗っている感じが味わえて嬉しかった。やはり、このホールで出来て良かったと、後半しみじみと思った。オルガンに混じって細かいピアノの入ってくる部分が、今までの苦労とか心のおりを洗い流してくれるようで、大変気分よく終えることが出来た。

アンコールはオネゲルの「交響詩『夏の牧歌』」 。普通アンコールはノリのよい曲が多いが、今回はサン・サーンスで炎のように燃え上がった心をクールダウンさせて落ち着いた気分で帰れるようにという趣向で、すがすがしい牧歌的な曲が選曲された。中間部の民族舞曲風で明るい部分は、練習の時も苦労したけれど、なかなか魅力的に可愛らしく演奏できたのではないかと思う。

☆ ☆ ☆

今回マエストロは、昨年のドイツ公演でもお世話になった先生。定演の本番でお世話になるのは初めてだったけど、この方とずっと2人3脚のようにして作り上げてきた音楽が本番で見事に花開いて本当に良かったと思う。奥様にも2ndバイオリンに加わっていただき、前半は隣で弾かせていただいて大変嬉しかった。本番後の打ち上げでも、たくさんお話できて良かったな。
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