さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

臭い王様と、金中毒の愛妾と

2011-03-08 00:02:53 | 読書録
(【読書録】そーなんだ!歴史編3)

「そーなんだ!歴史編」のレベルが高いので、バックナンバーを買って楽しんでいるが、3巻目に「ヘンな王様大集合」というのが出てくる。筆頭格がアンリ4世。

カトリックとプロテスタントとの国内融和に努め、40年近くにわたる戦争を終結させたフランスの偉大な王。実は非常にニンニク臭かったということは以前「王妃マルゴ」という映画を見て知ってはいたのだが、さらに加えて大小便臭かったとは。

当時はトイレが普及しておらず、おまるで用を足すのが普通だったから、トイレに行く習慣がなかったのは仕方ないとしても、まさか垂れ流しだったとは。彼はパリの環境改善のため「家の窓から糞尿を夜であっても投げ捨てない」という法律を制定したはずだが、自分の習慣は変えなかったのか、そもそも垂れ流しだったから投げ捨てる必要がなかったのか、とにかく幻滅モノである。

王妃のマルグリットは全身に香水をかけて鼻を麻痺させてからでないと夫に近づけなかったらしいが、そんな臭い王様なのに、このアンリ4世は王妃以外に54人もの女性と付き合い、分かっているだけでも24人の子供がいたとか。

アンリ4世は臭さを差っ引いても余りあるほどの魅力の持ち主だったということなのだろうか。それとも女は権力の前には、臭さをものともせずに寄っていくものなのか?

☆ ☆ ☆

このネタを書こうと思っていたら、ちょうど日曜日の日経にアンリ4世の頭部のミイラの発見にまつわる話が載っていた。狂信的なカトリック信者によって暗殺されたアンリ4世の遺体はフランス革命児に掘り返され、頭部が切断された。その首は骨董屋で売買されたこともあったそうだが、2008年に頭部の持ち主からの匿名の依頼により分析が始まり、昨年12月に「99.9%以上の確率でアンリ4世の頭部に間違いない」という結論が下されたのだ。

その記事を見て、私は思わず「臭かった?」とつぶやきそうになったが、そりゃミイラ化してるんだから、別の意味で臭かったろうよ。

☆ ☆ ☆

ところで、「そーなんだ!」から離れて、日経の記事に書いてあったことでショックなことが一つあった。それはアンリ4世よりも4代前(30~40年前)の王であるアンリ2世の愛妾であったディアヌ・ド・ポワティエが金中毒であったということだ。彼女の遺骨からは通常の500倍の金が検出されたとか。ディアーヌは60代でも30代にしか見えなかったそうだが、アンリ2世は若い王妃カトリーヌ・ド・メディシスには目もくれずにディアーヌにばかり肩入れしていたようである。

2003年にフランスを旅行した際、私はロワールのシュノンソー城内でまさに息を呑むような美しさを誇るディアーヌの肖像画を見た。当時38歳であった私は、ディアーヌが20歳も年下のアンリ2世に見初められたのが38歳の頃であったことを知り、俄然やる気を出したものである。だが彼女の白く美しい姿こそが金中毒の特徴を表していたと知り、今はやるせない気分でいっぱいだ。金中毒になると、肌は白くなるそうだからな。アンリ2世に先立たれた後、彼女はカトリーヌ・ド・メディシスによる冷たい仕打ちを受け、寂しく死ぬが、直接の死因は中毒死だったようである。

・・・ということで、・・・・

外見を磨いて死ぬよりは、臭くてもモテる方法を考えようぜ!
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2 コメント

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ハイヒールは (あづまもぐら)
2011-03-09 00:48:41
糞を踏まぬ為に出来たと何かで読んだ事があります。
同じ頃の日本は、世界一清潔であったとも。
金中毒、きん中毒は初めて知りました。かね中毒は沢山知っています。
Unknown (さぶりん)
2011-03-10 02:03:29
あづまもぐらさん、こんばんは!

糞を踏まないようにという目的だと、ハイヒールのままではつま先に糞がついてしまうような気がします。ぬかるみを歩くために使われていた靴の上から履く高下駄ようなものなら安心でしょうが、何か転んでしまいそうですね。あぁ~そんな汚い道路で転んだら大変ですね。

ディアーヌの金中毒は、塩化金をジエチルエーテルに溶かした「金のエリクサー」と呼ばれる黄色い液体を美容のためと信じて呑んでいたそうです。色んなサプリを飲む習慣のある私、決して彼女を笑えません。

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