さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

浜松市楽器博物館~その3:管楽器編~

2016-12-27 23:05:49 | 鳴るほど・ザ・楽器遍歴
みなさま、この楽器は何だと思われますか?

フルートみたいだけど、立ってる・・・そう、これは尺八の一種なのです。

尺八というのは、構造がケーナとほぼ同じですが、実はリコーダーにも似ています。リコーダーの吹き口を取って、自分の口で、あの斜めになった部分に平行に息を吹き込んでやれば、尺八と同じ原理になるのです。

逆に、一般的な尺八は、前に4個、後ろに1個しか穴がありませんが、もっと穴をあければリコーダーみたいになります。

そして、穴をふさぎやすいようにレバーなんかを取り付ければ・・・まぁ、そういう発想で作られた楽器ですね。

尺八を独学でやろうとしていたころ、白黒写真で見たこの楽器が忘れられず、いつか吹いてみたいと思っていましたが、いつのまにか忘れていました。

それを、こんなところで思いがけず、実物と巡り合えるなんて、感激至極! 

そして、その名はオークラウロ。大倉さんの作った尺八ですね。

実物を目の当たりにすると、あまりにフルートに似すぎてます。この楽器を尺八の知識なく見た人間は、この楽器を習うよりはフルートを・・と思ってしまうのではないでしょうか。ただ、ウィキペディアなどを見ると、最近復活の動きもあるようです。そうですね・・最近の子供たちは音楽の授業で和楽器をなにかやるみたいですから、尺八をちょっとでもかじった人は、吹いてみたいと思うんじゃないでしょうか。

ちょっと前置きが長くなりましたが、先日の浜松の楽器博物館・・・管楽器にスポットを当てて見てみたいと思います。


無理やり尺八から飛んでみますが、韓国のテーグム・・こっちは横笛ですが・・尺八のような音色です。

韓国の楽器ってわかりにくいですね。同じ楽器でもカヤグム(伽倻琴)やヘーグム(奚琴)のグムは琴です。でもテーグム(大笒)のグムは笒なんですね。「笒」って、日本ではあまり使われない漢字ですが、笛を表す字のようです。


去年の今頃の時期、セルパンの生演奏を聴いたのでした。イヤホンガイド内の演奏を聴いてもやっぱり優しくていい音ですね。合唱の低音部を支えた楽器と言われるだけあります。セルパンっていうのはフランス語で「蛇」っていう意味です。


で、これがそのセルパンを改良したという、ラッシャン・バスーンという楽器なのですが・・・あの・・そこだけ蛇にする?


わぁ~コルネットなのに、めっちゃホルンやんけ!


これはアドルフ・サックスの作ったテナー・トロンボーン(テナー・バルブ・トロンボーン)。へ? トロンボーンなのにピストンあるんだ・・・しかも6つも。

めっちゃ吹けそうな錯覚に囚われますね・・。でも、ピストン操作はトランペットと同じではないみたい。一般的なスライド式トロンボーンはU字形の管を7箇所の位置に伸ばして音程を調節するようにできていますが、それをピストンで7本の長さの管を切り替える形で実現しようとしたみたい。6つのピストンに何も押さえない場合を加えて7種類の管を制御できるんですね。逆にいうと、一本ずつしか鳴らないので重音は吹けないことになります。


やはりテナー・バルブ・トロンボーンで、こんなのもあるんですが・・・・。なんだかとっても場所取りますね。


これは、ダブルベル・ユーフォニウムで・・・あ~なんかすごい重そう。


次は、ちっちゃいの行きましょうか。これはポストホルン。18~19世紀頃のヨーロッパで郵便馬車がその出発到着を知らせるために鳴らしていたものですが、さらにさかのぼると、新鮮な肉の到着を知らせるため、ホルンを吹きながら村々を回った肉屋に、人々が郵便物を託すようになったのが起源とも言われるとか。郵便とお肉とホルン・・この3つが結びつくとは思いませんでした。


これはモンゴルのエベル・ブレーという楽器。まるでクラリネットをひん曲げたような形状に衝撃を受けました。

何でわざわざひん曲げんの? ・・・と思いましたが、もともとは角笛だそうで。シングルリードの楽器になってますが、発想的にはホルンに似てるのかしら。


やはりモンゴルの楽器でドゥンカルというもの。ふふふ、私この楽器持ってるんですよ。インドで買ったんですけどね・・おならみたいな音しかならないから、おなら貝とか言って笑ってたんですけど・・まさか博物館にあるとは。

楽器博物館にはモンゴルの楽器が結構ありましたが、あきらかに中国の四胡と同じものもあれば、インドと同じドゥンカル、クラリネットみたいなエベル・ブレーもある・・となると、大陸内のさまざまな地域から影響を受けていたのだなぁと思いますね。モンゴルといえば馬頭琴しか思い浮かばなかった私は、ちょっと世界が広がった思いです。


これ(カンリン)なんかは同じモンゴルでもチベットの楽器と同じですね。人間の大腿骨から作られた楽器です。


こっちはチベットと書かれています。ガニランと表示されてますが、サイト検索で調べるとチベットの方もカンリンと呼ばれているようで。。

人間の骨の笛は澄み切った音がする・・というのをどっかで聞いたことがあるんですが、イヤホンガイドで聴く限り、ちょっと蚊の羽音のようなはっきりしない音だったのでがっかりしました。


このアステカの土笛は素朴ですね。猛烈に原始的なオカリナみたいな感じで。。


と、無理やりオカリナにつなげましたが、オカリナの世界にもストラディヴァリウスと評される楽器があるんですね。


最後にこれ。パプアニューギニアの竹笛ですが、男子の成人儀礼に使うため、女性は子供には秘密にされるものらしいです。

ちょっと悲しいですね。アボリジニのディジュリドゥなんかも、本来は女性が吹いてはいけない笛でした。今の日本に、女性が鳴らしてはいけない楽器はないはずですので、こういう時は日本人でよかったと思いますね。

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