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FOURPLAY / Heartfelt

2009年07月09日 23時45分51秒 | JAZZ-Fusion
 2月にヘッズアップに移籍しての新作「エナジー」を取り上げたのがきっかけで、ここ数ヶ月くらいウォークマンでフォープレイを聴くことが実に多い。フォープレイというとやはりリトナーの居た初期の数枚が印象深く、ラリー・カールトンにギターをスウィッチして以降の作品は、メンバーの老練なテクニックに裏打ちされた上質なサウンドではあるものの、ちと下世話な色気のようなもがなくなってしまい、あまりに透明に脱色され過ぎたところがないでもなかった。「Bali Run」だとか「Chant」のような名曲に出会えたような記憶もなかったし、そろそろそれぞれのアルバムが、一体どれがどれで、発売順はどうなのか分からなくなってきたので(笑)、ここRCA以降の作品をウォークマンに入れて、移動中などに聴いてみたという訳である。本作はワーナーからRCA系のブルーバードに移籍第一作で2002年の作品で、しばらく前に取り上げた「ジャーニー」の前作に当たるアルバムでもあるが、今夜はこのアルバムのことをちらっと書いてみたい。

 て、このアルバムで一番印象的なのはなんといっても1曲目「Galaxia」だ。打ち込み大好きなボブ・ジェームスが仕切ったに違いないアンビエント・ハウス的な作品で、アコピとパッド系のうっすらしたシンセがひんやりとしたムードを醸しだし、そこに打ち込みのチャカポコと合わさったネーザン・イーストとハーヴィ・メイソンのゴリっとしたリズムが絡むあたりがまずはおもしろいし、中盤から後半にかけて、イースト、お得意のスキャット・ボーカルに導かれて、ちょいとロック的にギラギラしたギターが登場するあたりの流れはなかなかのカッコ良さ、「もう還暦も越えてるというのに、このオッサン連中、なかなかやるじゃねーか」という感じ。私はもともとボブ・ジェームスのこういう作品が大好きなのだが、この作品はそれにプラスして、フォープレイとしてバンドの良さが出ているのがいい。フォープレイらしい名曲というには、ちと躊躇してしまうところがあるが、とにかく、ウォークマンに入れたフォープレイの作品として一番聴いたものだと思う。

 まぁ、一曲目にこうした作品を配したせいもあるが、このアルバム全体にテクノ色が強いと思う。アンビエント・ハウス的な作品としては他に、バラード風な6曲目のタイトル・チューン、いかにもなテクノビートにカールトンのブルージーなギターが絡む8曲目の「Cafe L'Amour」とか、プチプチ・サウンドとスカスカなリズムに80年代風なフュージョンを合体させた11曲目「Karma」あたりも、そうした色彩が濃厚だ。あと、エレピがキャッチーな2曲目の「That's the Time」もそうした部類かもしれない。ともあれ、このアルバムをテクノっぽくしてしまった反動か、次の「ジャーニー」はけっこうナチュラルな仕上がりになり、以降、フォープレイはこのサイクルでアルバムを作っているようなところがないでもないと思う。「ボブ・ジェームスの仕切ったアルバム」→「バンドで作るアルバム」というサイクルと、言い換えてもいいかもしれないが....。ともあれ、このアルバムを聴いて、改めて以上のようなことを感じた次第。
コメント
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