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フォープレイ/エナジー

2009年02月18日 23時13分14秒 | JAZZ-Fusion
 またまたレーベルを移籍したフォープレイ、今度はヘッズアップというコンコード・レーベルの傘下にある新興レーベルに移ったようで、昨年後半に出た本作はそのレーベルかから第一作となる。結局、RCAのブルーバード(これも新興レーベルだったはず)には、「ハートフェルト」「ジャーニー」「X (ten)」しか残さなかったことになるが、当初の彼らといえばワーナー・レーベルを代表するスーパー・グループで、かつ文句なしに売れ筋のアーティストだった訳でもあるんだけど、アルバムを重ねるにつれセールスでも落ちているのだろうか、ワーナーからどんどんマイナーなレーベルに都落ちしているような気がするのだが(そういえば、ボブ・ジェームスもいつの間にかKochレーベルに移っているし)、なんか他に理由でもあるのだろうか?。

 ともあれ、本作も早いもので通算11作目、ラリー・カールトンが入ってからも7作目になるが、この新作もよく言えば不変の金太郎飴的なフォープレイ・サウンド、悪く云うと取り立てて新味のないワンパターンの音である。あえて本作の特徴を探しだすとすれば、今回は「ハートフェルト」や「X」にけっこう色濃く感じられた打ち込みを含むエレクトリックなサウンドをやる順番ではなく、「イエス、プリーズ!」とか「ジャーニー」あたりと共通するような、比較的ナチュラルでアコスティックなサウンドをやる回に当たっていたのかもしれない(考えてみると、調度交互にやっているように思うのだが、どうだろう?)。ともあれ、今回はアルバム全編を通じて、なだらかでナチュラルなサウンドが特徴になっていて、あまりハウス風のリズムだの、アンビエント風なサウンドはあまり出てこないのが特徴といえるかもしれない。
 あと、これはメンバーの年齢のせいもあるのだろうが、ますます枯れた音になってしまっている。いや、もちろんフォープレイらしいセンスの良さ、その洗練度は相変わらず他に追従を許さない、ある種孤高な佇まいすら感じるほどなのだが、今ひとつキャッチーなリフのある曲だとか、心の琴線に触れてくるようなメロディックな曲などがどうも見あたらないので(このあたりはボブ・ジェームスのソロも全く同じような趣である、当然かもしれないけれど)、アルバム全体の印象としては、いつもフォープレイの音は聞こえてくるけれど、全体に妙に平均化された、希薄なものにしてしまっているような気がする。

 もちろん、「そもそもそういう音楽をやるのがフォープレイなんだよ」というならば、確かにそうには違いないだろう。多分、本作をBGMとして何気なく車や部屋の中に流しておければ、回りの空気や雰囲気が一瞬にしてワングレード上がるに違いない。そういう音楽的な効能というか機能性みたいな点からいえば、フォープレイの音楽は確かにこれでいいのかもしれないけれど、それにしてもここまで来ると、極端に抽象化されたジャズ的なボキャブラリを使ったアンビエント・ミュージックみたいな気すらしてしまったりするのだが....。
 ちなみにお約束のゲスト・ボーカルだが、今回はエスペランザとヒラリー・ジェームス、あと気がついたところでは、「ルックス・ボーズ・ウェイズ」の途中でアップテンポな4ビートのピアノ・トリオになってみたり、「セバスチャン」では、なんだかジャック・ルーシェみたいなクラシカルさを見せたりするあたり、まぁ、どちらもお遊びなんだろうけれど、けっこうおもしろかった、もう少しあざとくやればよかったのに(笑)。
コメント (2)
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