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さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

「オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム」〜シーズン4(52〜56)を見て

2022-02-18 22:53:22 | ドラマ鑑賞

今週は、ムスタファ皇子の死にショックを受けたジハンギル皇子まであの世に行ってしまった。

敬愛する異母兄の死を防げなかったショックもあり、持病が悪化したのかもしれない。とにかく大変な苦しみようで、最後はアヘンチンキを許容量以上飲むことで、眠るように逝った。

一方、ムスタファの刑死に怒る民たちは暴動を起こし、トプカプ宮殿に至り、リュステムとヒュッレム妃の引き渡しを要求する。皇帝代理を務めるバヤジットは暴徒の前へ自ら進み出て大演説を行い、民は納得して引き下がった。初めてバヤジットをカッコイイと思った瞬間であった。バヤジット役の人、なんかとんがりすぎていて、ギラギラしすぎていて、あまり好きじゃなかったのよね。でもこういうシーンにはぴったりだなぁ。なんとなく、北大路欣也さんの若い頃に雰囲気似てるかもしれないね。

セリムはムスタファの刑死にはあまり責任がない。スレイマンの命令で、Xデーにジハンギルを狩りに連れ出したぐらいで、ここまで深刻な事態に陥ると思っていなかった節がある。ムスタファの刑死→ジハンギルの病死の一連の流れを見たセリムは「生き残るためには、目立つことをしてはならない」という教訓を得たらしい。それはある意味、6割方正しいかもしれない。だがそれでは人気は得られないだろうな。彼が後年、怠け者で暗愚だという印象を持たれてしまったのだから。

ジハンギルの棺の左右に並んで、運んでいるバヤジットとセリム。ジハンギルの死に同じように泣いている。タイプは違うが魅力的なこの2人の若者が、一瞬でも同じ思いを共有している美しいシーンであるが、その直後に、2人はジハンギルの棺の前で喧嘩を始めてしまう。このドラマの制作者はきっとセリムびいきなんだろうと思うが、いつもカチンとくる言葉を先に言って、喧嘩の切っ掛けを作ってしまうのはバヤジットの方なのである。

ところで、このドラマを見て不思議に思うのは、2人の兄のメフメトの死のことをみんな忘れてるんじゃないかと思うこと。兄弟を2人続けて亡くしたことをみな嘆いているが、その前にメフメトも死んでいるわけで・・それに言及する人が誰もいなくて・・・

それに、このドラマの創作ではあるんだが、そのメフメトは、ムスタファの母であるマヒデブラン妃による陰謀で病死しているわけだ。マヒデブランはムスタファの死を自分の罪の報いだとは考えないわけだな。ヒュッレムを声高に非難するファトマ皇女だって、前夫を殺したようなものだし(わざと興奮させ、心臓発作を起こさせた)。

何はともあれ、ムスタファとジハンギルの死は新たな火種を生んだ一方、スレイマンの心も蝕んだ。スレイマンを診る2人の医師のうち若い方の1人が不思議なことを言う人で、とても説得力があるのだが、スレイマンにイエスの物語を聞かせる。「葬式に行かせてくださいと頼む弟子に対し、葬儀は死者に任せ、あなたは私と共にいなさい」と言った後、一呼吸置いて、「治療をさせてください」と言う。スレイマンは穴蔵のような洞窟のような暗い場所に入って、蝋燭の火の前で祈ったり瞑想したり・・・それが治療になるのかどうかもわからないが、スレイマンは棺の前で喧嘩するセリムとバヤジトや、宮殿に押し寄せる暴徒も見ることもなく、自分の世界に入って行った。

イスラム教の世界でも、聖書は聖典の一つだから、イエスの話しが出てきてもおかしくはないのだが、ミッションスクールに行ってた私も、聖書のその箇所が礼拝で採り上げられたのは一度しか記憶がない。中高生対象の礼拝ではあまり引用されない箇所だと思うが、葬式より大事なことがある・・という意味なのかなぁ。痛風も再発したらしいスレイマンは多分治療が待ったなしだったんだろう。

気になるのは、ムスタファの遺児のメフメト。死んだ弟の名をあえてつけたその子はとっても可愛い。が、陰謀で母親と引き離されたメフメトは一体どうなっちゃうんだろう。とっても心配。

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