ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

金翅のファティオータ 黒川裕子著 中央公論社

2010-07-29 10:40:43 | ファンタジー

C・NOVELSの大賞です。

おもしろいです。

でも気になる点があるので、あげときます。

1.主人公の母親は、下級以下の人のはずなんですが、話し言葉から上流階級の婦人であることをうかがわせます。他の同程度の生活レベルの女性の方々は、それなりの一般庶民の話し言葉ですからバランスがとれていません。母親が、実は身分を隠して住んでいたとするとしても、その話し方を子供相手にしてたら子供の話し方からバレます~母親が不器用だったからという逃げ方もありますけど。

日本語には敬語があるからやっかいです。敬語の無い言語:例えば英語だったらこんな問題はないんですけど。また、敬語は簡単には身につきません。TV見ててもご存知の通りアナウンサーでさえ間違えます。敬語をまともに使える人が少ないからこそ、「敬語のクイズ」が成立するわけです。

翻訳では、敬語を使わずに済ませたものがほとんどですが、結構すんなり読めます。逆に敬語使ったほうが不自然に感じます(間違った使い方も当然のようにあります:実際なら、その場にいる誰かがつっこむとこなのですが、原作はそんな言い間違いはないわけなので読むほうだけが???と)。

このシリーズは、敬語使うようにしてしまったので、もう直しようがないでしょうけど、新作では考慮していいと思いますよ。(審査の人が認めなかったりするのかな?)

2.トゲウオや波頭馬は、海面に氷を作ってその上を走るようなんですが、魔法というならともかく、科学的に行うのは不可能でしょうね。でも、これを大賞に選んでしまったのだから、推奨したのに等しく、以後、この手のものがどんどん出てきそうです。まあ、ウルトラマンシリーズで冷凍光線だのなんだの見てきたわれわれとしては、あっさり流すべきなのかもです。

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KLAN I~XII、+1 田中芳樹著・案・原案 集英社

2010-07-28 14:32:26 | ファンタジー

古本屋で一式見つけたので買いました。獣人もののファンタジーです。アニメと並行していて、途中からはノベライズとなっているようです。アニメは見たことないようです。

世には4つの獣人(狼、ライオン、虎、ヒグマ)の族(クラン)があって、うちライオンんの族長とでも言えそうな男が、世界支配およびクラン支配を企みます。まきこまれた主人公は、狼娘、ヒグマ男と共同して立ち向かいます。義理の妹は、当分お荷物役です。

変身ものの定めですが、質量保存則は無視です。主人公は、ヒーローものの定番どおり、敵を倒しても止めをさないどころか積極的に助けちゃいます。で生かした敵は自分の仲間を含めた他人をまた当然のように殺すのですが、主人公は、まず気にしません。たまに反省しますが、その場限りです。~セカンドボスも最終ボスも助けようとします。定番すぎて臭さを感じてしまうのは不純の証拠?

II、P17:銃口を頭にくっつけて銃殺する場面:下手すると、銃が破裂しちゃうんですが・・・なんの映画だったかで、突きつけられた銃口に体だか頭だかを自分から押し付けて暴発させて敵を倒すというのがありました・・・

II、P19:銃は三八式の元込めで一発ごとに詰め替えないと・・・・P19:弾倉が空になるまで・・・連発銃じゃないって設定を忘れるな~

II、P129~P135:ソムナス郊外の別荘に・・・三階建ての別荘・・・記者会見は別荘らしい・・・フウコは下の部屋に・・・出発するぞ」・・・館へと戻っていった。  この後、館(あとに、別荘から出てきた云々とある)の場面に移るのですが、ここのセリフと記述が間違っていないなら、フウコを引き連れて別の別荘に移動したってことなんだろう(伯爵の館はイギリスだろうから、他はすべて館といえども別荘だろうけど)。

II、P137:ジョアンナの片目は回復していないので、片目だけでの運転。怖そうだが、実兄が片目でしばし運転していた実績があるので、法規上はともかくとして問題はないだろう。

III、P82:英語のトランクは、「大型のカバン」という定義で、旅行客が引っ張り歩くあのスーツケースより大きい。日本ではこれを誤解してトランクの形状をしたものは、すべてトランクと言ってしまっているようで、英語の授業で、早いうちに直させられるものの代表だったはず。直させられた私は引き出しからトランクが・・・・ と書いてあるとえぇ???

