ドイツ・マンハイム州立音楽大学学長のルドルフ・マイスター氏から直接ピアノの指導を受ける「ピアノ音楽合宿」が今年も3月12日から15日まで魚沼市小出郷文化会館で行なわれた。
マイスター氏は、ハンブルグ、ウイーン、ニューヨークに学び、26歳で同大のピアノ科教授に抜擢、34歳で学長に就任。マスタークラスではドイツ、オーストリア、ポーランド、日本やニューヨークのジュリアード音楽学校で教えている。
1996年から毎年同館で行われているレッスンには、熱意ある指導を慕って全国からピアノを専門に学ぶ人たちが集まっており、受講者からはピアノの国際コンクール優勝者を輩出している。
昨年から有志による実行委員会が主催して開催しており、19年目となる今回は県内外から16人が受講した。
レッスン3日目の14日は将来コンサート・ピアニストを目指している人や、すでに演奏活動を行なっている人を対象としたマスタークラスAなどのレッスンが終日行なわれ、ヨーロッパの名器、スタインウェイとベヒシュタインの2台のピアノが並んだ大ホールのステージではマイスター氏が実際に弾いたり、通訳を通して指導を行い、受講者は真剣な面持ちでピアノに向い、ヨーロッパ音楽の本流の演奏を学んでいた。
マイスター氏は気さくな人柄で知られ、論理的な説明と分かりやすい指導から、継続して受講する人が多く、受講者の約8割はリピーター。埼玉県在住のピアノ教師、浜田優子さんは「粘り強く教えてくださるマイスター先生のレッスンを受けたくて毎年受講しています。ホールもピアノも最高で、ここで弾けるだけでも幸せ」と話していた。
14日にはシューベルトとブラームスをテーマとした公開講座を開くとともに演奏も披露したマイスター氏は「作曲家と曲について知ることで、人として色々なことを学ぶことができ、音楽が個人を成長させてくれる。音楽に触れることで若い人たちが育ってくれればうれしい」と語っていた。