風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

磐座

2007年01月09日 | 雑感
昨日は天気もよく、近くの山に登りました。
上下スウェット(普段はパジャマ替り)に薄いウインドブレーカーです。
どんどん山の中に入っていくと、森の感じがいつもと違うなと感じます。
木々がすっかり葉を落としているので、辺りに金色の木漏れ日が差し込んで、雰囲気が明るくなっています。

積み重なった落ち葉をかさこそ踏んで、どんどん登って行きます。
3時過ぎに家を出たので、日は傾きかけています。
いつものルートの三分の一の行程で今回は帰ろうかなと決心します。

三分の一の行程ですから、少し物足りません。
普段は立ち入らない方向へ伸びている道を少し辿ってみました。
するとなんと注連縄で結界を張られた磐座(イワクラ)が現れました。
そんなのがあるなんて誰にも聞いたことがありません。
ちょっと磐に背を向けて坐禅を組んでみましたが、あまり落ち着かなかったので諦めました。
磐座というのは、神道以前の日本の聖域を示すもので、祝詞を上げるわけにもいかず、
なんとなく中途半端な気持ちでその場を去りました。

そして、山頂に立ちました。
風が強く、頭に被ったウインドブレーカーのフードがバタバタいい、荷の軽いリュックが吹き飛ばされそうになります。
家から持ってきた熱い麦茶をすすります。
雲の切れ間切れ間から放射線状に漏れ射す光が、眼下のろくでもない街を照らしています。
目を転じると、関門海峡の先に玄界灘が広がり、遠くの海面の一部にも雲から漏れ射す光がスポットライトのように当たって、
きらきらオレンジ色に輝いています。
おもちゃの様な船が海峡を行きかっています。
背中にかいた汗がたちまち冷えて、半袖の下着が背中にピタリと張り付くのが分かります。

ちょっと名残惜しかったのですが、立ち上がり下山します。
話は変わりますが、インタヴューの録音の時のために、ディスクに直接録音でき、大量の音楽もインストールできるやつを買いました。
名刺よりも小さいので、今回これを持って山に登りました。
イヤホンも昔と違って抜群に音質がいいです。
お気に入りは、フィレンツェで手に入れた「アヴェ・マリア」です。

http://up.magic3.net/src/up6369.wma.html


ここにアップしておきましたので、ご興味のある方は聞いてみてください。
KEYは「torut」です。
たぶん時間限定だと思います。

この「アベ・マリア」を聞きながら森やら町やら歩いていると風景が全然違ったふうに見えます。
汚い飲み屋街も愛しい人々の営みに見えてきます。
森は妖精の住む神々しい空間になります。

20年以上前、Sonyのウオークマン以来、音楽を聴きながら歩くというのはご無沙汰だったのですが、なんか癖になりそうです。

写真は携帯で摂ったものなので、画質は悪いです。