麦畑の麦穂がのびてきました。 子どもの頃はよく麦畑でかくれんぼしたものです。 昔は畝を高く上げて麦を植えていたので、子どもの体ならかがむと隠れてしまうんですね。 鬼が近づいたら別の畝に移動したりしてー。 麦を痛めない限り、中で遊んでも叱られませんでした。
近頃、麦の穂の黒いのを見かけません。 昔は黒穂病の麦がたくさんあって、子どもたちはそれも自由にとることができました。 その茎で麦笛を作るのです。
麦畑の近くにはレンゲ畑が、広がっていました。 花は5分咲きといったところでしょうか。
れんげといえば、首飾り。 子どもの頃を思い出して3,4本つないでみました。
レンゲ畑に生えていたスズメノテッポウ。 これを下の方から摘み取り、穂の部分を引き抜いて草笛を作ります。 ぴーぴーと高い音でなります。 でも、くわえ方をまちがえると全く鳴りません。
地上の星、オオイヌノフグリです。
花びらをそっと引っ張ると、中のしべを残して花びらだけが外れます。 しべのあった真ん中は穴があいています。 その穴を杉のはのとがったところに差し込むと、杉の葉に花が咲いたようになるのです。
子どもの頃を思い出して色々してみましたが、案外難しいものでした。 大人の指では大きすぎるのかな? 子どもの頃はもっと簡単にできたと思うのですが。
たとえば、麦笛を作るために爪で茎を細く裂け目を入れます。 ちょっと入れるだけなのですが、上の方まで裂けてあやうくバラバラにするところでした。
れんげの細い茎に裂け目を作るのも、オオイヌノフグリの青い花を杉に挿すのも、かなりの集中力とていねいさを必要とします。
他にも、ノビルの花でかんざしは、茎の一番外側の薄い薄い皮を細心の注意を払って切れないように剥いでいく上級編です。
昔の女の子たち(わたしたち)は、繊細で壊れやすい草花で遊びながら、裁縫など細々とした生活に必要な器用さを身につけていったように思います。 どんな不器用な子でも、今の子よりは器用だったんじゃないでしょうか。
本来子どもの遊びは、大人になるための学習であり、生活そのものだったはずです。 今子どもたちは生活とかけ離れたところで暇つぶしをしているだけになってはいないでしょうか。