ルクレツィア・ボルジア…ジョーン・サザーランド(ソプラノ)
ジェンナーロ…アルフレード・クラウス(テノール)
マッフィオ・オルシーニ…アン・ハウエルズ(アルト)
フェラーラ公アルフォンソ・デステ…スタッフォード・ディーン(バス)
コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団・コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
リチャード・ボニング(指揮)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ルクレツィア・ボルジアって、もっとか弱い女性を想像してた。兄チェーザレに翻弄され、愛する夫・アルフォンソ・ダラゴーナは殺され、政略結婚の道具としていろんな人と結婚させられる可哀想な女性・・・私はそういうイメージを持っていたが、このオペラに書かれているルクレツィアは残酷かつ浅はかだ。彼女の夫となった人物にアルフォンソは2人いるが、本オペラに出てくるのは、後に結婚したアルフォンソ・デステの方。
ウィキペディアを見ると、アルフォンソ・デステとルクレツィアの間にはたくさんの子供が生まれ、ボルジア家の没落とは裏腹にルクレツィアは高い評価を受け続け、尊敬されていた・・風に書かれていたが、このオペラでは真逆。夫婦の間に愛があるとは思えず、ルクレツィアはいろんな人を死に追いやったせいで嫌われている。まぁ、オペラに史実を求めても裏切られるのが常であるが・・・。
そういう単純ではないルクレツィアという設定なら、サザーランドはよく演じていると言える。ルクレツィアの息子ジェンナーロ役のアルフレード・クラウスの輝かしい声はとても良いと思った。
アルトがズボン役で出てきて、ここまで歌いっぱなしのオペラをあまり知らないが、アン・ハウエルスはとても頑張っていたと思う。
登場人物の衣装がとても凝っていて素晴らしい。
・・・・・・・・
コロナ禍でオペラに疲れてしまって、しばらく見れなかったが、ようやく復調してきて、今年は4本見た。来年はもっと本数を増やせるといいな。