追いかけるのをやめて、振り返ったら、そこに立っていた
悲しいのか、嬉しいのか、分からない顔をして、そこに立っていた
ぼくは長いこと追いかけてきたんだぞと叫ぼうと思ったが、声が出なかった
じっとぼくの顔を見ていた見ていた彼女の頬が少しだけ緩んだように思えた
どのくらいそこに立っていたのだろう、日が陰り風が吹き始めた
彼女はくるりと背を向け、歩き始めた
遠ざかる彼女の背中を見ながら、追いかけてはいけないと自分に言い聞かせた
彼女の背中は、青白いたそがれの中に吸い込まれていった
ぼくは周りを見回した
灰色の草原がどこまでも広がっているばかりだ
どこに向って歩いていけばいいのか、途方にくれた
空には黒い雲が流れ始めていた
夢なら醒めればいいと思いながら、ぼくはそこにじっと立っていた
風の音が聞こえるばかりだ
どこからどこへ向って歩いていたのかさえ、もう思い出せない
草原の中にぽつんと立っていた
まもなく日も暮れる
ぼくも夜の闇に吸い込まれていくのだろう
悲しいのか、嬉しいのか、分からない顔をして、そこに立っていた
ぼくは長いこと追いかけてきたんだぞと叫ぼうと思ったが、声が出なかった
じっとぼくの顔を見ていた見ていた彼女の頬が少しだけ緩んだように思えた
どのくらいそこに立っていたのだろう、日が陰り風が吹き始めた
彼女はくるりと背を向け、歩き始めた
遠ざかる彼女の背中を見ながら、追いかけてはいけないと自分に言い聞かせた
彼女の背中は、青白いたそがれの中に吸い込まれていった
ぼくは周りを見回した
灰色の草原がどこまでも広がっているばかりだ
どこに向って歩いていけばいいのか、途方にくれた
空には黒い雲が流れ始めていた
夢なら醒めればいいと思いながら、ぼくはそこにじっと立っていた
風の音が聞こえるばかりだ
どこからどこへ向って歩いていたのかさえ、もう思い出せない
草原の中にぽつんと立っていた
まもなく日も暮れる
ぼくも夜の闇に吸い込まれていくのだろう