ややこしく行程変更になったわたしたちのツアーは、アントワープからもときた道を引き返しました。 ゲントを過ぎてブリュージュまでひた走ります。
夕方ブリュージュに着きました。 本格的な観光は明日ですが、観光できる時間は予定より大幅に減りました。それを少しでも補うべく、夕食までのわずかな時間、ブルージュの観光をしました。
ブリュージュは、町全体が美術館といわれるほど美しい町。 ゲントとはちがい、近くに良い石がないため建物はレンガで作られています。 ゲントが黒の印象だったのに対し、こちらは赤の印象です。
その土地の気候風土の特徴が町の形になって残っているというのはすばらしいことだと思います。 どこへ行っても同じようなビルと、洋風の建物ばかりになって来つつある日本の町作りっていいことなのでしょうか。
ところで、たった2日間でカメラのバッテリーが充電切れ。 予備のバッテリーをつけたものの、このペースでは最終日まで持ちません。そこで使い捨てカメラを併用することにしました。 このあたりから、デジカメでとった写真がうんと減って、あまり良いのがありません。ホテルは、郊外に建つノボテルブルージュイド。
ノボテルというものを初めて知りました。 なんでもベッドメイクなどは自分でしなければならないのだとか。 でも、お部屋へ入ったらだいたいできていて、その必要はありませんでした。 日暮れ前からすることもないので庭に出てみたら、隣は牧場で牛が10頭ばかりのんびりと草を食べていました。 と、もう牛舎へ帰る時間になったのか、全速力で走っていってしまいました。 牛があんな速さで走るのを初めて見ました。
翌朝、9時の運河クルーズに間に合うように、ホテルを出ました。 昨日見た愛の泉を通って、旧市内に入ります。 早朝のため観光客は少なく、その分美しい建物を見ることができました。
でも、2時間ほどでここを出ないと、夕方のマウリッツハウス美術館に入れないかもしれないというので、添乗員さんの引率で、小学校の遠足のように脇見もせずに歩きます。 美しいレースの店も、チョコレートの店も、ゴブラン織りの店もしまったまま。
ここでベルギーらしいお土産を買おうとのもくろみは見事に外れ、写真集1冊も買えなかった・・・・・ 心残りです。 本当は、ブリュージュの風景を作品にしたかったのに・・・・
このあたりで、わたしは、A社の自由行動の多さの意味がわかってきました。
ベルギーに住む日本人のガイドさんが初日に言われました。
「今の季節に来られる皆さんは、オランダのチューリップがお目当てで、ベルギーはそのお添えものくらいに しか思ってないけれど、ベルギーは本当に美しい国です。 皆さん、予想外の美しさに感動して帰られますよ。」
そのとおりです。 ブリュッセルのグランプラス、 ブリュージュなどは、半日ぐらいじっくりと見て歩きたいところ。 そういうところに自由時間を組んでいたのですね。 そしてホテルは散策に便利な市街地の真ん中あたり。 その分ホテル代ははね上がります。 そういうことです。 食事回数も少なく、オプショナルツアーばかりのプランなのに値段が高いのは。
聖母教会
運河から見る建物はどれもきれい。 水のある風景っていいですねえ。
運河クルーズが終わる頃、ようやく町は観光客でにぎわってきました。
ブリュージュを出発して200キロ。 午後になってオランダのデルフトに着きました。 デルフト焼きは、藍色の絵付けが特徴です。 砥部焼よりももう少し鮮やかな藍色です。風車など、オランダ風景を描いたものが多いです。 本物の手描きはけっこう高いので、わたしは小さなチューリップ型の燭台を買いました。 それに蝋燭を立てず花を挿して楽しんでいます。 デジカメ写真がありません。
続いてハーグへ。 5時までに着かないとマウリッツハウス美術館へは入れないのですが・・・・・間に合いました。
美術館隣にあるビネンホフ。 昔はどなたかのお城だったらしいですが、今は国会議事堂として使われています。
そして、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の絵は本当にすばらしかったです。 写真などではわからない、本物の持つ力をつくづく感じました。 今にもその口から声がもれそうな、そんな生き生きとした表情の絵でした。