黎明の廃人日記

最近はやや更新が途切れがち、斜めに流し読み。
貴方にも私にも人生の役には立ちません。

順番が前後しますが

2015年06月29日 06時35分52秒 | Weblog
6月29日分。

 毎度。ここ最近の状況から、本当は28日分の更新が先になるのですが、まあネタにしておきたい事柄の日付が29日なので、順番をひっくり返して29日分を先に更新します。幽霊です。一応、バックデートで更新している場合でも、ある程度ネタ元にする話は日付を意識するようにはしているのです……。たまに忘れてますが。
 なお、今日の分もまた長文です。


 ともあれ、本日の拾い物ネタは、「ギリシャ国民投票実施で、予想される政局シナリオ」といった話から。うちのブログにしては珍しく、非常にメジャな話題を持ってきます。

 前々からギリシャに関しては、諸外国やユーロ連合圏からの支援等を受けたりしつつも、国内経済の思わしくなさから危ないのではないか……という話は出ていたわけなのですけれども。今日に日本国内の株価も一気に売りが行ったように、状況的に見てほぼほぼデフォルト確定に近い流れに定まりつつあるのではないか、というニュースが今日飛び交いましたね。
 コレに関しては、各所ニュースにて報じられていますが、要は、EU(欧州連合)が「しょーがねーから金貸してやるけど、経済立て直しの方策はこっちである程度決めっから。コレ交換条件ってやつな」と言ってやってきていたものを、ギリシャが「やだーやだー絶対やだー」とダダコネまくった結果、「いつまで嫌いや言ってんだゴルァ。さすがにもう時すでに時間切れだぞ?」という状況に陥ったという話ですね。
 まあもうちょっと言えば、ギリシャは嫌じゃ嫌じゃとダダをこねつつ、一方で自国内の国民の意志を問う国民投票をやると宣言。ついでに、その自国民に対しては「EUの支援条件に反対しろ、立てよ国民!」とやらかしたわけで、そりゃまあEUとしてみれば助けてやるつもりが、全くギリシャに反省の色なしで改める気も無さそうと思いますわな。その辺の期限が6月末、すなわち明日(6/30)であり、あと一日でコレが改まるとも思えない状況ですから、デフォルトほぼ確定の詰みじゃね? ということで、諸外国にも「あーこらアカンわ」の空気が流れて、株の売りに流れたと。
 金貸してるのはEUだけじゃないわけで、他に対してもほぼ似たような条件で金を借りている筈ですから、そっちにも総スカン喰らうだろうなぁコレ。というか、デフォルトになった時点で、そっちへ返せる金も消えてしまうわけですからね。

 そも、「デフォルト(債務不履行)」って何ぞ? という話なのですけれども。
 まず一個人の規模に一旦落とし込んで考えると、まあ要は「自己破産」というやつです。借りた金を返しきれなくなって、「もう駄目だぁお終いだぁ」となってしまうと、「もうお金返せませんギブアップします」ということで、自己破産となります。破産すると、まあ結果的に借金はチャラになるんですが、その大いなる代償として、その後その人への経済的・社会的信用は全て失われることになります。お金貸してもらえなくなりますね、公的金融機関とかからは。
 じゃあ、国が破産すると、どうなるか? 個人に落とし込んだ考え方と同じで、国としての借金はチャラになりますが、国際的な信用の全てを失うことになります。ここで一つマズイのが、国としての国際的な信用を失うということは、その国の「通貨」も信用を全て失うということであり、対外的な通貨レートが暴落というか、実質的にただの紙切れになります。まあ日本の通貨で表現するならば、現状の1ドル=120円近辺なのが、1ドル=1億円とか、そんな感じにまで腐る、と。
 国内経済は、当然ながら壮絶なことになりますね。輸入品を一切買えないような状態になりますし、自国内の品物にしても恐ろしいほどのハイパーインフレを起こします。もやし一袋買うのにすら、さて何百枚の紙幣を積まないと買えないんでしょうかねーと、そんな具合。まあまさにあれです、「死ぬがよい」ってところ。
 ……で、今回のギリシャは、まさにこのデフォルト待ったなしになっていると。ところがどっこい、ギリシャの態度は対外的に見て「でもそんなの関係ねぇ!」ってやってるようにしか見えない。国際社会からは、「ふざけんなよてめぇ……(激おこマジキチ丸)」状態ですな。いやまあ、冗談ではなくホントにマズイんですけれども。