III、P174:コインロッカーの中って携帯の電波届くのか?コインロッカーは金属箱だから、電波遮断されて届かないはずだが。

III、P179:伯爵はライオン形状でヘリコプターに逃げ乗ったわけだけど、1)ここは陸自の基地内 2)来るには陸自のヘリを使った そこで、このヘリは、どこの? 1)陸自のヘリならパイロットは逃げ出すかなんかしないか?(パイロットを殺して入れ替わった?) 2)伯爵のヘリなら、陸自が民間ヘリを入れさせるか?(上部に話が通ってるといってもな~) まあ、ここはご都合主義のにおいが強い。

XII、P176:風子は、羽をはやした少女(エンジェル?)に変身したらしいんだが、虎の子は虎だろうさ~あまりにご都合主義な結末。まあ、翼がないとごの場面から逃げることは不可能なんだけど。

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ペギー・スーix光の罠と明かされた秘密 セルジュ・ブリュソロ著 角川文庫 

2010-07-24 13:56:30 | ファンタジー

ますます、とんでもなさが増してきましたね。

光で植物が成長するのは、いいとして(見る間にどんどん成長するというのは、とんでもないんですけど)、昆虫や人も含めた動物まで大きくなるというとんでもなさ(少なくとも何か摂取しないと・・・)。さらに、金属(鍋など)まででかくなり重量も増すとなると、もう勝手にしてと(灯台周辺に無限にでかくなった鉱物製品がころがっていなければ、おかしいんだけど、それが無い:ころがってちゃ話の都合上まずいだろうな)。で、石はおおきくならないと(石には鉱物がふくまれていたりするんだけど:まあ、石まででかくなったら、灯台周辺には石でできた山がそびえることになり、そこから先には光が届かないことになるから都合が悪いか)。

まあ、子供がこれ読んで変な知識持たなきゃいいんですけど・・・・・(まあ、見ててわかるほど成長するものが現実にはそうそう無いからいいのかな?)

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亜州黄龍伝奇1~7 狩野あざみ著 徳間書店

2010-07-23 12:02:56 | ファンタジー

91~95出版の当時(中国返還前)の香港を主舞台としたファンタジーです。時事ネタもたっぷり盛り込んでます。

この世は、黄龍の見る夢であるということから、夢落ちされそうだな~という懸念がありました。また、黄龍が、目覚めないようにする最も手っ取り早い方法は殺してしまい、次の転生を待つことなのですが、さすがに、これは読者が絶対許しませんから、著者も苦労します・・・・

黄龍は、夢の中の人間世界に転生して人生を楽しみ?ますが、黄龍が、本当に目覚めてしまうとこの世のすべては消えるとなっています。その眠りを守るために、青龍、白虎、朱雀、玄武の4聖獣(不死の存在で、年齢は偽装できるらしい)が、人間の形をとって、みまもり続けるということになっています。

この世の最初に黄龍は、黄帝として人間を統治したとあります。で、その一人の人間に裏切られてから、人間の本性を知りたくなって眠りにつき、人間に転生したと・・・・夢見る前から人間がいたわけですから、作ったんでしょうね。でも、夢の中でなくても人間がいるじゃありませんか・・・・

2つめは、転生するのは黄帝の血筋であればとあります・・・・・で、転生するのは死後49日に生まれる子供ということらしい。黄帝が子供をいっぱい作って子孫をいっぱい増やしてからでないと無理ですから、まずは人間を自分と混血可能に作ったということでしょう(混血は普通の人間の能力しかない模様で、ギリシャ神話などとは違いますね:もっとも特別な能力を持たせたら別の話になってしまう)。黄龍=黄帝は不老不死だったのだから期間は十分あったわけですね。(って、転生条件がきついから、どんだけだ?)

3つめは、黄龍の転生が、20才になろうというときまで日本にほっといたことです。で、わざわざトラブルがいっぱいある香港に呼び寄せたと・・・・・・ 問題なければ小説にならないからとしてもご都合主義のにおいが。

最終話は、ムチャクチャな展開になります。どう決着つけるんだ?で、やってくれました。夢落ちです。まじめに付き合ってきたのにやっぱりこれかい!

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華陽国志1~6 狩野あざみ著 中央公論社

2010-07-21 11:40:12 | ファンタジー

中国の国の興亡に題材をとったファンタジーです。94~96の出版です。

滅んだ国を主体にしているため、エンディングには悲しいものがあります。

戦術・戦闘については、つっこまいないでおきましょう。

ただ一点、十日で流産するというのがでてきます。話の進捗として、妊娠するのはいいのですが、流産が早過ぎないかということとです。また、看護した人が10日とわかるというすごさが奇妙です。流れたとしても、流産とわかるほど成長しておらず、単に月のものとされるのが普通では、ないでしょうか?

そういえば、この女性は10年ほど関係していたわけですが、まったく妊娠していませんね・・・・また、月のものもあったはずですが、まったく問題なかったようです・・・・ まあ、話の進捗上、そんなのでバレては話にならなかったわけなんですが。

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