☆My Everyday Life in Canada☆

カナダに来て18年。2人の子供達の成長記録と梅ちゃんからの日常エピソード色々☆

改めて、カナダ黒歴史について

2022-09-21 | 学校関係
この秋3ヶ月は子供の虐待についてという重たいテーマを扱うコースを受講中なんですが、1週目から精神的にきつい。。。。
勉強時間が寝る前になってしまうこともあって、胃の痛みと共に眠りについたり、悪夢を見てしまったり。。

以前ニュースにも大きく取り上げられていた 1870年代から1990年代という長期間にわたりカナダの先住民の子供達を寄宿舎に強制収容し、残虐行為が行われていた事実。


1990年代なので、我が家のダディ君が高校生くらいまで この制度は続いていた

私が住んでいるオンタリオ州にもいくつかあったようです。
南の方の黄色いドットあたりがトロント近郊。
赤いドットが寄宿舎があった場所
紺色のドットはそこに埋められているであろう遺体や墓地の調査が完了した場所
黄色いドットはその調査が行われている、または計画中の場所

オリジナルの記事はこちら


ダディ君は学生時代、先住民の方達とはお互いを尊重し、友好関係を築いていると学校で教わってきたとのこと。

しかし、現実は真逆で、15万人もの子供達が、まだ幼い5歳6歳の子達も含め、突然拉致誘拐され、彼らがもつ言語と文化強制的に奪い
キリスト教に基づくと言われる教え、西洋の教育と文化を教えていくと言う名目で、その寄宿舎では 身体的、精神的、性的虐待、ネグレクトのフルコース。

神様はそんな残虐行為を良いと思うわけがない。と願いたいし
多くの信者はこの行為は間違っていたと表面ではなく心から思っていると願いたい。

他州のいくつかの寄宿舎近くで、何百という子供の遺体が発見されたことで
カナダ国内では誰もが知る大きなニュースになりました

推定6000人(それ以上とも言われている)の子供達の命が そこでの虐待、餓死などで奪われているとの話です

カナダの初代首相 Sir John Alexander Macdonaldが、この計画をすすめ (この名前を持つ学校は先日改名されました)
政府公認の拉致、誘拐がカナダ全土で行われていました

家族に会いたくて泣いているまだ幼い子供達のところに来た大人達は
子供の気持ちに共感することもなく、助けてくれるわけでもなく、子供達の髪の毛を引っ張り引き摺り回して 誇りに思い大切にしていた髪を無理矢理切り、体罰を与えていたとのこと


子供達は番号で呼ばれ、何をするにも軍隊のように整列。
少しでも言うことを聞かない、規律を守らないと身体的な虐待に合う


手作りの電気椅子などもあったらしいです


ろくな食事も与えてもらえない


歯の治療だと言われ、手足を固定された後
歯医者はその場を去り、後から入ってきた神父からの性的虐待
ボイラー室などの密室での性的虐待

年齢男女関係なく虐待行為は日常茶飯事。
恐怖に怯え、泣き叫んでも 助けてを求めても、そこにいた大人達は誰も助けてくれない。
目の前で他の子達が虐待に合う姿を目の当たりにする。

誰もが1度はその環境から逃げようとする。
でも逃げられない。戻れば虐待にあう。そして亡くなる子達もいる
戦争や、捕虜体験と同様に、多くの人達は心を閉し、口を閉し、この事実は隠されてきた。


1980年代に、ようやく そこから生き残れた先住民の方達がこれらの事実を語り始めた。
そこで少しずつ事実が明るみになり、2008年の当時の首相 Stephen Joseph Harperが 政府から先住民の方達への正式謝罪を行った。
これは、私がカナダに来て間もない頃で、覚えています


そして2021年に何百という子供の遺体が寄宿舎近くで発見され、1980年代に事実が明るみになり始めてから約40年後の今年(2022年)、ようやくカトリックも事実を認め、ローマ教皇が直々にカナダへ来て正式謝罪


虐待はトラウマを生み、その人の生涯にわたってネガティブな痕跡を残す。
この先住民問題は、公になったことで 多くの人達に衝撃と共に知られることになった


先住民の方達との溝は今も決して埋まってはいないし、今も差別や虐待のトラウマに苦しんでいる方達がたくさんいる
寄宿舎から生き残った方達は先住民の言葉や文化を知らないため、先住民達に受け入れてもらえず
一般の社会には、先住民だからと受け入れてもらえない。そんな狭間に「自分は何者なのか」と悩み続ける人達も多いという
未だに完全な解決には至っていないカナダの大黒歴史です。


でも、この件を隠さずに公にしたことや、政府が正式に事実を認め謝罪ができるところは、カナダのすごいところだなと思う


間違いなく、同じような問題は、カナダ以外の国でも起こっているだろうし
過去ではなく、今まさに そういった虐待環境にいて助けを求めている人達がいる


権力の有無、お金の有無、言語や文化の違いがあっても、みんな同じ「人間」なのに。
なぜこのような事が起こってしまうのか。とても悲しい。


長期にわたりその寄宿舎で、泣き叫ぶ子供達を日々目の当たりにしながら
誰一人「これはおかしい」「助けたい」と思わなかったのだろうか。。。
思っていてもその大人達もそこから出られなかったのだろうか。


私は自分の周りにいる子供が困っていたり泣いていたら助けたい。
子供の喜怒哀楽に共感してあげたい。


カナダのデイケアや学校に足を運ぶと、本当にクラスの人種がバラバラなのが当たり前。
肌の色や言葉、文化が違う事に、子供達もそれが当たり前で育っているから
そこをあえて特別な話題にすることも日常ではない


でも、なんとなく感じるのは、私のように移民してきた人達の方が
多様性、インクルーシブという考えも知らない人達が多いのかもしれない。
私自身も言葉は聞いた事あっても、深く考えたことは勉強するまでなかったなと思う。


日本でも話題になっていたけれど「躾という名の体罰」これも カナダではタブー。
でも、育った国の背景によっては、それがあって当たり前の環境で育ってきた子達がいるのも現実
子供自身はおかしいと思っていても、その躾方法しか知らない親は
「しつけという名の体罰」はメリットを生まないということを認識していない


そこを、その方達の生きてきた道を否定する事なく、でも体罰は良い方法ではない別のアプローチを伝える
子育て家族と関わる仕事をする上では、そういったスキルも求められるのだなと感じます


虐待の連鎖。。。とめられたらいいのに。

興味を持ってくれた方は少し長いビデオだけど、こちらで学べます
でも、一気に見ると心が折れるかも。。。私は3回に分けてみました



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