 しかしまあ、なーんでギリシャ、こんなに経済がアレなんだろうなぁ……。ざっくりウィキを眺める範囲でしか調べていませんが、とりあえずギリシャの主要産業というのは、大よそ三分野が主力になっているようです。
 まず、第一次産業として地中海性気候を活かした農業分野(オリーブ・綿・葉タバコ、いずれもEU内では結構上位)が強いようですが、但し主食となる小麦が国内需要量を自力生産しきれず輸入に頼る必要があるらしい。また、漁業収入もあるようで、これまたEU内での取れ高は第三位だそうな。
 次いで、第二次産業は鉱業(亜炭、褐炭、マグネシウム、鉄、ニッケル、ボーキサイト、原油、天然ガス、石材)と工業(オリーブ油などの食品加工業や綿を中心にした繊維業などが盛ん。造船業、製鉄、石油化学工業)。なお、()内はウィキペディアから拾っていますが、これは一次産業の方も同様です。
 第三次産業については、まあギリシャですから、遺跡や風光明媚な土地柄を生かしての観光という産業も当然ながらお金にはなっている、と。ただ、観光だけで食っていける国というのは無いわけでして、それはまあ日本だってそうですし、ある意味似たような状況になっているのは、沖縄とかもそうなのかもしれませんが。
 ギリシャの経済の中で特筆されるのが、その公務員雇用による仕事の極端な多さです。どうも伝統的に失業率が高いようなのですが、それを拾い上げるためなのか、公務員が総人口の約10%、全労働人口の25%を占めているとか。つまり、労働人口の1/4が公務員。……ん? おかしいな、上で一次産業から三次産業まで並べてみて、一応それぞれに盛んな物はある筈なんだが……? そして高い失業率、と来たもんだ。
 この辺はあくまで憶測にしかなりませんが、現代社会において、観光と農業漁業だけで食っていける国は実質的にありません。どうしても主要な工業的収入が必要で、日本も結局はそこで高度経済発展を遂げてきた経緯があります。が、ギリシャの内訳を見るに、特に電子機械分野での技術工業レベルがあまり高くない。つまり、付加価値の高い産業が無い、のだと思われます。そして高い失業率が加わって、公務員が多すぎる。つまりまあ……飼い殺しみたいなもんか。
 プラス、そういった状況の割に、年金の支給額が高すぎる。まあこれもウィキに指摘されていることではありますが、「身の丈に合わない」社会保障を続けたせいで、ジリ貧どころか今やデフォルト間際に追いやられているというわけです。うーん……立て直せってのも、難しそうだけど。

 地味に、ギリシャの話は日本も他人事ではないのですよね。既に社会保障費・高齢者医療費の国家負担がかなり大きな割合を占めるようになっており、日本もまた「身の丈に合わない社会保障」になってしまっています。ギリシャほど極端ではないにせよ、ハッキリ言ってそこを削る方向へ持って行かない限り、他の部分を歳出削減しても追い付きません。
 これ以上現役世代への負担を強いれば、まあ「一時的に」年金などの財政は耐えるかもしれませんが、現役世代に負荷がかかり過ぎて、国外への資産流出を加速させるか、現役世代からの「不払い」の流れが一気に強まることになるでしょうね。悪意を込めた極論をすれば、「姥捨て山政策」でも出したいところでしょうが……ま、現代の法治国家としてはそうもいかないでしょう。
 ただ、姥捨て山をしないのであれば、賄える範囲でやるしかない。これも悪意を込めつつハッキリ言いますが、高齢者は老い先短く生産性も持ちませんが、これから先がまだある現役世代や、これから働き手・国家の担い手になっていく若年層世代にこそお金は配分するべきです。今は高齢者層に国のカネが行き過ぎていて、下の世代が吸い上げられるばかり。これは、ギリシャを嘲笑ってもいられませんなぁ……と、ゲス顔をして脅かしておきましょうか。
 まあ、年寄すべてががめつい、得をしていると言っているわけではありません。高齢者にもかなり格差があり、「なぜ日本の高齢者はこんなに貧困なのか」といった話が出てくるような状況もある。結局は、金が本来行っていることが望ましいところに回っておらず、既に持っている人たちのところへ更に集まる、という状態になっているのでしょうね。

 ……話が逸れましたが。ギリシャの話に関しては、恐らく大筋において「銀行休業、預金封鎖、預金税関係のまとめ」の通りになるんじゃないかなぁ、とは思っています。
 まあ実は、調べてみたら、過去に日本も預金封鎖→実質的な預金税で国民から金を巻き上げる、という方策はやったことがあったようですね。しかも、こっちは国民投票やら民意の反映は一切なかった模様ですが。どっこい、これまたギリシャは古代の時代から似たようなことをやっていたらしいのですねー。自国の歴史であるだけに、ギリシャ国民もその辺は敏感なんじゃないかなぁ?
 さて、後の問題は……期限の話ということになりますね。国民投票は7/5で、一方借金の期限は6/30です。この間の日数の開きを、どんな形でつなぐのか? 恐らくデフォルトにされてしまうと金を貸している側も困りますから、何かしらの形で破綻をとりあえず避ける、というようにはすると思うのですけれども。明日明後日辺りのニュースを、少し意識して眺めておくことにしましょうかね。

 ではでは。ひゅう、どろん。

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