風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

説得

2005年09月08日 | 雑感
明日から店で展示会をします。
商品を並べ替えたりやなんかで、それなりに忙しくしました。

隣にうどん屋が出来つつあります。
60坪ほどもある、大きなうどん屋です。
ここ1ヶ月、工事の騒音がなりっぱなしです。
お客さんと話していても容赦なく耳障りな音が鳴り響きます。
でも、うどん屋が出来たら、おそらくたくさん利用させてもらうだろうから、じっと我慢します。

今日、突然、地球再生運動家、H氏がやってきました。
ちょうど居合わせたお客さんを紹介しました。
いきなりのセールストークですが、スーパー科学だの、素粒子だの、宇宙の科学だのという言葉の羅列です。
子孫のためだの、家庭の不和の解消だのという言葉も出ます。

ぼくはH氏を知っていますから、その真面目さも、誠意も疑うことはないのですが、
初めて聴いた人はドン引きします、まちがいなく。
お客さんが帰った後、プロの販売員たるぼく(笑)としては黙ってはおれず、いろいろ注文をつけました。

まず、理念から入るのではなく、ほかの商品とどう違うのか明確に説明しろ。
スーパー科学だの宇宙の科学だのという言葉は、聴くものを不安にすることがあっても、
絶対にすんなり受け入れられることはない。
商品の価格や、アフターケアーの件について、明快な説明がない。

要するに、H氏は、自分の行動の理念に夢中になりすぎて、お客さんが見えていないのです。
しかも、自分は地球再生運動という高尚な理念から語っているのだという大上段から来るものですから、
お客さんは後ずさりします。

H氏の人柄はいたって誠実なのはぼくが保障しますが、
なんというか、語ることが地上から浮き上がってしまっています。

たとえば、「愛」という言葉があります。
何かの体験をして、本当に深い愛の体験をしたんだと、経験をした当人は思ったとします。
「これこそ本当の愛なんだ、みなもこの愛を知らなければならない」と、
その人が見知らぬ誰かを説得にかかったとしましょう。
耳を素直に傾ける人がどれほどいるでしょうか。
「愛は宇宙の摂理を貫く原理なんだ、すべてはその愛を知ることから始まるんだ」と、熱く語ったとします。
熱く語れば熱く語るほど、聴く人はうんざりするでしょう。
しかも、商売が関わっていたらなおさらです。

どうかH氏には地上に足を踏み降ろしてもらいたいものです。
しようと思えば、かれはそれがやすやすと出来るはずだとぼくは思うのですが。