風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

アメリカ

2005年04月05日 | 旅行
5年ほど前に、3ヶ月間ほどアメリカのモンタナ州の小さな町に滞在していました。
国立公園のイエローストーンやグレイシャーも近く、何よりモンタナ自体が大西部そのままで、
ハイキングやら、釣りやら、リフティングやら、アウトドアで遊び放題でした。

ホームステイした家族は、熱心なクリスチャンで、家の中では酒もタバコも禁止でした。
これはきつかった。
慣れるにしたがって、夜は外食を多くし、映画を見たり、バーに行ったり、本来のペースに戻ることができました。
最初のうちは、一緒に教会に行こうと誘われていましたが、そんな生活態度を見て、誘われなくなりました。

さすがにアメリカでは車がないと手も足も出ないので、ぼろぼろのフォードを買いました。
1200ドルでした。
ますます家にいる時間は短くなり、週末になるとあちこちに車で出かけました。
イエローストーンへは5回くらい行きました。
キャンプにも行きましたし、山登りもしました。
ちょうどその頃、獅子座流星群がやってきていた時期で、テントを抜け出て、
即席の彼女と、森の中から見上げた流星の群れは感動しました。

そんなふうな生活でしたが、心は今ひとつ没頭できず、波立っていました。
仕事を強引に辞め、妻を残して単身アメリカで一年ほど好き勝手にしようとやってきたのですが、
うしろめたさがどうしても心を離れません。
今後やりたいことも見つからないままです。
アメリカでやりたいことを見つけるつもりではあったのですが、遊んでばかりいて見つかるはずもありません。

一つだけ興味を引いたのは、アメリカ・インディアンです。
その風俗、宗教、神話、生き方はどこか気高いところがあり、学んでみたいと思いました。
西部には、アメリカ・インディアンの居留地が今でもたくさんあります。
体のいい隔離政策ですね。
アルコール中毒やら、失業やらたくさん問題を抱えています。
独自の文化がすごい勢いで消えていくのに焦った老人たちが、若い人たちにインディアンの言葉を教え始めていますが、
一度衰退した民族力というのは、復興するのは難しいようです。
文化は狩猟や宗教的儀式と密接に関わっているものですから、ライフスタイルが、車の中でハンバーガーを食べながら、
では、なかなか失われた文化のコアを取り戻すのは難しいでしょう。

インディアンの聖地は、何か神殿のようなものがあるわけではありません。
だだっ広い平原だったり、森だったりします。
自然のスピリットを感じ、敬っています。
日本の古来の神道に似ています。

インディアンの人口が激減したのは、白人との戦闘によったのではありません。
白人が持ち込んだ伝染病が、インディアンの総人口の80%もの人々をあっけなく殺しました。
戦いを恐れなかったインディアンの人たちも、なすすべもなくころりころりと死んでいきました。

今でもインディアンの人たちは、辺鄙な居留地で身を寄せ合うようにして、生きています。
彼らの目に、現代アメリカのブルドーザーのような姿が、どのように映っているのかは、知る由もありません。